========================================食品工場長の仕事とは===
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アレルギーのコンタミ表示について■■■ 2007年5月26日発行
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おはようございます。河岸です。「「ビジュアル図解」食品工場の品質管理」を
購入された方から嬉しい感想が届いています。まだ読まれていない方は是非
一読してみてください。
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4495575813/249-0151581-1769102
今回、「食品工場の品質管理」 の本を購入して、上司連中に見せたところ、
格別に評判が良く・・・早速、ある上司は、持ち帰っていました。以前メールした
ときより、若手女性も3名加わったものの、初期教育がゼロでこの半年、地道に
品管とは?から 細かいところから教えてきたときに、貴方の本が発刊され、
早速、購入した次第です。半年前は、女性陣と話しをしても いつやめようか・・
・という話ばかりで、困った状態でした。現場で泣かされてくる 者もいたりして、
品管の状態は、最悪でした。ましてや、電話の応対も出来なかったものがいた
くらい???でした。ざっと回覧しましたところ、皆さん、非常にわかりやすい、
若い人たちからも、歓迎の声が上がりました。とりあえず、個人購入の分も回
覧してしまいました。この先、いろいろな場面で利用していきたいと思います。
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アレルギーのコンタミ表示について
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読者の方から質問を頂きました。質問はどんな事でも大丈夫ですので子供電
話相談室のように何でも答えますのでよろしくお願いします。
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ご意見を伺いたい事がありメールを送らせて頂きます。
アレルギー表示はとても注意が必要な事を理解しています。
下記の商品A、商品Bが同じ工場で製造されている場合のコンタミネーションに
ついて注意しなければなりません。
商品A 乳、卵を原材料で使用
商品B 小麦を原材料として使用
商品Aには、一括表示の枠外に注意喚起として「この商品を製造しているライン
では小麦を使用した製品を製造しています」という記載をする事が考えられま。
商品A、商品Bがそれぞれ一週間毎に交互に製造されるのであれば必ず必要
になりますが、商品Bを一回のみ製造でありその後他の商品を含めて小麦を含
む商品を製造していなかった時、このような注意喚起を入れる判断はどのよう
にするか悩んでいます。簡易のテストキットでラインの拭き取り検査を行って検
出されなければ注意喚起は必要ないと思いますが、アレルギーに関する問題
なので顧客によっては過去に使用したなら全部注意喚起を入れるべきと言うこ
とも言われます。万が一に備えてという考えで注意喚起を入れると結局は特定
原材料は全て注意喚起で表示されていく事にもなっていく可能性があり、悩ん
でいます。
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アレルギーの表示ミスは命取りになります。
日本の市場では食品衛生法の改正(2001年4月)により、容器包装された加
工食品や添加物に「卵、乳、小麦、そば、落花生」の5品目を原材料として使用
した場合のアレルギー表示が義務付けられました。この5品目については、製
造工程で使用する添加物などの加工助剤、通常はキャリャオーバーで原材料
表示のいらない食品についても表示が義務付けられています。他の20種(あわ
び、いか、いくら、えび、オレンジ、かに、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さ
ば、大豆、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、バナナ)は、
症例が少なく、化学的知見が少ないとして「表示奨励」とどめています。またア
レルギー患者が安心して食べられるように「特定アレルギー食品を使っていませ
ん。」と使用の否定表示を奨励(表示奨励)しています。特定原材料を使用してい
る製品と同一製造ラインを使用することで、特定原材料等が入ってしまう可能性
が考えられる場合、「本品製造工場では○○(特定原材料等の名称)を含む製
品を生産しています。」、「○○(特定原材料等の名称)を使用した設備で製造し
ています。」等表記することにより注意喚起をすることは必要になります。
コンタミ表示は最小限にします。
アレルギー表示のミスは文字通りの命取りの表示になります。そばアレルギー
反応を起こす方は、そばを茹でたお湯でうどんを茹でてそのうどんを食べる事でア
レルギー症状が出てしまいます。普段そばを盛っているざるにうどんを盛って食べ
ると症状を出される方もいます。そう言った場合は、「当店ではうどんとそばを同じ
釜で茹でています。」と言った店頭表示をすることが親切になります。但し、アレル
ギー反応が怖いからと言って、5品目の特定原材料等に関して「入っているかも
しれない」という表示は認められていません。このような入っているかもしれないと
いう可能性の表示は、PL法(製造物責任法)で企業防衛として安易に利用される
ことが予想されるのと、アレルギー患者の食べられる食品の選択の幅を狭めるこ
とにもなり禁止されています。アレルギーのコンタミが怖いからと言ってサニテーシ
ョン(清掃)が確実に出来てコンタミ(コンタミネーション)(混じってしまうこと)が起
きる可能性だけで入っているかもしれませんと言った表示はアレルギーの方の食
べられるものが減ってしまうの極力可能性表示は減らす必要があります。コンタミ
の表示が必要な工程は、細菌的にも清掃が確実に行われていないのと同じ事に
なりますから質問の方のAラインとBラインが隣同士で同時に製造されていないの
であればコンタミが起きないように管理を徹底してコンタミ表示を行わないことが望
ましいと考えます。このように製造した最終商品をアレルゲンがコンタミしていない
か最終商品のアレルゲン検査を行えば確実と思います。
安易に混入するかもしれませんの表示は避けるべきです。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。