==================================食品工場の工場長の仕事とは==
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■■ 悪質な「安全ないがしろ」
■■■ 2010年2月11日発行
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おはようございます。河岸です。
「コンビニでの買い物」について読者の方から感想を頂きました。
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/konnbini18.htm
コンビニエンスストアの弁当廃棄問題は皆さん一人一人の買い物の仕方で
解決するかもしれません。
ツイッターでも https://twitter.com/ja8mrx
是非感想をお待ちしています。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ご意見、ご質問:
いつも勉強させていただいています。
意見質問ではありませんが廃棄ロスについてはすごく共感するところです。
この話を知り合いにしたら「新鮮な物の方が美味しいからすぐ食べる物も
奥から取っている」と話されがっかりしました。でもこれが現実なんでしょうね。
私自身は主人に「偽善者なんじゃない?」と言われつつもすぐ食べる物に
限定されますが手前の商品を取っています。子供達にもそう教えています。
消費者意識がこのままではいずれ自分に全て返ってくると思っています。
是非今後ともこのようなお話をたくさんたくさん様々な場面でして頂きたい
と思います。
日本人のもったいない文化はどこへ行ってしまったのでしょうか?
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今週のお勧めの本です。
スーパーマーケットほど素敵な商売はない
―100年たってもお客様から支持される企業の原則 (単行本)
安土 敏 (著)
スーパーの事が大好きになります
サミットの元社長が書かれた本です。「スーパーで働いているパートさん
は、ほとんどがその店の近くに住んでいる主婦です。その人たちは同時に
お客様。だからゴマカシができない商売です。ゴマカシのできない商売ほど、
働く人にとって素晴らしいものはありません」
この言葉が安土さんがスーパーに対する思いのすべてを表していると思
います。
具体的には次の事を徹底して行ったそうです。
精肉は厨房でスライスする。
従業員教育をしっかり行う。
精肉などの再パックした場合は初めの日付を打つ。
経営者の想いが徹底的に従業員に伝わり正直さが商売の原点と伝えて
くれます。
商売の原点、原則が多く書かれています。
http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22/detail/4478090130
★5個です。
・食品工場の参考になる本
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102
・中食・外食で参考になる本
http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22
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悪質な「安全ないがしろ」
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何故無くならないのか
私が講演などでよくおはなしする言葉があります。
「有る組織の倫理感はその組織の代表者の倫理感を超えることは無い」
組織の代表者が利益にしか興味が無いと、現場で働いている人たちは
利益にしか興味が無くなってしまいます。
私もオーナー企業で働いていたときに、100の量しか原料が無いときに
150の量の注文が来ました。
普通に考えると原料が不足した分は注文を断らなきゃいけないのです
が、そのときの責任者の言葉は驚くべき言葉が出てきました。
「そこの所を何とかするのが君のしごとだろう」
共に働いている人たちは上からの指示であれば多少おかしいと思って
も作業を行ってしまいます。
自浄作用があるかどうか
今回の小糸工業の不正は内部通報があったそうですが、毎年のよう
に内部通報があったように報道されています。
会社の体質、組織の体質として、安全性より、利益、売り上げが第一
で組織全体が片目をつぶって不正を見なかった事にしていたと思いま
す。
組織を変えるためには、スケープゴートで現場の責任者を変更しても
組織全体の体質は直らないと思います。
オーナーを含めた本当の責任者を変えることで会社の体質が変わっ
ていくと思います。
日本の製造業はいつから職人のまじめさを忘れて来たのでしょうか。
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産経新聞より引用
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100210/crm1002100249003-n1.htm
【主張】小糸工業の不正 悪質な「安全ないがしろ」
2010.2.10 02:49
このニュースのトピックス:主張
航空機座席の国内独占メーカー、小糸工業が耐火性や強度試験の記録
の捏造(ねつぞう)、改竄(かいざん)など驚くべき不正を行っていた。国土
交通省は最も重い業務改善勧告を出した。
掛川隆社長は記者会見で「法令順守の意識が欠如していた。組織ぐるみ
と言わざるを得ない」と認めた。不正は20年ちかく続いていたとされる。
乗客の安全を無視した利益優先の隠蔽(いんぺい)体質には開いた口が
ふさがらない。法令違反に厳しく対処するのは当然だ。同省は「刑事告発
も検討している」という。
検査態勢も問題だ。なぜこれほど長い間、不正を見抜けなかったのか。
今回の件には昨年夏に内部通報があり、国交省が検査に入って分かっ
た。だが、一昨年末にも別の部品偽装に関する内部通報があり、同省が
立ち入り検査して厳重注意した経緯がある。
航空機部品の安全については国際民間航空機関(ICAO)の世界標準が
あり、各国がそれに準拠して航空法で定めている。同社の製品も同省が安
全証明書を添付して輸出している。結果的には、同省が不正な輸出に加わ
っていたことにもなる。
こうしたずさんな検査態勢では制度の不備だけでなく、何らかの癒着が疑
われてもしかたがないのではないか。
同社の製品は日本航空、全日本空輸など世界32社の約1000機で使用さ
れ、総数は15万席に上るとされる。しかも、すべての製造工程で不正が疑わ
れている。
国交省は納入済みの座席について、「直ちに運航停止する安全上の問題は
無い」と断言するが、本当に大丈夫か。場合によっては人の命にかかわる
問題である。法令順守を第一に考え、出荷済みの全座席について安全性の
再検査を急がせるべきだ。
不正の背景には「製品納期の逼迫(ひっぱく)があった」と同社は説明してい
る。納期を守るために検査改竄を繰り返す不正の構図が浮かんでくる。日本
製品に対する世界の信頼を揺るがした責任も重大だ。
この数年、耐震偽装から食品偽装までさまざまな企業の不正事件が頻発し
ている。いずれも法令を無視して、利益のかさ上げをはかるのが目的だった。
その教訓がまったく生かされなかったのは残念だ。経営者は安全をないが
しろにした責任を深く反省し、法令順守を徹底しなければならない。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。