==================================食品安全教育研究所発行=
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■■ 原料の産地などにこだわった商品の監査方法
■■■ 2014年7月27日発行
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おはようございます。河岸です。
中国の工場の報道が続いています。みなさんの工場が仕入れている
仕入れ先の監査は問題がありませんか。
監査方法の指導などは http://form.mag2.com/rouvoviami に
お願いします。
私、河岸宏和の記事が掲載されています。
「中国期限切れ鶏肉事件、なぜ発生?生産・加工・販売業者に必要な
食品安全上のルールを検証 」
http://biz-journal.jp/2014/07/post_5510.html
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・河岸宏和の最新刊「「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます」
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是非、お手元に置いてください。
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青いラップなど便利な備品です。
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原料の産地などにこだわった商品の監査方法
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工場全体の監査が必要
「こだわりの卵使用カステラ」と言った商品の監査を行
う時を考えて見ます。
監査の始めに定義の確認を行います。「こだわりの卵」
この言葉の定義を確認します。定義は数値で論理的に確認
出来る事が必要です。
単純に「卵の味にこだわった卵」で「開発の責任者が美
味しいと思った卵」では論理的に説明がされている事には
なりません。
例えば「餌の配合にこだわり、一般的には餌に配合され
ていない○○を3%配合した餌を食べさせ、産まれた卵は、
DHAが通常よりも10倍多く含まれ、食べたときに味が濃く
感じるようにこだわった卵」という定義があり、餌の配合
表、DHAの測定結果、官能検査結果がある事が必要なのです。
卵の定義を明確にし、実際に使用している卵が、定義通
りの卵であるかどうかの証明を確認する必要があります。
最終商品で「こだわり卵」と謳うのであれば、卵の生産
現場の監査をカステラ工場の監査部隊に監査させるのか、
自分たちで行うべきなのかも含めて検討が必要になります。
特に卵の場合は、鶏が餌を食べ出してからある一定の期
間を経た後に卵に特別な栄養が移行します。
特殊な餌に変更して何日目で卵に栄養が移行するかの科
学的データーを確認する必要があります。
卵に関する配合をすべて確認する
「こだわり卵使用」と言うためにはカステラに使用して
いる卵はすべて、「こだわり卵」を使用している必要があ
ります。卵を100g使用しているとして、こだわり卵は10g
で90gは一般卵を使用している場合は、「こだわり卵は卵
の配合量の10%使用」と商品名の直ぐそばに表示する必要
があります。
商品を選ぶときに、お客様に対して不利にならないよう
にこだわった表示の直ぐそばに不利な情報も表記する必要
があるのです。
商品の表面に「こだわりの卵使用カステラ」と表示し、
裏面に「こだわり卵は卵の配合量の10%使用」と表示して
はならないのです。
工場の管理を確認
監査先の工場内で使用している卵が「こだわり卵」だけ
なら問題は有りませんが、一般卵を使用した商品を使用し
ている場合は、工程内の管理方法の確認を行います。入荷
時点の識別、配合時点の識別、入荷してきた時に外装を外
した時の識別などを確認します。
卵は一般的に液卵として工場に入ってきます。液卵が入
っている容器には
「こだわりの卵」と表示してあっても、容器から出して袋
の状態にしてしまえば、一般卵と識別する事は出来なくな
ってしまいます。
一般卵の液卵は青いビニール袋を使用し、こだわり卵は
赤いビニール袋を使用するなどの、一般卵と識別出来るか
どうかの確認を行います。
焼成前の生地、焼成後の製品についても普通のカステラ
との識別方法の確認が必要です。
カステラは一般的には行いませんが、ソーセージ、たれ
などは、中間製品、半製品を配合に戻す、リワーク品、再
生品、戻し品の管理を確認します。
再生品を再度配合に使用している場合は、再生品もこだ
わり卵を使用している事が必要になります。
会計上の確認が必要
使用して居る原料の産地偽装、食品偽装を行っている工
場を見抜く事はみなさんが考えているより非常に簡単に行
う事ができます。北海道の偽装挽肉工場から原料を仕入れ
ている仕入れ先が、たった一点監査を行っていれば、豚の
心臓が混じっている牛肉の挽肉を仕入れる事は無かったの
です。
「こだわりの卵」を製品に本当に使用して居るかの確認
をしてみます。
ある特定の月の「こだわりの卵」の月初在庫を確認します。
監査日の「こだわりの卵」の実在庫を確認します。「こだ
わりの卵」の入荷数量を伝票で確認します。「こだわりの
卵」を使用して居るすべての製品の製造量を確認します。
「こだわりの卵」を使用して居るすべての製品の製造量に
それぞれの配合量をかければ実際に使用して居る「こだわ
りの卵」の量が算出出来ます。
実在庫から計算した実使用量と合わせれば本当に使用し
て居るかどうかの確認が出来るのです。
ここで監査時に必要なチェックポイントがあります。現
場の実在庫はダンボール箱の中身を開けて必ず中身まで確
認する事です。外側の表示は「こだわりの卵」であっても、
中身が普通卵であるかもしれないのです。
入荷伝票は、必ず仕入れ先が発行した伝票での確認が必
要です。
製造した商品は、自社の仕入れ分だけの確認では無く、
監査先のすべての製品を確認する必要があります。「他社
の配合等は開示出来ない」と言われる場合がありますが、
工場監査を行うときには、すべての配合、仕入れを確認で
きなければ監査を行うことは出来ないのです。
北海道の偽装挽肉会社も、特定の納品先だけの監査であ
れば、仕入れ数量を確認しても偽装に気がつくことは出来
ないのです。偽装挽肉会社のすべての仕入れ量と、製造量
を比較して初めて偽装に気がつくことが出来るのです。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
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