========================================食品工場長の仕事とは===

■■    ジェットコースターの事故で考えること

■■■                            2007年5月13日発行 

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おはようございます。

河岸です。本当に悲しい事故が起きてしまいました。遊園地は心が休まるた

めに行くところで事故が起きてしまうなんて、信じられないですね。温泉でレジ

オネラ菌で事故が起きてしまいましたが、本当に経営者の考え方が大切だと

痛感します。最近心が休まらないときは中西保志さんのCDを聞いています。

JAZZの様に日本人がだれでも口ずさめる歌を集めたアルバムです。本当に

心が休まりますよ。

 

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ジェットコースターの事故で考えること

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身近なところで事故は起きてしまいます。

 2007年のGの最後に大きな事故が起きてしまいました。朝日新聞によると「5

月5日午後0時50分ごろ、大阪府吹田市千里万博公園の遊園地「エキスポラン

ド」で、ジェットコースター「風神雷神(ふうじんらいじん)2」(6両編成)が脱線し、

2両目にいた女性客が車両とレール左側の手すりに挟まれて死亡、他の乗客

19人が重軽傷を負った。大阪府警は、車軸の一部が折れて車輪が脱落し、車

両が左側に傾いたとみて、業務上過失致死傷の疑いで吹田署に捜査本部を設

置し、6日にもエキスポランド社(山田三郎社長)など数カ所を家宅捜索する方針。

エキスポランド社の説明によると、風神雷神2は、建築基準法などで、年1回、

目視の定期検査が義務づけられており、同社は毎年2月ごろに実施。あわせて

車両を分解する点検も自主的に行っていたが、今年は開園35周年記念のアトラ

クションを新設するため、分解点検は今月15日から始める予定だったという。」こ

こまで引用です。 この、分解点検でも目視点検を行うか、分解して点検を行うか、

エックス線を活用して点検を行うか企業の考え方によって点検の方法と頻度は異

なってきます。日本の法律は、食品に関する法律も同様ですが、最低のラインを

法律で定めているに過ぎません。その最低の法律をクリアしたからと言って安全

で有るとは限らないのです。食品衛生法、ISOを取得していたからと言って食中

毒が発生しないことは、雪印の事件で理解できると思います。目視点検を年一回

行うか、金属疲労まで検査できる分解してのエックス線の検査を行うかは会社の

考え方になってしまいます。

 

 

工場で万が一の時の安全は確保されていますか?

 食品工場の運営は方針で決まってしまいます。方針には必ず次の三点が含まれ

ていることが必要です。

1 製品の安全に関すること。

2 従業員の安全に関すること。

3 地元地域の安全に関する事。

 この三点が必ず含まれていることが必要です。この二つめの方針があなたの工場

では本当に守られているか、ジャットコースターの事故を教訓に考えて見るといいか

もしれません。工場を視察していると「非常口」の看板があり、避難経路になっている

けれどその先は封鎖されていたり、虫が侵入するとの理由で非常口自体が開かなく

なっている場合、外部侵入者を防ぐためにチェーンでロックしている場合などがありま

す。非常口は火事などの場合の避難経路になりますので簡単な方法で鍵を外して非

難できるようにしておくことが必要になります。あなたの目の前で火事が起きたとしま

す。消火器の場所が目に付きますか。消火器が何処にあるかどこから見ても明確に

なっていますか。その消火器は手に取りやすい場所に置いてありますか、消火器の前

に荷物が放置されていて消火器に手が届かないようになっていませんか。その消火器

の使用出来る日付は期限内になっていますか。消火器の使用方法は定期的に訓練を

行っていますか。最低年に一回の消防訓練、避難訓練は必要になります。その時に

消火器を実際に使用してみることは、非常に大切な事になります。自分で一度でも消

火器を使ったことがあるか無いかは、非常時の対応が全く異なってきます。

 

 

点検するところはたくさんあります。

 安全に関する日常点検を行う所はどの部署が行うかを決めなくてはいけません。商

品の品質に関することは品質管理が通常行っています。一番現場を点検という目で

歩くことが多いのは品質管理だと思います。大きな工場では安全担当と言って総務な

どの安全担当が現場を巡回している場合がありますが一般的には形だけに終わって

いると思います。大切な点は食品の安全と同じように、従業員の安全に関して形だけ

に終わることは無いのです。「今日は消防署の点検が入ります。」と朝礼で現場の方

に伝えると、現場では消火栓の前に物を置かないようにして、非常口回りの避難経路

を確保し、防火シャッターのシャッターラインの確保を行います。そして避難の時に使

用する拡声器などの準備を行います。大型スーパーでも普段は買い物をするときの通

路の確保と、消防署の視察が入るときの通路の確保は異なって見えます。ここで大切

なことは、安全に関して会社の方針が大切なのです。常に防火シャッターのシャッター

ラインを守るのか、消防署の査察が入るときだけシャッターラインを守るように従業員に

言うのかは大きく異なることです。更に進んだ会社は、毎日安全が守られているかどう

かを誰が点検をするかが明確になってくるのです。GWの楽しみにしていた遊園地で楽

しく家に帰ることが出来るか、命を落とすことになるかは、毎日毎日の安全に対する積

み重ねにの差だと思いませんか?

 

 

査察の日だけ行動しても安全は確保されません。

安全は毎日の積み重ねが大切です。

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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表紙イメージ 河岸宏和への質問



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