========================================食品工場長の仕事とは===

■■   製造記録は何故必要か

■■■                            2004年4月23日発行            

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おはようございます。

河岸です。関東は本当に夏、夏、夏です。日本は熱帯になったかと思えるような

天気が続いています。今年こそはネクタイしないぞ、と一人がんばって見たいの

ですが、みなさん日本の夏はネクタイしない運動をしませんか?

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製造記録は何故必要か

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読者の方からメールを頂きました。

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突然のメールにて質問させていただきます。

弊社の惣菜工場では、昨年後半あたりから、主に「掃除終了時」、「煮物温度」、

「個人衛生(身だしなみ)」に関してチェック表を付けさせています。

私の立場としては「きちんと行なわれているか、記録に抜けがないか」を確認し、さ

れていなければ注意をしなくてはならないのですが、最近チェック表の数が増えたせ

いもあると思うのですが、注意した際に従業員の口からは「面倒くさい」や「忘れっ

ぽいからなぁ」などといった言葉が聞かれます。

定着させるにはしつこく、繰り返し言いつづけることが必要ということはわかります

が、記録をつける

ことについて従業員を納得させられるような理由があれば是非教えていただきたいの

ですが。HACCP関連の本を見ると、「記録及び文書の維持管理」の項目で、「H

ACCPを基礎とした自主衛生管理マニュアルに基づき種々の記録を取ること、及び

その記録を整理し保管することは、HACCP自主衛生管理を適切かつ確実に実行し

た証拠を維持管理し蓄積することであり極めて重要な作業です・・・・」とありま

す。私の解釈としては、万が一問題が起こった時に、第3者がチェック表などの記録

を見て、各作業において(例えば煮物の加熱工程において)問題がなかったと納得で

きるように

するために書くのだと考えています。そのためには、記録が抜けていては困るわけで

すよね・・・。

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HP、メルマガをやっていますと皆さんからのメールが本当に力になります。

朝の4時に起きるのが辛いとき、お酒を飲み過ぎたときもアイデアを飲みながら考えて

文書にするのには、皆さんのメールのおかげだと本等に信じています。

これからも質問どんどんお願いします。

今回のお話は、多少難しいですね。特に昔から働いている従業員の多い工場では

品質管理担当者が変わったり、ISOをとったりすると、質問の様にやたら帳票が

増えますので、こういった話しは多くなると思います。

 

大きく考えると次の二点になると思います。

1 何か問題が発生したときの証明のために必要

2 トラブルが発生する前の予兆ののために必要

 

では、具体的にお話ししたいと思います。

1 何か問題が発生したときの証明のために必要

   1995年7月1日施行の「製造物責任法」と1998年1月1日施行の「新民事訴訟法」

   によって、いままで食品で事故が発生して、裁判になっても訴える方が証拠を調査

   して出さなければならなかったのが、工場の方で安全性の根拠をそろえる必要が

   出てきました。裁判まで考えないでも、クレームという名前で、お客様に説明を

   する必要が、多く発生すると思います。私の所は、こんな帳票で、こんな管理をして

   いますと、現在使用している帳票を素直にみせると、ほとんどのお客様は納得して

   いただけますね。万が一訴えるぞ、と言うことになっても、中心温度等のHACCPの

   考え方で出来ている帳票がデーターとして蓄積していれば、問題はないと思います。

   ISOの規定でもこのところが特に、やかましい所です。

 

2 トラブルが発生する前の予兆ののために必要

  工場長のあなたが必要なデータです。最近歩留が落ちてきたな、とか

  最近生産性が悪いなと気が付くようなデーターです。現状のISOは不良品ばかり

  製造していてもISOはとれます。きちんと帳票に数字がチェックされていても

  トラブルは発生します。そのためにデーターは必要ですね。

 

この、二例では質問の方の答えになっていませんね。

従業員の方には、こう話して見てください。

 

「皆さんは朝来て、タイムカードを打って、帰るときにも打ちますね。そうして残業を

お願いしたときも残業の時間できちんとタイムカードを打って、打った結果を確認して

帰られると思います。何故数字が必要なんですか?それは皆さんが打たれたタイム

カードの数字を基に、給料が計算されるからですね。もし、私、工場長が皆さんの

残業を全て手帳で管理するよ、と皆さんにお話ししたら皆さんは私の事を信じてもらえ

ますか、きっと私の事は信じてもらえないと思います。

 

皆さんにお願いしているチェック表の数字も同じ事なんです。皆さんが製造した製品の

安全性をお客様に信じてもらうために、毎日毎日、同じように数字を記入してもらうのです

お客様一人一人に製造している私を信じてと言いたいのは判りますが、皆さんが

残業管理を、工場長の私の手帳では信じていただけないのと同じ事だと思います。

なぜか、数字の記録は信用することが出来ますね。非常に大切な事ですので、朝の

タイムカードと同じように帳票の記録をお願いします。」

 

このように易しくお話しすれば理解して頂けると思います。

 

みなさんの質問をお待ちしています。

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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