==================================食品工場の工場長の仕事とは==

■■  金属クレームが発生したら
■■■                  2013年6月15日発行 
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おはようございます。河岸です。
 食品工場で食中毒事故を発生させると工場はまさしく命取りの事
故になってしまいます。食中毒事故は起こしてはならない事故にな
ります。今日お話する金属クレームも、起こしてはならない事故で
す。金属クレームはクレームの中でも必ず防ぐ事が出来るはずです。
 工場の中を点検し、金属クレームの可能性になりそうな箇所が無
いか再点検を行ってみませんか。

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 金属クレームが発生したら
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方針の確認

 異物混入クレームの中で金属混入クレームだけは起こしてはならな
いクレームになります。
 金属が混入した製品は、エックス線探知機を使用すれば、線状の物
でも1mmφの物も検出出来る精度の物が開発、使用されて居るのです。
 実際に1mmφの大きさの金属異物を口に含んで見ると、口の中で識
別するのは難しくなります。3mmφのものであれば、ハンバーグの中
に混入していても充分気がつく大きさだと思います。
 金属検出機、エックス線探知機を原材料、中間品、最終製品を通過
させていれば、必ず除去出来る物が金属クレームだと認識する事が必
要です。
 金属クレームは除去出来る検出装置の設置が必要になります。せっ
かくエックス線探知機を設置しても、除去装置が作業場のスペースの
制限で設置していない工場がありました。エックス線探知機でせっか
く異物を検出しても良品として流れていってしまうのです。
 工場の説明では、「異物に反応した時点でランプが点灯し、ブザー
が鳴るので除去出来る」と説明がありましたが、工場内の騒音が大き
く、実際に作業者は気がつかなく流れていたのです。
 エックス線探知機等には除去装置をつける必要があるのです。
 金属混入クレームを防ぐためには、金属異物の発生する可能性のあ
る所を把握し、改善計画を立てることが必要です。
 特に原材料、包装前の半製品が通過する上部、天井部分は、平面で
錆などが落下しないようになっていることが必要です。
 金属混入になる可能性の所を事前点検し、補修し、エックス線探知
機を使用して居れば、金属異物混入クレームは必ず防げると私は信じ
ています。
 金属混入クレームは、検出器で検出すれば防ぐ事の出来るクレーム
です。
 金属検出器は異物の混入している向きで検出しない場合があります。
 理想的な検出器は、金属検出器を向きを変えて二台設置し、その後
にエックス線探知機を設置する事です。この場合も排除装置が作動す
るかどうかのテストは、それぞれの検出器で検査する事が必要になり
ます。


毎日の点検

 エックス線探知機、金属検出器が正常に稼働しているかの点検が必
要です。
 特に金属検出器の場合は、設置状態が悪くノイズを拾ってしまうと、
充分な精度が出ない可能性があります。
 設置状態が正しいかどうか、ノイズを拾わない配線になっているか
の確認が必要になります。金属検出器は固定してあることが重要です。
毎日ラインを移動させる工場の場合、金属検出器を台車に乗せ直ぐに
移動できるようにしている場合もありますが、移動が終わった時にタ
イヤでは無く、固定して設置する事が必要です。
 金属検出器の電気の配線は、最短で、アースが取れている状態で配
線を行う必要があります。金属検出器の電線が長く余剰が出たときに
は、巻いてしまうと磁場が出てしまうので、小さな輪にならないよう
に処理することが必要です。
 金属検出器、エックス線探知機とも、始業点検で、テストピースを
流した時に、排除装置で確実に排除されるまでを確認する事が大切に
なります。
 テストピースに紐をつけて、金属検出器で反応した段階で紐を引っ
張ってしまう場合がありますが、必ず流す製品と同じ大きさ、同じ重
量の物に、テストピースをつけて流すことが大切です。金属検出器で
テストピースが反応し、排除装置で確実に排除できるかどうかが大切
なのです。
 排除を空気の排出で行って居る場合、軽い物は排除出来ても、重た
い物は排除出来ない場合があります。
 金属検出器は始業点検マニュアル、排除マニュアル、通過記録を確
実に作成し、従業員教育を行うことが大切になります。

教育を受けているかどうか 

 金属検出器の操作は、教育を受けた作業者だけが操作をすべきです。
 金属検出器教育はマニュアルを作成し、すべての作業者が同じ作業
を行うことが大切です。
 使用して居る金属検出器の特徴を良くつかみ、一番反応しづらい場
所で、テストピースが反応するかどうか毎回検査する必要があります。
 同軸型の金属検出器の場合は、開口部の真ん中が一番検出しづらい
ので真ん中をテストピースが通るように設定します。コンベア上の位
置は反応しやすいので、コンベアー上で合わせてしまうと真ん中では
検出出来ない事になります。
 テストピースを流すときには、必ず対象商品と流し、除去されるま
でを確認する事が必要です。停止型の場合は、金属検出器の検出部分
の真下で止まる事を確認します。

排除した商品をどう取り扱うか

 私が経験した金属クレームのほとんどが金属検出器でせっかく排除
したが再び良品として出荷されたものです。最悪の工場は、ウエイト
チェッカーの軽量排除場所と金属検出器の排除場所が同じ場所で、は
じかれた商品を重量だけを測って、重量が基準以上あれば再出荷して
いました。軽量品と金属検出器排除品が同じ所に排除される設計はあ
ってはならないと思います。
 金属検出器で一度でも排除された商品は再び流して使用する事は禁
止すべきです。
 「ノイズが多くて間違えて排除が多いので」と説明される工場も多
いのですが、ノイズを減らし、間違えて排除する事を無くすることが
先決だと思います。

 金属検出機を再度点検してみませんか

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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