==================================食品安全教育研究所発行=

■■  危機管理の考え方を最新に
■■■                  2014年3月2日発行 
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おはようございます。河岸です。
 関東は週末になると、雪、雨になってしまいます。
 なかなかゆっくりテニスが出来なくて悪い汗が溜まりそうです。
 みなさん体を動かしていますか。
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危機管理の考え方を最新に
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毒ガスを撒かれたとしたら 

 二度と考えたく無い事件ですが、1995年3月に東京
の地下鉄でオウ真理教によって毒ガスサリンが撒かれてし
まいました。
 当時は撒かれた物がサリンと気が付くまで時間がかかり、
病院関係者にまで二次汚染が広がってしまいました。
 もし、あなたの会社の事務所にサリンのような毒ガスを
撒かれたとしたらどのような対応を取ったらいいのでしょ
うか。
 あなたは、事業所の責任者です。あなたの事務所に透明
な液体が入った袋が投げ込まれました。投げ込まれた袋は
破け、透明な液体が流れ出てきました。
 従業員の一人が近寄って見ると、苦しみ出し、倒れてし
まったのです。
 貴方は、まず倒れている方を担ぎ、事務所の外に逃げる
べきなのです。
 もちろん他の従業員の方も声をかけて全員事務所の外に
逃げました。
 何か解らない物が投げ込まれ、そして従業員が倒れてし
まいました。
 ここで、二次被害を防がなければならないのです。
 毒ガスなど解らない物で人が倒れた場合は、近づいて助
ける事で二次災害になる場合があります。
 温泉の硫化水素ガス、牧草の詰まったサイロの酸素欠乏
など、身近な所でもガスによる中毒は起きています。
 119番に連絡したときに、「毒ガスらしき物で人が倒
れた」と連絡することが大切です。
 事務所の外に避難した段階で、近所の方が寄ってきまし
た。
 あなたは、助けを呼んでほしいと伝える事、近所の方に
近づかないことを周りの方に伝えないと行けないのです。
 「救急車が来ても毒ガスらしき物です」と伝えます。
 大切な事は、二次災害を出さないことが大切なのです。
 鉄道事故が起きたときにいちばん大切なことは、「走
っている近くの電車をまず止める事」だそうです。目の
前に倒れているけが人を助けることよりも大切な事とされ
ています。JR 東日本の新人教育では繰り返し繰り返し教
育されて居ると聞いています。
 倒れている方は、救急車に乗る前に除染してから病院
に搬送することが大切なのです。
 まず、近所の方、助けに来た方を二次災害から守る事を
行う事が大切です。
 次には、隔離が必要です。事務所にいた方すべてを隔離
します。
 ここでリーダーが変わります。救急車が来るまで、消防
の方が来るまでは、あなたが現場のリーダーでした。しか
し、救急の方が来た段階で現場のリーダーは救急の方なの
です。
 次のリーダーの方の仕事は、毒ガスらしき物の分析、測
定です。
 結果が分かるまでは、ガスに触れたと思われる方は隔離
する必要があります。もちろん現場には誰も入らないよう
に隔離します。
 例え、現場の中に国会議員、消防署の署長が居たとして
も隔離した所の外に出してはならないのです。
 毒ガスの分析が終わり、対応策が解ったところで、処置
を始めます。毒ガスの拡散の可能性が有る場合は、隔離の
範囲が広がる事もあると思います。
 分析された物質に応じた除染を行い、必要であれば予防
薬を投与します。ウイルス汚染、細菌汚染などが疑われ場
合は、症状が出るまでの潜伏期間さらに隔離が必要になる
のです。
 汚染されて居る可能性がある物は、決して隔離した範囲
から外に出してはならないのです。
 一次隔離が終わり、物質の分析が出る頃には、さらなる
専門家がリーダになるべきです。
 汚染された方をどのように取り扱うべきか、汚染された
可能性のある方をどのように取り扱うべきか、汚染された
場所をどのように取り扱うべきかを判断し、絶対的な権限
で命令出来る方がリーダーを行うべきなのです。
 もちろん、消防、警察、自衛隊など関係者を纏め指示命
令出来る方がリーダーを行うべきなのです。
 全体を考えるリーダー、治療を考えるリーダー、汚染し
てしまった方を除染するリーダー、汚染してしまった事務
所を元に戻すリーダーがそれぞれ必要になります。
 この事例で考え無ければならない事は、被害を広げない
ためにどうしたらいいのか常に考える事が必要であること。
 事故の局面局面でリーダーは変わる必要があること。
 安全で有ることが確認できるまでは、例え誰であっても
隔離された所から出してはならないことが理解できると思
います。
 オウムのサリン事件を経験したからこそこの様な事が理
解できるようになりました。
 しかし、経験をしていない危機に対して日常的に対策を
考え、関係者に対して教育を繰り返す事が危機管理の基本
だと思います。
 東日本大震災に遭われた越喜来(おきらい)小学校は、
津波が来た時に直ぐに逃げられるように2階に橋が架けられ
ていました。この橋は地元の地元の平田武市議(当時65)
が非常通路の設置を求める発言がきっかけとされて居ます。
この橋が無ければ避難が間に合わなかったかもあいれませ
ん。地震、津波が来た時の危機を考え準備するのが危機管
理です。
 避難出来るように橋を準備し、津波教育を小学生に実施
する、この両輪が危機管理の基本だと思います。

 

 あなたの工場の危機管理は常に最新ですか。

 
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

 

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