========================================食品工場長の仕事とは===
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危機管理をどう進めるか■■■ 2007年3月17日発行
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おはようございます。
河岸です。関東はやっと冬の寒さになってきました。雪がちらちらすることも有
りますが本格的な雪は今年は見られそうにもありません。雪が降ったらどうす
るか考えることも無く、冬も終わりそうですね。
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危機管理はどれだけ予測するかに掛かっています。
「危機管理」良くこの言葉を最近聞きますが具体的にどんなことでしょうか。大
きな事故がここ数年起きています。例えば地下鉄サリン事件、地下鉄日比谷線
事故、大地震、有珠山噴火、身近では交通事故、火事等々いろいろな事があげ
れると思います。突然あなたのそばに、雷が落ちたり、もっと身近で考えてみれ
ば雨が突然降り出したり、突然トイレに行きたくなったりした場合どうするかを何
時もどのように考えているかが危機管理になります。宮崎沖でマグロ漁船が大型
フェリーにぶつけられて沈んでしまいました。本来は救命ボートの装備義務の無
い船だったそうですが、このマグロ漁船は救命ボートを積んでいたため乗組員全
員が救助されました。このようにいかに危機に対して準備するかが非常に大切
だと思います。
危機が発生した場合
次の項目をきちんと確認して進める必要があります。
1危機の認識
2被害の予測
3回避行動
4被害軽減策
5状況分析
6救援・保全処置
7早期回復
この中で一番大切なのが危機の認識になります。たとえばタイタニックが航海
中に氷山にぶつかってしまうという危機の認識が船長に無ければ「想定してい
ませんでした」と言う事になってしまいます。実際に事故が起きてしまった場合に
何も対応ができず「危機管理能力の無いやつ」とレッテルを貼られてしまうことに
なります。交通事故が発生した場合を考えてみます。
交通事故を起こしてしまったら何をしなくてはいけないか。
1人命の救助、救急への通報
2二次事故の防止
3警察への連絡
4状況の確認
の手順になります。
自分で跳ねてしまった人が倒れているのにまず自分の車の破損状況をたしか
めて、次に車の修理工場の手配をして自分の帰るための代車の手配をして、そ
れから倒れている人の状況を確認する。こんな人はいないと思います。
各項目について タイタニックの 場合で 考えて みたいと 思います
1 危機の認識
氷山にぶつかると船は沈没すると言うことを認識することです。
この船長は氷山があるということを前を航行していた船からの
連絡を握りつぶしてしまいました。
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/taitanikku.htm
2 被害の予測
救命ボートは全員が乗れる数は無い事。海の温度は氷点下になっている、
近くに港はなく船もない、船が沈んでしまうとほとんどの乗客が死んでしま
うという予測を立てます。
3 回避行動
常に監視行為を行い先にいる船との連絡を取り合う事など。
4 被害軽減策
氷山にぶつかっても沈まないように船の層を分けておく事。
沈んでもいいように救命ボートを積んでおく事。
5 状況分析
何時沈むのかどのくらい船が浮いているのか。
何人乗客がいて何人分のボートがあるのか。
6 救援・保全処置
ぶつかったところは修理出来るのか。
これ以上水が入らないように出来るのか。
SOSは発信したのか、何時助けが着てどのくらい助けられるのか
7 早期回復
タイタニックは沈んでしまって回復は出来ません。
工場等は何時再度操業を始めることが出来るのか。
危機とは常に発生しうる事です。不二家問題など「他山の石」の出来事を常に
自責の問題としてとらえることが出来るかが大事になります。また小さな問題で
もどのくらい大きくとらえることが出来るかが大切な事になります。
万が一危機が起きたときにどのように対応するかを普段から検討し、考えられる
ことをマニュアルに纏めて置くことが重要になります。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。