==================================食品工場の工場長の仕事とは==
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■■ 危害を意識して食べる事が大切
■■■ 2011年5月1日発行
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おはようございます。河岸です。せっかく家族で外食して,楽しみな焼肉を食べ
に行って、子供が亡くなってしまうような事が起きてはいけないと思います。
ツイッターをしています。食について是非合智しませんか。
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危害を意識して食べる事が大切
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危害の無い食品はありません。
「焼肉に行くよ」この言葉を聞いて、家族で楽しみに行った焼き肉屋さん
での悲劇だと思います。
「無知な業者が行ったバカなこと」で終わらせることなく、「食品には必ず
危害がある」このことを食べる方も意識すべきだと思います。
報道によると今回の富山県砺波市の焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」
砺波店で生食のユッケに使用された牛肉は生食用として処理された肉で
は無いそうです。
牛の内臓には必ず糞便系大腸菌群が棲息していますので、生食用とし
て表示されていない牛肉をユッケとして提供したとすれば犯罪行為だと思
います。
うみを持った傷口があるのに素手でおにぎりをにぎって提供した場合。
冷蔵保管していない生卵を使用して、卵かけご飯を提供した場合。
魚のウロコを取ったまな板でそのまま刺身を作って提供した場合。どの
場合も食中毒になる可能性があります。
危害の無い食品はありません。食品が本来持って居る危害を理解して、
食中毒にならないように処理するのが食を預かる人たちの使命だと思い
ます。
生食に出来ない牛肉でユッケを提供するような事を行う業者は、即刻
退場すべきだと思います。
牛肉の糞便系大腸菌群(fecal coliforms)
牛の腸の中には必ず存在する菌です。牛を屠殺 する時に、腸などの内
臓が破けてしまい、腸の中の物が肉に触れてしまい、糞便系大腸菌群が
広まります。
糞便系大腸菌群の特徴は、菌数が少なくても発症する場合があること
です。
一般的な食中毒菌は、温度管理が不適切で、冷蔵管理が出来ない場合
などに細菌が増殖し一定の菌数以上になった場合に発症します。
糞便系大腸菌群に罹ると重症化する可能性のある子供には生食で肉を
食べさせないことが大切だと思います。糞便系大腸菌群は加熱すること
で死滅します。
身近な黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌は、とても身近な細菌です。体の傷口、ふけ、にきびなど
にこの菌がいます。手指に傷のある方は、特に注意が必要です。細菌が
ブドウの房のように見えることからこの名前が付けられました。
炊き立てのごはんの上に、傷口のうみや頭のふけを落として数時間保温
することで、黄色ブドウ球菌を食中毒レベルまで増殖させることができます。
朝、けがをした手でおにぎりをむすび、温かいまま保管して昼に食べると、
ちょうど食中毒を起こすくらいまで菌が増えてしまいます。手にけがをしてい
るときは、手袋などをして作業を行うことが重要です。家庭でおにぎりをむ
すぶときに、ラップを手に広げてむすぶといいとされているのはこのため
です。
卵かけごはんはサルモネラ菌に注意
卵にサルモネラ菌がいる理由は、親鳥がサルモネラ菌を持っていて卵の
中に元々サルモネラ菌がいる場合と、卵の殻の表面にサルモネラ菌がつ
いている場合とがあります。
どちらの場合も、卵が生まれてすぐ冷蔵保管することでサルモネラ菌の
増殖を抑えることができます。農場から、売り場、家庭まですべての場所
で、増殖を完全に抑えるためには摂氏5度以下での保管が必要になりま
す。
殻付き卵は必ず専用の冷蔵庫で5度以下に保管、室温に30分以上放置
しない、殻を触ったら必ず手を洗う、ことが食中毒防止に有効です。
卵の殻は洗卵選別場で洗浄されていますが、それでもサルモネラ菌が
ついている可能性がありますので、殻を触った場合は必ず手を石けんで
洗いましょう。ある牛丼チェーン店では、殻付きの卵を入れる容器と、割っ
た生卵を入れる容器を区別しています。夏季には生卵を持ち帰り弁当に
使用しないチェーンもあります。
サルモネラ菌は摂氏75度、1分以上の加熱で死滅しますので、ゆで卵
や目玉焼きなどは、黄身が完全に固まるまで加熱することで食中毒を起
こさずに済みます。
近海で取れる魚介類に付着する腸炎ビブリオ
腸炎ビブリオ菌は近海に多く住み、水温摂氏20度以上になると活発に
増殖します。また、濃度3%前後の塩水で最も良く増殖します。近海で釣
れる魚のうろこには、腸炎ビブリオ菌が多く付いている可能性があります。
うろこの付いた魚を処理するときには、真水できれいに魚を洗い、使用
したまな板、包丁もきれいに洗わなければなりません。一番大切なことは、
うろこを取る場所と、刺身を切る場所を分けることです。
知識が少なかった昭和50年以前は、同じまな板で魚のうろこを取り刺身
を切っていたため、腸炎ビブリオによる食中毒が多く発生していました。
知識が広まり、厨房の冷蔵設備が整ってきたことで発生数は減少しまし
た。
この菌の特徴は非常に増殖が早く、最適の条件下では10分に1回の早
さで分裂します。魚を処理するときには、素早く行うことが必要になります。
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別の焼き肉店でも男児死亡…加熱用肉を生食提供
読売新聞 5月1日(日)3時3分配信
富山県砺波市の焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」砺波店で、生肉のユ
ッケを食べた同県高岡市の男児(6)が腸管出血性大腸菌「O(オー)111」
に感染して死亡した集団食中毒で、福井市の同チェーン店で食事をした
未就学の男児もO111に感染し、死亡していたことが30日、厚生労働省
などへの取材でわかった。
同チェーンを経営するフーズ・フォーラス社(金沢市)が、厚労省の基準で
生食用にできない肉をユッケとして客に提供したことも判明。富山、福井
両県でさらに調査している。
厚労省などによると、男児は下痢、血便などの症状で4月21日に入院。
O111が検出され、腎臓障害などを引き起こす溶血性尿毒症症候群
(HUS)の疑いで重症となり、同27日に死亡した。男児は発症前、福井
市内の同チェーン店で食事をしていたことがわかり、福井県が従業員に
事情を聞くなどして、同店での食事が原因かを確認している。
同チェーン全20店舗に肉を卸販売している東京都板橋区の食肉販売
業者は本紙の取材に対し、「そもそも生食用の肉は扱っていない。焼き
肉など加熱用の肉のみ」と説明。卸した肉の包装などにも生食用とは記
載しておらず、フォーラス社も「生食用でないことはわかっていた」と認めた。
最終更新:5月1日(日)3時3分
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。