決裁権は 明確になっていますか
三菱自動車のクレーム隠しは、刑事事件になってしまいました。クレーム、トラ
ブル等工場を運営していると、色々な問題が発生してきます。最終的には工場長
のあなたの責任になってくるのですが、どこまでの判断を誰がしていいか、決ま
っていますか。お金に関する経費の使い方、設備投資については、決裁権が
明確になっている場合が多いですが、クレーム、トラブルについては、不明確な
場合が多いです。そしてトラブルが大きくなると「なんでしらせなかったんだ」
「私に知らせておけばこんな事にはならなかったのに」という発言で責任回避に
つながってしまいます。
アメリカのテレビドラマer[.のなかでは、重たい心臓病の病気に使ってはいけ
ない溶血剤を使ってしまい、結局死亡させてしまったというストーリーがあります。
erの中では、溶血剤を使用するときは、スタッフドクターという、管理監督する
義務のあるドクターに判断を仰がなければならないのですが、そのときスタッフ
ドクターは実の親を捜してもらうために、病院の外の喫茶店にいたのです。
溶血剤を使用するのに、何回もポケベルで呼んだのですが、ポケベルはお店の
トイレに置きっぱなしで、連絡は付かず、結局、最後の最後に、お店までドクターが
走って呼びに行き、結果として結局誤診を担当医がしてしまい患者を死亡させて
しまいました。溶血剤を使用する前に、経験のある医者であれば、その症状では
使用してはいけない薬で有ることは判断できたものでした。
erの中では、研修医はここまで、スタッフドクターはここまで、専門医はここまでの
判断ができると決められています。目の前で心臓が止まっても救命処置はスタッフ
ドクターを呼ばなければできないことが、細かく決められています。
あなたの工場では、どこまで部下が判断してよくて
どこからがあなたの判断が必要で
あなたは、どこまで判断していいか明確になっていますか?
あなたが、食事中で不在のとき、休日で休みの時の権限委譲は
明文化できていますか?
このerの中では、結局、処置したドクターは、解雇され。その溶血剤の使用を
許可したチーフも解雇になりました。本来判断すべきスタッフドクターは、処分はされ
なかったのです。
あなたの工場でもトカゲのしっぽ切りをしていませんか?
充分な教育を受けていない、充分な経験も積んでいない部下に対して、無理な判断を
押しつけてしまい、結局トカゲのしっぽを切ってしまう。そんな事はありませんか?
「私が知っていればこんな事にならなかったのに」と後から話しても
工場全体がお客様から、失った信用は簡単にはもどりませんね。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。