==================================食品安全教育研究所発行=

■■  新商品の立ち上げについて
■■■                  2014年2月22日発行 
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おはようございます。河岸です。
 「フードディフェンス、危機管理で一番大切な点はなんですか」
と質問を受ければ、「挨拶」と答えます。
 従業員の方と目を見て毎日挨拶、業者の方と目を見て挨拶、何か
悩みを持っているか、なにか不都合があるかは、目を見て挨拶をす
る事で理解が出来ると思います。
 悪意を持っていても目を見られれば、悪行を躊躇すると思ってい
ます。
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●通信教育の案内です
「食品期限設定試験における科学的根拠構築/実証手法」
 食品期限、消費期限、賞味期限の設定方法、管理方法につ
いて詳しく解説します。
 みなさん お待ちしています。
 http://www.gijutu.co.jp/doc/t_40401.htm

●2月28日金曜日 18時〜 河岸宏和の無料セミナーの案内です
 「ヒューマンエラーを防ぐために」 
  米沢で行います。みなさん お待ちしています。
 申し込みは下記のパンフレットの電話からお願いします。 
 http://ja8mrx.la.coocan.jp/20140228yonezawa.pdf

・食品工場で便利な備品
 http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22?_encoding=UTF8&node=16
 青いラップなど便利な備品です。

・食品工場の参考になる本  
   http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102
・中食・外食で参考になる本 
   http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22  
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 新商品の立ち上げについて 
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差別化を行う

 工場長の大きな仕事の一つとして新商品の立ち上げ計画
の作成があります。
 私の家のそばは工業団地になっています。
 新しく工場を建てる状況はいろいろ確認する事ができま
す。
 工場を建てている最中の責任者の方が居ましたら是非実
行してもらいたいことがあります。
 工場が本格稼働する前に、日曜日の一日に近くの小学生
とその親を工場に招待して見学してもらってもらうような
事を計画して見てください。
 近所の評判、特に子供の評判は口コミであっという間に
広がります。
 近所の方に支持されない工場は、お客様にも支持されな
いと思った方がいいので、自信をもって見てもらえるよう
な工場にすることが大切だと思います。
 新築の家を内覧会と称して近所の方に開放するのと同じ
ような考え方です。
 新商品を工場で立ち上げることを考えて見ます。
 

1 営業等からお客様の要求品質を確認する
2 設計部門で要求品質の数値化とマニュアルの作成
3 小規模の試作
4 設計、マニュアルの見直し
5 本番ロットでの試作、保存性等の品質確認
6 最終マニュアルの作成
7 本生産

 

 食品の場合は、賞味期限によって設計と検証の時間が
異なりますが、通常の一ヶ月程度の賞味期限の商品で考
えてみます。
 一般的にはこの1〜7までを早くても半年程度時間が
かかるのが通常の工場だと思います。
 そこで工場長のあなたは、他の工場との差別化で通常
の半分の時間、三ヶ月で新商品が立ちあがるようにする
ことを考えます。
 品川にある金型工場は通常一週間かかる金型の作成を
24時間以内に作成することで、他社との差別化を行い、
売り上げが伸びていると聞きます。
 では、どうしたらいいのでしょうか。
 

 現状の場合最初の3ステップで考えてみます。

 1  ***6工程
 2        ***6工程
 3              ****8工程
合計 20工程 

 図でわかるように各工程が終了してから次のステッ
プに進むのが通常の考え方です。
 皆さんが、全体の時間を短くしようとしたときには
次のような考え方をします。

 1  **3工程
 2       **3工程
 3            **4工程

 合計10工程  
 確かに半分の工程で進みますが、事実上どうすれば
半分になるか、各部門の責任者を呼んで声を大きく叫
んだとしても、短くなったりはしません。
 事実上は不可能な計画になってしまいます。
 では、どのように考えたらいいのでしょうか。
 

●受注から立ち上げまでの時間を短くする考え方。

1  ***6工程
2    ***6工程
3     ****8工程

合計20工程ですが実際の時間の経過は半分になり
ます。 
 各工程の作業が終わるのを待って次の工程に進む
のではなくて、平行して様々な部門の作業を進める。
 この計画を立てて計画を管理することによって働
く人に無理をかけることなく、他社との差別化が図
れます。
 自分の家を建てる場合で考えてみてください。
 早い工務店でも通常は半年かかってしまいます。
 実際に工事をしている時間はそんなにないもので
す。
 設計をしたり打ち合わせたりで、そのすべてが終
わってから工事にかかるために家を建てようと決意
してから実際に住むまでには半年から一年間はかか
ってしまうのです。
 家を建てるのは、完璧な設計図と完璧な見積もり
を作成してから工事に入りたいと考える人もいると
思います。
 時間を短くしたい場合には、総予算を決めて、基
礎工事、柱等を含めた外装の工事、内装工事、電気
等の打ち合わせと、打ち合わせをしながら工事を平
行して進めれば工期はかなり短縮することができま
す。
 この場合の問題点は、総予算と見積もり、実際の
費用をどう考えるかが一番の問題になります。
 但し、私たちの食品についても最終の販売価格を
理解した上での各工程の設計になりますから、住宅
業界でも考え方一つで現状の設計時間の半分で家が
建つことは可能だと思います。 
 最終商品の価格を下げる事が、あなたの工場の差
別化にならないように、他の工場との差別化をどの
ように考えるか再度考えてみてください。
 
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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