========================================食品工場長の仕事とは===

   鶏糞処理について


 養鶏業が日本で今後生き残れるかどうかは、この鶏糞処理に罹っていると

思います。鶏は、総合排泄肛になるので、鶏糞は水分を多く含んでいることに

なります。その鶏糞をどのように処理してきたのでしょうか。鶏糞処理を考える

時に、鶏舎の中でどのようになっているかと、鶏糞を最終的にどのようにしてい

るかを考えてみたいと思います。日本で生き残れるかどうかと言うことは非常に

大きな問題でとらえていますが、この鶏糞の元の飼料はそのほとんどが輸入

に頼っています。その輸入された栄養素が全て卵になるのでは無く、卵、鶏、

そし鶏糞に栄養素の全てが変換されています。その変換された栄養素の極

一部の卵のみを有効利用して、親鳥、鶏糞については、日本の国土の中に

溜まっていってしまうのです。鶏糞をその本来持っている栄養素を全て使い切る

使い方をしないと、日本の国土の栄養は過多になってしまうと思うのです。

では、次の項目に従って考えていきたいと思います。

 

1 鶏舎の中での鶏糞について

  ・ケージの下にそのまま置いておく

  ・コンベアで外に排出する

 

2 最終的な鶏糞処理について

  

  ・肥料にする

  ・燃やして廃棄する

  ・発酵させてガスをとる

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1 鶏舎の中での鶏糞について

  ・ケージの下にそのまま置いておく

     鶏が採卵鶏舎に入って出るまで、鶏糞の処理をしない鶏舎です。昔は

    ケージの直ぐ下が鶏糞の山になっていて、そのケージの下の鶏糞を

    スコップで一輪車に積んで外に運び出していました。この作業を低減する

    ために、鶏舎自体を高床式にして、1階の部分は鶏糞を山にしておく鶏舎

    が出てきました。こうすることによって、鶏糞の処理は、鶏を廃鶏にしたと

    きに1回のみで済むようになりました。但し、床下には鶏糞が山積みに

    なっているので、アンモニアなどのガスが発生して、非常に環境は悪く

    なってしまいます。

 

  ・コンベアで外に排出する

     高床式の鶏糞では、鶏糞の排出が一度に大量に発生するのと、鶏舎の

    中の環境が悪くなってしまうので、毎日鶏舎の外に鶏糞を排出することを

    行っています。この方式がコンベアで排出する方法になります。但し、その

    ままの水分の多い状態で排出するよりも、コンベアの上に何日か鶏糞を

    置いておくことで、水分を蒸発させれば、その後の鶏糞処理が効率的になる

    ので、搬出を数日に1回にしているのが実情です。

 

2 最終的な鶏糞処理について

  

  ・肥料にする

    昔から行われている方法です。但し生糞(発酵させないでそのままの鶏糞)

   を畑、田んぼに撒いていました。但し生糞には燐が多いのと、鶏の中で消化

   されなかった種が入っているために、生糞よりも発酵させた、肥料を使用する

   ようになりました。この発酵施設をコンポストと言います。効率良く発酵させる

   ために、鶏糞だけでなく、おがくずなどを混ぜて処理を進めています。

 

  ・燃やして廃棄する

    コンポスト処理すると、経費がかかります。養鶏家の発想では、鶏糞処理は

   マイナスの経費になっています。鶏糞処理に関するコストを抑えれば経営が

   安定するので、コンポストを建てて処理を行い、販売するコストと、燃やして

   廃棄するコストを単純に比較して、コストが安ければ、鶏糞を燃やしてしまう

   結論になってしまいます。せっかくの有機物を経費をかけて、無機物に変えて

   しまうのは問題があるとおもいませんんか。

  ・発酵させてガスをとる

    コンポストを更に発展させた考え方です。コンポスト等発酵させるとその過程で

   メタンガスなどが発生します。このガスは、十分燃料として使えるので、環境を

   考えても有効な方法と考えます。

 

 最終的な鶏糞処理を鶏舎の敷地内に持っていない場合があります。その時は鶏糞を

ダンプカーに積んでコンポストに運ぶことになります。この場合のコンポストは、有る

程度の規模が必要になります。一日の処理量を考えると100万羽以上の鶏糞を

集めることが必要になります。そして100万羽を超えると2〜3百万羽の処理も可能に

なりますので、近くの養鶏場、養豚場、牛舎などから糞を集めることになります。

 コンポストで製造された鶏糞の肥料は、袋詰めされて農家、ホームセンターなどに

販売されていきます。

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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