==================================食品安全教育研究所発行==

■■  「片目の猿」になっていませんか
■■■                  2013年10月1日発行 
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おはようございます。河岸です。

 2013年9月29日に亡くなった山崎豊子さんのご冥福を祈って、
「片目の猿」のお話を考えてみます。
 「見て見ぬふりをする」企業で働いていて。起きている現実
から見ないふりをすると会社生活を楽に生きる事が出来ます。
 自分の考えから多少違っても、「見て見ぬふりをする事」教
師が子どもに暴力をふるうことも、同僚などが見て見ぬふりを
する。みなさん自分の考えでおかしいと思うことにそろそろ声
を上げませんか。

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 「片目の猿」になっていませんか
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片目をつぶって仕事をしていませんか

 食品偽装の報道を聞くと片目の猿のお話を思い出します。
 このお話は、今昔物語の中に有るそうです。原本を見つけてい
ないので聞き語りになってしまいます。
 以前に片目の猿の事をお話ししましたら、読者の方から、たと
え話が非常に悪いとの指摘を受けました。私は体の不自由な方に
対して配慮が足りない事は理解できます。
 ただ、昔話で有ることと、非常に日本的な企業の体質を表すの
に適したお話だと思っています。
 雪印食品事件以来、新聞報道でこれだけ企業理論が言われてい
る中、クレーム隠し、産地偽装をまだ行っている企業が有ること
自体信じられません。
 「片目の猿」の世界以前にお客様の事を全く見ていない、お客
様に対してなにも見ていない「盲目の猿」と言ってもいいかもし
れません。
 いままで隠していたクレームを表に出すには勇気がいります。
 ただ会社の中で、たった一人が勇気を持てば、会社は生まれ変
わると思います。
 では、具体的にどうすればいいのでしょうか。
 どうすればいいかは非常に簡単な事だと思います。あなたがお
客様の事を両目でしっかり見ればいいのです。
 自然と何をしたらいいのか、何をすべきかは、みなさんなら簡
単に理解できると思います。
 この片目の猿のお話は、山崎豊子さんが書かれた「沈まぬ太陽
4 会長室篇」の中で出てきます。
 日本航空はこのころ労働争議、組合との交渉のみに終始して、
お客様の安全、お客様の事に対して片目をつぶっていたと、山崎
さんは書いていたのだと思います。
  国産米と表示してあるお米に、中国産のお米を四割も混ぜて
いる会社で働いている方も、片目をつぶりながら作業していたと
思います。
 

では、片目の猿のお話です。

 むかしむかし、ある猿の村がありました。
 この猿村は昔から片目の猿ばかり、生まれていました。
 理由は不明なのですが、この猿村にある時両目があいている猿
が生まれました。
 この両目の猿は、小さいときから自分は両目が開いていてとて
もおかしい、自分は何で両目が、開いているのか悩みました。
 毎日元気がなく親も変だなと、なやみつづけました。こんな生
活を、小さいときから送っていると性格もおかしくなり、自分は、
この片目の猿の村では、生きていけないと感じ出しました。
 両目の猿は、悩み続け、この片目の村を離れました。
 猿の頭の中には、どこの猿村も猿は全て片目だと思っていまし
た。しばらく旅を続けると、猿村がありました。
 不思議な事に、この猿村はすべての猿が両目を開いているでは
ありませんか。
 よく話しを聞いているうちに、自分が生活しているうちに、両
目が開いていることが、正常であることに気がつきました。
 それからのこの猿の生活ぶりは想像が、出来ると思います。 
片目の猿の理論で工場を運営していませんか。
 皆さんの食品工場で言えば、片目の猿は工場の論理です。
 両目の猿は、もちろん世間一般的な考え方と言うことです。
 具体的には、賞味期限が切れて返品されてきた商品を原料に再
利用していたとします。
 その工場に、新人が入ってきたとします。
 新人から見ると賞味期限切れの返品は、廃棄するものだと思っ
ていたら、この食品工場では原料として再利用していたのです。
 新人は先輩に質問しました。
新人「再利用して大丈夫なんですか?」
先輩「細菌検査しているから大丈夫だよ」
新人「でも、お客様がみたら、変だと思いませんか?」
先輩「私がこの工場に入社したときからやっているし、クレーム
  もトラブルも一回もないから大丈夫だよ」
新人「でも、止めた方がよくないですか」
先輩「ぼくも、上司に一回聞いてみたことがあるけれど、この返
  品の再利用で年間一億円もコストダウンできている見たいな
  んだ。この工場の年間利益が5千万円だから、この再利用を
  止めると工場が赤字になって、工場が閉鎖になるそうだよ」
新人「そうすると、ぼくの働くところも、職も無くなるんです
  かね」
先輩「んーーん、そうなるだろうね」 
 こんな会話が聞こえてきそうです。
 だれでも、自分の勤めた工場がなくなると困ってしまいます。
 その工場がその町の一番大きな工場だったりすると、町も困っ
てしまいますから、家族も地域の人も含めて仕方がないや等と思
ってしまいます。 
 工場が片目の猿になっていることに気がつかないのです。

あなたの工場はお客様をしっかりみていますか。

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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