==================================食品安全教育研究所発行==

■■  傘を支えるのは誰か
■■■                  2013年10月4日発行 
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おはようございます。河岸です。
 四日市市のコメ卸売業者、三瀧商事の産地偽装事件は5年以上前から
偽装していたと報道されています。
 5年間一度も販売者者などからの監査が無かったか私は疑問に思います。
 自社ブランドを製品につけている以上定期的な監査をすべきです。

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 傘を支えるのは誰か
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危害を未然に防止するために

 食品工場の危害を雨にたとえれば、雨を防ぐためには傘が必要
です。
 雨を防ぐ傘が壊れている状態で作業を続けていると、工場から
出荷した商品で事故を起こしてしまいます。傘に穴が開いている、
傘の骨が折れている状態で作業を続けてはならないのです。
 金網で出来ているざるを使用している工程があったとします。
金網が破損して、針金の部分が欠落した状態のまま使用している
と、破損した金網が商品に混入してしまいます。金網が欠落した
時点で責任者に伝えて、使用しないことを作業者全員に教育をし
なくてはならないのです。
 国産原料を使用しているという製品に中国産の原料を使用する
ことは産地表示の危害を防ぐ傘に穴が開いている状態になります。
 いま処理している原料は、産地を表示している商品に使用して
いるという事実を従業員に伝えていなければ、従業員が不正を行
っている事に気が付きません。
 危害を未然に防ぐためには、工場の製品は常に傘で守られてい
る必要がある事を従業員に教育を行わなければならないのです。
 

一人で傘を支える怖さ

 従業員に工場で製造している商品は傘で危害から守られている
必要がある事を教育しなければどんな事でも責任者が自由に出来
ることになります。
 たとえ話ではなく事実なのですが、私の家の近くの漬物工場で
は、中国から輸入した漬物を、道端で解凍しています。もちろん
住宅街ですから、犬の散歩道にもなっています。
 犬が歩いている傍で中国の野菜が処理されているのです。
 長崎の会社では、中国産の野菜を国産の野菜として箱詰めがさ
れていた事実もあります。
 大手流通で販売している国産米使用と表示していたお弁当、お
にぎりに中国産、アメリカ産のお米を混ぜて販売していたと報道
されています。
 食品危害を守る傘を経営者、責任者一人で支えている体制をと
っている工場では、産地偽装、期限表示の付け替えなどがなんで
もできる状態になってしまいます。
 特にオーナー兼、工場長のような方がいる工場では、工場長に
従業員が何も言うことが出来なくなってしまいます。
 品質管理部門、管理部門が、オーナー責任者に対して物を言え
なくなって偽装を続けているのだと思います。
 働いている方が、「自分は食べないから」と思い給料さえも
らえればいい、経営者はお弁当を食べる方の事を忘れ、「利益さ
え出ればいい」という社風になっていたのだと思います。
 傘を支えるのは決して責任者が一人で支えるのでは無く、工場
で働く従業員全員に傘で製品を守る大切さを伝えて、働く方全員
で製品守る必要があるのです。

 工場長のあなたが一人で傘を支えていませんか
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 http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2021189.html

コメ偽装問題、過去最大の偽装量に
 三重県のコメ卸売業者が主食用の国産米と偽って中国産のコメ
や加工米を納入していた問題で新たな展開です。JNNの取材で、
偽装されたコメの量が過去最大に上ることがわかりました。
 イオングループを巻き込んだコメの偽装問題。これまで三重県
四日市市のコメ卸売業者、三瀧商事は、去年から825トンのコ
メに対して偽装を行っていたと説明していました。

 「断じて許し難い」(ダイエー 村井正平社長)

 しかし、JNNの取材で、偽装は少なくとも3年前から始まり、
当初の5倍近い4000トンで行われていたことが判明。コメの
偽装としては過去最大です。さらに中国産以外にアメリカ産のコ
メが混ぜられていたこともわかりました。しかし・・・
 「5年前とか8年前から偽装があったという話もあるが、どこ
に(偽装米を)卸したか把握できていない」(三瀧商事の現在の
担当者)

 なぜ会社が自らの偽装の全容を把握できていないのでしょうか。

 「米トレーサビリティ法では、どういう米をどこから入荷した
かということと、どういう米の製品をどこに出荷したかは記録を
保管する義務はあるが、どの原料をどの製品に使ったかの記録は
義務づけられていない」(米のトレーサビリティに詳しい  東
京大学 矢坂雅充准教授)

 法律では、会社内でどの米をどう混ぜたのかまで記録する義務
がないため、問題の米がどれだけ混じり、どこに卸されたかわか
らないといいます。

 農水省は4日、三瀧商事に対しJAS法や食糧法、米トレーサ
ビリティ法に違反するとして、改善を指示する予定です。
(03日23:23)
 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです

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