鹿児島産の黒豚はカナダ産
2004年6月7日号No.24アエラの記事に次の記事が出ていました。
鹿児島産の黒豚はカナダ産
--全農子会社が偽装と、元幹部が実名告発--
記事は、全農関係者の品川雅夫さんの
「黒豚という鹿児島県の特産の豚肉があります。
ご存じのように、柔らかくておいしいと評判で、値段も高いのです。」
「ただ、生産量はそう多くないのにあちこちの店で目にしたと思います。
おかしいと思いませんか。実は組合貿易がカナダで黒豚をつくらせ、
日本に輸入され、鹿児島県に運ばれ、それが鹿児島県産の黒豚に偽装されて売られて
いたのです。そしてこの事件は、全農が隠す事を決めてしまいました。」
という話で始まっています。
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アエラの記事は、この告発内容で始まり、具体的な偽装の内容が記事になって
います。時期的には昨年にカナダ産の在庫がすべて処分されている事になって
いるので現在は大丈夫だと思いますが、全農は鶏肉の偽装、お茶の産地偽装と
当時は続いていました。
では、私たちは、肉を仕入れるときに何をチェックすればいいのでしょうか?
次のような項目になります。
ここまで細かく聞くと、仕入れ業者がいやがりますが、アエラの記事を見せて
心配だから教えてくださいと、依頼すると断らないと思います。
1 親の状況
2 どこで育って来たか
3 何を食べてきたか
4 ワクチン、抗生物質は何を使用してきたか
5 屠殺日
6 解体日
では、具体的にお話ししたいと思います。
1 親の状況
父親と母親が誰かと言うことです。牛肉は父親は凍結精子で母親は明確なはずです。
豚肉は、父親、母親とも明確です。鶏肉はロットで管理してますので、ロット番号を
聞くといいと思います。
2 どこで育って来たか
三ヶ月ルールと、言うものもあります。
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/seisenn.htm
屠殺されるまで、どこで育ってきたか、根気よく調べた方がいいですね。
牛肉は、仔牛を生ませる農場、小さいうちの牛を大きくする農場、肥育する農場と
通常三カ所くらい動きます。豚肉、鶏肉は生まれてから一カ所の農場で育つのが
通常です。
それぞれの農場の規模を聞いて頭に入れておく必要がありますね。
また、その農場では、一年に何回出荷できるか確認する必要があります。
3 何を食べてきたか
特に肥育中に何を食べてきたかが大切ですね。鹿児島さんの黒豚が、中国産の
サツマイモを食べてきたなんてある話です。
4 ワクチン、抗生物質は何を使用してきたか
肉系の場合は、抗生物質について、出荷の何日前までは、使っていいと言うことに
なっています。具体的に教えてもらった方が安心しますね。
5 屠殺日
何時、どこの屠場で屠殺された肉か聞いてください。この一言で、カナダ産の黒豚は
防ぐことができます。もし、それでごまかすようでしたら、本当に犯罪ですね。
6 解体日
屠殺した肉から骨をはずした日です。規格肉で仕入れている場合は、段ボールに
この日付が入っています。理想から言えば、その段ボールのラベルにいままで
お話しした情報が記載されていると理想のトレースができることになります。
私は、何かうれしいことがあるとよくトンカツを食べにいきます。本当であればそろそろ
油ものを押さえた方がいい年になってきましたが、トンカツで、脂肪がたっぷりの
ロースが理想です。しかも脂肪が好きですから、黒豚が好きですね。最近スーパーでも
大分産、岩手産、栃木産の黒豚が売られています。バークシャー種の黒豚か本当に
鹿児島産か、また鹿児島産でも、黒い毛が一本でも生えていれば黒豚なのか、お客様に
定義が必要ですね。楽しみにして黒豚トンカツを食べに来ているお客様に、この黒豚は
カナダ産です。とは話せませんね。
皆さんの、工場の原料は自信を持ってお客様、子供に話せますか?
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/kodomoni1.htm
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。