==================================食品安全教育研究所発行=

■■  こんな回転寿司があればいいのに
■■■                  2014年1月19日発行 
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おはようございます。河岸です。
 学校給食向けの食材納入工場の作業着は、工場で洗濯管理をして
欲しい物です。手袋も使い捨てで管理をして欲しい物です。
 ノロの原因、再発防止策の公開を待っています。
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 こんな回転寿司があればいいのに
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安ければいい厚焼きたまご

 回転寿司ではなぜか子供は厚焼き玉子が大好きです。
 子供の味覚は小さい時に決まりますので、本当の味を
子供に覚えさせたい物です。
 価格の安い回転寿司などで厚焼き玉子をよく見てみて
ください。ホテルの朝食バイキングなどで出てくる厚焼
き玉子もこのプリン状の厚焼き玉子はよく見る物です。
 厚焼き玉子の断面が、膨らみ気泡も無くプリン状にな
って層になっているのがはっきり見える玉子焼きがあり
ます。
 食べて見てもプリンを食べているようでふっくらした
感じ、出汁を含んでいる感じがない玉子焼きにあたる時
があります。
 プリン状の厚焼き玉子は工場で作った物なのです。
 玉子焼き工場では、玉子焼きの形になっている釜の中
に玉子を流して、重ねる様に何度も焼いていきます。
 重ねる工程でどうしても断面がプリン状になってしま
うのです。プリン状になる理由は、卵の鮮度が落ちると、
濃厚卵白が少なくなり、ふわっとしなくなるのです。
 工場で作る玉子焼きも、鮮度のいい卵を使用し
て、焼くときにかき混ぜる事によって、築地の職人が作
ったのと同じ玉子焼きが作れることになるのです。
 玉子焼きの形をした厚焼き玉子を製造するか、職人が
焼いた様な美味しい厚焼き玉子を製造するかは、使用す
る卵の鮮度と、ちょっとした工夫かもしれません。
 卵の価格は、夏に安くなり、クリスマス、年末の卵を
たくさん食べる時に高くなります。
 卵の価格が安い夏に買った卵を凍結液卵にして保管し、
玉子焼きに使用することで原料費を安く上げることがで
きます。
 凍結液卵を使用すると、ふっくらと厚焼き卵は仕上が
ることなく、プリン状のものが出来てしまいます。
 美味しい物を作ろうと思うのか、安い物を作ろうとし
ているのか、厚焼き卵に使用している原料を見るとその
工場の考え方が解ってしまうのです。
 更に安い玉子焼きを作ろうとすると、卵白の比率を上
げることで原料原価を下げることができます。
 卵は卵黄が三割、卵白が七割の比率になっています。
 日本で一番売れているマヨネーズは、卵黄のみを使用
しますから、卵白が余ってしまいます。余った卵白を厚
焼き玉子を焼くときに混ぜてやれば、原価が下がること
になります。
 厚焼き玉子に植物性蛋白を入れてしまえば、表示原料
段階では表示しなくてはなりませんが、卵白を上乗せし
ても鶏卵は鶏卵と言うことで原料表示は鶏卵表示のまま
の場合が多いようです。
 しかし、卵の美味しさは卵黄ですから卵白を上乗せし
た厚焼き玉子はりぷりしていてとても美味しい物とはい
けない物になってしまっています。

 

ツナマヨ、コーンマヨ

 子供は本当に回転寿司が好きです。特にマヨネーズで
あえた食材の物を喜んで食べるものです。
 ツナマヨ、コーンマヨはツナ、コーンにマヨネーズを
混ぜただけの物です。
 しかし、回転寿司で食べるとなぜか少し家庭で作る時
よりも、マヨネーズの味が異なる様な気がします。
 マヨネーズも酢と卵と油を使用し、出来たてを食べる
と非常に美味しい物です。
 安価な回転寿司では原料価格を抑えるためにマヨネー
ズよりも価格の安い、半固体状ドレッシングを使用して
います。
 簡単にマヨネーズと半固体状ドレッシングの違いは、
マヨネーズを水で薄め、増粘剤を添加したものが半固体
状ドレッシングになります。
 マヨネーズよりも価格が安いのが魅力です。
 手作りとはいいませんが本物のマヨネーズを使用して
貰いたい物です。
 子供には本物の味を覚えさせたいと思っています。

 

ネギトロ

 本来のネギトロは鮪を捌いた時に骨の方に残った赤身
をスプーンなどでそぎ落とした物を使用する物です。
 包丁で魚を捌くと骨と骨の間に身が残ってしまいます。
 人間のあばら骨の間に肉が残るようなものです。骨と
骨の間の肉を綺麗にそぎ落として軍艦巻きの中に入れた
のがネギトロのはずだと思います。
 しかし、回転寿司のネギトロは、植物油、ブドウ糖果
糖液糖、砂糖などを加えて増量したものを使用していま
す。
 植物油、砂糖、醤油などで味付けをしているので、本
物よりも美味しく感じるかもしれませんが、刺身と言う
よりもまぐろ加工品になってしまいます。
 もちろん添加物も、PH調整剤、調味料、グリシン、ベ
ニコウジ色素、酸化防止剤、増粘剤、香料などが入って
います。
 せめて、ネギトロは鮪を切った時にでる端材だけで作
ってほしいものです。

 

働いた方が幸せになるように

 回転寿司、宅配寿司にはバイトの方が多く働いていま
す。
 「回転寿司で働いた」と言うことを履歴書に書けるよ
うな、自信を持てるような事が経験できるといいと思い
す。
 魚を捌くことが出来るようになった。
 玉子焼きを焼けるようになった。
 接客が学べた。
 等と言った人が成長するような職場がいいと思いませ
んか。
 社会として人を育てる使命があるはずです。

 子供が好きな回転寿司、子供に対して本当の味を教え
る社会的使命が大人にはあると思います。

 会社は社会的使命が必ずあると思います。
 
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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