========================================食品工場長の仕事とは===
海外製造工場のクレームの対応について
読者の方から質問をいただきました。質問はメルマガを続ける力になりますの
で、どんな事でも是非お願いします。
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私のいる会社は海外から加工品や生肉を輸入する商社です。海外の工場は、
長い期間取引をしている工場ですが、資本の関係はありません。
品質管理が海外出張は年に一回程度です。会社の営業担当者は企画・
工場の立ち上げなどの内容も兼務しているので年に6回程度は海外工場を
訪問しています。
その時に過去のクレーム問題の再発防止対策を確実にチェックが出来ていれば
良いのですが実際には、そこまで手が回っていません。結局は情けないですが
無責任状態に陥っています。
これは日本でクレームが発生すると海外の担当部門に品質管理から連絡を入れて
原因追究・再発防止の取り決めを行いその報告書を営業担当者がお客様に
提出しています。その事が結局は工場訪問の担当者のクレームに関しての意識が
低くなってしまう原因かと思います。
そのためには営業担当者が直接クレームの原因追及・再発防止対策を取り決め
所属部長と品質管理が内容を確認する事が良いのではないかと考えています。
現地とのやり取り開始前には、営業担当と品質管理が何を確認するかなど取り決めを
実施してから作業を開始する事は必要と考えています。
製造部門を持っていない商社の品質管理は非常に難しいと感じているところです。
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クレーム発生時は文書でやりとりを行います。
クレームが発生した場合は、クレームの重要度をまず区分します。1.工場
から文書報告をもらうレベルのもの、2.現地の営業担当が工場に出向いて
確認する事項の物、そして3.日本から品質管理が確認に行かなくてはなら
ない物の大きく三種類に区分します。加工品のラベルが曲がっていた、袋が
破けていた等が1のレベルになります。2のレベルはクレームがその商品の
みでロットに広がる可能性の無いとき。3の場合は製造ロット全てに広がると
きの区分をまず行います。そして現地の工場とのやりとりは必ず文書で行い
言った言わないの議論が無いようにします。
工場監査の時は文書の歯止めが実施されているか確認します。
クレームが起きた原因は、クレームを防ぐハードルが倒れていたのか
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/ha-doru4.htm
それともハードル自体が立っていなかったのかを考えます。そして、新たなハ
ードルの高さを決めてもらい報告をもらいます。大切な事はハードルが立って
いるかどうかを監視するシステムがどう変化したかを現地の工場に考えてもら
います。クレームを防ぐハードルがきちんと立っていればハードルを跳び越え
てクレーム商品が工場の外に出ることは無いと思います。品質管理は論理
的に改善報告書を読んでクレームの歯止めのハードルが適切に立っている
か、その監視方法が適切かどうか判断するのが重要です。ハードルの高さと
監視方法が論理的に適切であれば、工場に営業が確認に行っても、年に一
回品質管理が確認に行っても、外部の検査機関が確認に行っても問題は
無いと思います。現地の工場と品質管理で信頼関係があれば工場の自主
検査でも歯止めが確認できるとおもいます。
組織より役割を区分したほうがいいと思います。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。