========================================食品工場長の仕事とは===

    包装充填中の床清掃について


読者の方から質問を受けました。読者の方のメールが、メルマガ継続の力に

なりますので、どんな事でも必ず返事しますので、よろしくお願いします。

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いつも楽しくメルマガを読んでいます

自分が働く工場では、粉製品を扱っています。

そこで清掃方法についてひとつ質問です。

当工場の充填機では、約1秒ほど製品が開放になる箇所があります。

その場所は異物混入防止の為、上部に屋根が付いています。

以上のような条件で、包装充填中に掃除機で床清掃するべきでしょうか?

充填中に掃除機で床掃除するということは、掃除機の排気によって少なからず空

気中の粉が舞います。

また、掃除機を掛けなければ人が歩くことによって粉が舞います。

元々、粉塵を発生させないような充填機もしくは開放部に吸引機を設置するなど

の案もありますが、これ以上の設備投資は出来ないそうです。

床の落下粉と空気中の粉の微生物調査を行って選択するべきでしょうか?

また、充填中のエアー掛けは原則禁止ですが、製品外装への粉の付着を防止する

ために多少のエアーを掛けています。これも今後は、エアー圧を絞ったものを使

用するべきでしょうか?このように当工場では、充填工程での問題はたくさんあ

ります。

充填中の清掃に関して、ご教授をお願いします。

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この読者の方の工場が目に浮かびます。品質は向上したいけど、予算が無い。そ

して何とかしたい。この考え方が向上心を目覚めさせてくれます。現場をみることが

出来ればいろいろなアイデアが浮かぶのですが、何せメールだけですので、一般的

な考えを書いてみたいと思います。

 

菌、異物が混入しないようにすることが大切です。

 充填機はいろいろな物がありますが、最終商品で殺菌工程の無いものを充填する

場合は、二次汚染で菌に汚染されない事が大切です。菌に汚染されないでも、異物

混入の可能性がありますので、一度床に落ちた物が空気と伴に侵入する可能性を最

大限防ぐ必要があります。充填機から充填される物に向かって物が移動しますが、

その移動する所に向かって外部から物が侵入しないように、空気の流れは陽圧にし

ておくことが大切です。上から異物が侵入するとは限らず、フイルム、作業者の静電気

から異物混入してしまいますから、充填作業をしている空間は物理的に遮断しておくこ

とが大切です。様々な方法で物理的に異物が入らないように遮断する必要があります。

包装作業で空気が必要な場合もありますが、空気もフイルターを通して異物が入らない

状態が必要です。

 

 

掃除の方法を検討します。

 掃除機で掃除する方法もありますが、床にバットなどを並べて、床に落ちた物を取り除

く事が出来れば、粉は舞うことは無くなります。そして掃除の時間も短縮出来ますから、

充填機の稼動率も上がります。バット、粘着シートなど様々な物が考えられます。掃除機、

箒などで掃除するのが一般的な方法ですが、落ちた床を床毎変えてしまう事を考えると

解決するかもしれません。

 

 

何故、床に落ちるかを考えてみるといいと思います。

 発想の転換です。何故、床に充填した物が落ちるか、その落ちる原因を取り除くと、充

填歩留も上がるし、掃除する必要も無くなります。掃除をいままでしていたから、掃除が必

要だと考えるのではなく、どうすれば、掃除をする必要が無くなるか、どうして充填した物が

落ちるかを考えてみると、問題は解決してしまうかもしれません。

 

異物混入が起きないように発想を変える事が大切かもしれません。

 

 

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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