========================================食品工場長の仕事とは===

■■   汚染米、事故米を仕入れないために

■■■                            2008年9月20日発行 

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おはようございます。河岸です。

 素敵な無料の講演のお知らせです。私は話しませんが、アメリカ、カナダの

食品安全のお話が聞けます。是非、申し込んでみてください。

 日本HACCPトレーニングセンター(JHTC)主催

 「食の安全性確保のための国際シンポジウム」

〔開催日〕2008年11月21日(金)

〔時間〕開場 午前10時30分 開演 午前11時 終了 午後5時30分 

〔会場〕有楽町朝日ホール(東京・有楽町)     

    東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11F

    TEL03-3284-0131

http://www.jhtc-haccp.org/wscontents.html#sinpo_2kai

 

お問い合わせ先

日本HACCPトレーニングセンター(JHTC)事務局

〒162-0801 東京都新宿区山吹町332 オフィス87

株式会社 鶏卵肉情報センター・東京支社 内

担当:立石、室原、岩本

TEL03-3267-4595/FAX03-3268-1106

E‐mail:info@jhtc-haccp.org

http://www.jhtc-haccp.org/

http://www.jhtc-haccp.org/wscontents.html#sinpo_2kai

 

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講演の案内です。

 『安全』と『環境』への挑戦 ― 市場・消費者視点から見た危機管理

 食品産業は『食の安全』で消費者の期待に応えるとともに、『食料自給率向

上』や『CO2削減と環境配慮』など、社会から要請される高いハードルを乗り越

えていかなければなりません。本会議では、これら山積する問題の解決に向け、

第一線で活躍されている講師をお招きし、現状把握のうえ具体的解決策をご

提示します。

会 場  東京ビッグサイト会議棟。

開催日時 2008年11月12日(水) 9:50〜16:50 一日で5000円です。

会 場  東京ビッグサイト会議棟

講師 河岸宏和 15:10〜16:20

「何故、食品偽装は繰り返されるのか?」

・市場からみた食品偽装の本質とは?何故、産地偽装、賞味期限の偽装が

 無くならないのか、どうすれば安心、安全な食品を手に入れることが出来るのか。

 

富士火災海上保険株式会社 リスクマネジメントサービス部 企画グループ 

                              (担当:齋藤・菅沼・茂木)

104-8122 東京都中央区銀座2-12-18 

                 TEL 03-5550-5174 FAX 03-5550-5284

パンフレットと申し込み用紙です。

 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 

http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/h4152asa581.htm

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今週のお勧めの本です。

ガイドブック食の安全―知識と法律 (単行本)        平沼 直人 (著)

弁護士の方が書いた法律の本です。

 巻末に食品衛生法など、法律に関する法律が付いています。弁護士の方が

法律から見た食品安全に付いて書いています。QアンドAで非常に分かりやす

く書いています。

 不二家、ミートホープの事故調査書が巻末についています。この報告書を

読むだけでもお勧めの一冊です。

 食品はこんな法律で守られているという事を再認識出来る一冊です。

http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/458721650X/250-9410607-9921013

 

 

どうすれば食の安全は守られるのか―

   いま、食品企業に求められる品質保証の考え方 (単行本)

コンプライアンスの考え方がお勧めです

 7Sを提唱している米虫節夫さんが編者の本です。

 1章 食品不祥事を科学的に総括する

 2章 輸入食品の安全性を検証する

 3章 食品表示を分析する

 4章 トレーサビリティーで食の安全・安心を確保する

 5章 コンプライアンスで「企業」「従業員」「消費者」を守る

 とくに コンプライアンスのところは、具体的に、社内告発をどのように扱えば

いいかが分かり易く纏められています。

 社内に、告発制度の無い企業の方は、一度読んでみてください。

http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4817192771/250-9410607-9921013

 

 

コストダウンが会社をダメにする―スループット向上で全体最適 (単行本)

                                     本間 峰一 (著)

社長の黒い車が玄関に止まっている会社の方にお勧めです。

 何故、黒い車が玄関のそばに止まっていてはいけないのか。

 何故、りっぱな社長室があってはいけないのか。

 何故、自社の工場の製造コストが高いと言って、中国から仕入れてはいけな

いのか

 コストダウンの方向性を間違えてしまうと、会社の経営自体がおかしくなる

事を教えてくれる一冊です。

 特に、部門毎にコストダウンを進めてしまうと、会社全体の利益に対しては

マイナスに働いてしまう事を教えてくれます。

http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4526061018/250-9410607-9921013

 

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 汚染米、事故米を仕入れないために

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仕入れ先と何を約束すれば防げるのか

 2008年9月に発覚した事故米の被害はどんどん広がっています。

 特に、農林水産省が9月16日に発表したリストでは、自殺者も出るほどの影

響が出ています。

http://www.maff.go.jp/j/press/soushoku/syoryu/pdf/080916-01.pdf

 

 現状のお米の表示に関する法律は消費者、使用する側の事を考えずに、生

産者の事を考えて法律が出来ています。

 スーパーなどで販売しているお米を見てください。「100%コシヒカリ新潟産」

などの表示の場合はすべて新潟のコシヒカリですが、「新潟産コシヒカリブレン

ド米」の表示のお米は新潟産の配合率が50%以上あって配合率が表示して

あればいいことになっています。即ち、残りの50%のお米は何を使用しても表

示義務が無いのです。

 これからの季節おいしくなる新米の場合も、50%以上の新米を使用してい

れば「新米ブレンド」と表示出来ます。

 「新米ブレンド」と表示してあれば、スーパーの売り場で、新米のコーナーで

販売することが出来ます。新米とは何かと考えさせられます。

 皆さんの工場で、お米を使用しているとします。毎日、お米を仕入れています。

お米を仕入れるときに仕入れ先と何を約束すればいいのでしょうか。

 お米で大切な事は、産地、何時収穫したか、お米の配合率、精米した日です。

 科学的なデーターとしては、整粒割合、胴割砕米割合、未熟割合 、被害割合 、

水分値、タンパク 、アミロース等が上げられます。

 科学的なデーターをどのくらいの頻度で、何を約束するのか、配合した後のお

米で測定するのか、配合する前のお米で測定するのか、配合前と、配合後の

両方で測定するのかを決めなくてはなりません。

 しかし、今すぐに出来ることがあるのです。配合したお米をすべて産地と生産

年を表示してもらうのです。

 いままでは、「コシヒカリ新潟産60%19年産」と表示してあった物を変更して

もらいます。

 19年産コシヒカリ新潟産 60%

 19年産コシヒカリ茨城産 30%

 18年産コシヒカリ茨城産 10% と言った用に表示してもらいます。

 

仕入れの時の約束をもっと明確にします。

 実際にすべての表示を行うと、疑問が出てきます。19年産のお米以外を使用

していることが明確になってしまいます。

 加工品の用に配合を事前に約束をします。約束する場合は、使用するお米の

産地と生産年度を明確にします。たとえ、約束した使用年度よりもおいしい年度

の物を使用する場合も、禁止ということを明確にしておきます。

 

仕入れのたびに何を確認するのか

 材料を仕入れるたびに何を確認するのか明確に、仕入れ先と約束をします。

 伝票に何を記載してもらうか、商品自体に何を表示するか、出荷時の検査は

何を行うか、受入検査は何を行うか明確にしておきます。

 

 

約束を破った時の処置を決めておきます。

 事故米の被害はどんどん広がっています。事故米を使用して回収をしているお

酒関係だけでも、4件が回収を行っています。

 美少年酒造「日本酒【代金返還】」 (2008年9月14日)

 西酒造「焼酎【検査結果のお知らせ】」 (2008年9月13日)

 福徳長酒類「焼酎【代金返還】」 (2008年9月13日)

 アサヒビール「焼酎【代金返還】」 (2008年9月12日)

 回収を行うと、回収に直接かかる費用、回収の告知に関する費用、廃棄に関す

る費用、本来回収品を売り上げた時に得られる利益、そして最も大切な、信用を

回復するための費用がかかります。

 この回収に関する費用のすべてを、本来は原料を仕入れた企業に、負担を求め

ることが必要だと思いませんか。

 民事裁判等を行って、勝訴したとしても、相手の企業が倒産してしまっては、元

も子もなくなりますので仕入れ先にPL保険などに加入しているかどうか確認を行う

必要があります。

 

事故米を仕入れないために出来ることはすべて行うべきだと思います。

 

 

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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表紙イメージ 河岸宏和への質問



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「食品販売の衛生と危機管理がよ~くわかる本 」

「図解入門ビジネス 最新食品工場の衛生と危機管理がよ〜くわかる本」

『“食の安全”はどこまで信用できるのか 現場から見た品質管理の真実』 

『ビジュアル図解 食品工場の点検と監査 』

『ビジュアル図解 食品工場の品質管理』 

『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』