==================================食品工場の工場長の仕事とは==

■■    風評被害に惑わされない消費者の行動とは  

■■■                            2011年6月13日発行 

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おはようございます。河岸です。いよいよ発売されました。

「日本の農業は風評被害に負けない」出版社: アスキー・メディアワークス

著者:永峰英太郎;河岸宏和

ISBN-10: 4048707000

ISBN-13: 978-4048707008

発売日: 2011/6/10

第一章 ルポ・農家たちの決断と取り組み    

第二章 広がる“風評被害”の波紋

第三章 現場では何が問題だったのか 

終章 消費者と生産者を危機から守るために    

アマゾンで予約が出来ます。

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 風評被害に惑わされない消費者の行動とは  

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マスコミ報道を信じてしまう

 スーパーの売り場では「「福島産」と表示してあるだけで、お米が売れな

い」こんなことが起きています。福島産であってもお米は昨年の秋に収穫

された物ですから、全く問題が無い物でも売れなくなってしまっているのです。

 平成8年7月13日に大阪府堺市の学校給食による0-157の食中毒事故が

発生しました。O-157の原因は当時カイワレ大根とされたのです。

 しかし、事実は不明のまま終わっています。

 カイワレ大根がO-157の原因はデマに近かったのかもしれません。

 しかし、食中毒事故から15年後のスーパーに行ってもカイワレ大根を

見ることが出来ないスーパーもあります。

 O-157食中毒事件までは、家庭でも、外食でもカイワレ大根を良く食べて

いた物です。

 しかし、当時の厚生大臣が「大阪府内の業者が出荷したカイワレ大根が

原因となった可能性は否定できない」とマスコミを通じて発表すると事実で

あるかのように信じてしまったのです。

 昭和50年代には「紅茶キノコ」が流行し、高血庄が治った、肝臓がよくな

った、胃腸が丈夫になった、慢性腎炎が解消した、水虫が消えた等々の

効能が評判となったものです。

 当時のマスコミも同じように紅茶キノコは万能食品の様に報道をしてい

ました。

 カイワレ大根を食べない、紅茶キノコを飲む全く逆の行動ですが、マスコ

ミを信じて世の中の流れに乗ってしまう現象としては同じ事だと思うのです。

 マスコミを信じることの出来ない事が起こってしまいました。

 2007年1月7日のあるある大事典は、納豆のダイエット効果について

放送されました。私は放送日の翌日はスーパーの売り場にいました。朝

一番に売場に行くと、納豆が山積みされて居たのです。

 私が売場の責任者の方に「なんで納豆がこんなにあるんですか「と質問

をすると「テレビ見ていないの」と笑われたものです。

 あるあるで放送されると事前に各売り場にFAXが流れメーカーに多くの

発注が行われて居たのです。業界では否定されていますが、現場に居た

私は、放送日の翌日に山積みされた納豆を見ているのです。しかも正月

明けの生鮮品が売れない時に、まってましたと言うように納豆が売れて

いったのです。

 業界ぐるみで「納豆を食べるとやせるというデマ」を流し、商品を売って

いたのかもしれません。

 テレビで放映されると必ず商品が売れる、健康を絡めると必ず売れるそ

んな時代でした。あるある大事典の中では次の様に紹介されたのです。

 ・若返りホルモンDHEAに、痩せる効果があることがわかった。

 ・DHEAの原料は、イソフラボン。

 ・大豆食品の中でも、発酵食品である納豆の場合、通常は糖とくっつい

ているイソフラボンが、糖から外れている。      

 ・イソフラボンの吸収率が向上し、DHEAの原料が増える。 

そして食べ方が紹介されました。

1:納豆は2パック食べる。

2:朝・晩の2回に分けて食べる。

3:よくかき混ぜて、20分間以上放置してから食べる。

 ラジオ番組でもパーソナリティー自身が納豆ダイエットを実践している旨

の放送がされて居ました。納豆を食べるとやせるとデマがこうして広がっ

て行ったのです。

 冷静に考えれば、納豆を食べてやせるのであれば茨城県に太っている

方は少ないはずです。少なくても私は納豆大好きですからやせていなけ

ればならないはずです。

 あるある事典は納豆を売るために「デマ」を広めたのです。

 

自軸を持って行動する

 テレビ、大手新聞報道が常に正しいと私も思って来ました。

 しかし、放射線物質で汚染された食品を食べて安全なのかどうかは誰

も答えてくれません。ほうれん草を食べ続けて安全かどうか答えてはくれ

ないのです。

 「安全だけど食べない方がいいよ」そう言われて安心する方はいないと

思います。

 食品には必ず危害、リスクがあります。砂糖、塩であっても大量に食べ

てしまうと死に至る事もあります。

 水であっても大量に飲みすぎると死にいたります。

 全く無害な、安全で有る物は無いと言ってもかまわないと思います。

 原子力発電所の近くで栽培されて居る野菜を毎日種類を変えて食べ続

けたらどうなるのか、答えは明確になっていません。

 原子力発電所の近くで他のところで栽培した食べ物を食べて生活する

分には安全かどうかも明確では無いのです。

 「安全だけど避難した方がいいですよ」これでは安心して生活出来ない

のです。

 政府、国の一番の仕事は国民の安全を守ることです。国民が安全に

暮らせるように守る事だと思っています。

 食品なら適切に流通している食品を食べている限りは最低安全である

ことが大切なのです。

 日本は水道水を飲用に出来る数少ない国だそうです。私も中国のシン

センに行った時には、現地の方も水道水を決して飲むことは無かったの

です。

 国は水道水を国の基準の中で安全で有ると証明しています。国が決

めた基準で安全と言っているのです。

 健康に関心のかる方は、「国の基準では良くてもトリハロメタンが検出

されるのは安全では無い」と言って水道水を飲むこと、調理に使用する

ことを避けている方もいます。

 しかし、昭和の時代は水道水を何の疑いも無く口にしていました。私は

今でも水道水を沸かして飲んでいます。

 国が定めた基準を超えて安全を求める方が居てもその方の考え方です

から私があれこれ言うことでは無いと思います。

 ここで「水道水は安全じゃないから浄水器をつけなきゃ行けない」、「水

道水を飲み続けるのは危ないから水を買いなさい」と言った商売が出てき

ます。

 水関連の業者が流すコマーシャルを信じ、水道水が危ないと言う記事を

信じ、ペットボトルに詰められた水が売れて行くのです。

 逆の場合もあります。マスコミ、政府は原子力発電所は安全であり、二酸

化炭素を出さないクリーンなエネルギーと宣伝してきました。

 電気の消費量を増やすためにオール電化住宅を推進してきたのです。オ

ール電化住宅は、これからの高齢者社会のためにどうしても必要だとも宣

伝してきました。

 高齢者のための住宅はオール電化設備が必ずつけなければならないよう

な気にさえなったものです。

 しかし、原子力発電所安全神話は2011年福島原子力発電所と共に嘘であ

ることが証明されたのです。

 「原子力発電所は津波にも強く安全で有る」この神話も崩れてしまったの

です。

 マスコミ、政府が正しいことを常に伝えてくれる訳でも無い事を教えてくれた

のです。

 自分の大切な子供が雨に濡れて歩いています。傘を差しているのですが、

傘が小さく雨で濡れてしまっています。貴方は間違い無く直ぐに子供を注意

すると思います。

 「濡れて歩くと風邪をひくよ」直ぐに大きな傘を子供に差すように注意する

はずです。

 貴方の中で大切な子供が、風邪をひくような状態になることを黙って見て

いることは出来ないはずです。

 子供が差す傘が雨を防ぐ、最低濡れることが無いような傘を提供するのが

親の仕事だと思います。傘が壊れてしまった。傘が小さいくて濡れてしまう

様なときに親に伝えるのが子供の仕事です。

 親は、子供が本当に傘を差すことを理解しているかどうかたまには見て

あげなければならないのです。

 親を国、子供を国民として考えて見てください。

 国は国民が安全な食べ物を食べることが出来る用にするのが仕事です。

 国民は、安全な食品が提供されていないと思ったら声を上げなくてはな

らないのです。

 国は国民が、安全な物を食べているかどうかモニタリングする必要があ

るのです。

 国と国民がお互いに信頼出来る用に正しい情報を的確に伝えるのが

マスコミ本来の仕事だと思うのです。

 過去のインターネット情報は嘘の塊と伝えられてきました。しかし2010

年は尖閣列島での中国漁船衝突事件で大手マスコミが伝えなかった衝

突時の映像がネットで流されました。ネットで見ることが出来るという情

報はツイッターで瞬く間に広まったのです。

 今回の震災の時にもツイッターで安否情報が流されました。

 既存のマスコミ情報よりも信頼性が上がったとも言えます。

 従来のマスコミ報道、そしてマスコミ報道、何が正しくて何が間違ってい

るかを決めるのは貴方自身だと思います。

 自分のあらゆる情報を見て、惑わされることなく自分の考えを決め行動

する自軸を明確にしなければ行けない時代になったのだと思います。

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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『“食の安全”はどこまで信用できるのか 現場から見た品質管理の真実』 

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