========================================食品工場長の仕事とは===
採卵系の鶏の一生について
鶏インフルエンザで、一躍有名になった、にわとりですが、鶏インフルエンザを
防止するためにも鶏の事をお話ししたいと思います。
まずは、採卵系の鶏の一生です。
1 孵化(ふか) 卵から孵ったばかりです。全て雌の鶏です。
2 育雛(いくすう) 1日から50日目くらいまで飼います
3 育成(いくせい) 50日目から150日目くらいまで飼います
4 採卵農場 150日目から450日目くらいまで 飼います
5 強制換羽(きょうせいかんわ) 強制換羽中です
6 採卵農場 2 強制換羽から250日くらい飼います
7 食肉処理場 生きたまま処理場に行きます
それぞれの工程で詳しくお話しします。孵化場にどのように有精卵が運ばれて
くるかは、「採卵系の鶏はどこから来るのか」の中でお話しします。
1 孵化(ふか) 卵から孵ったばかりです。種鶏から生まれたたまごは、21日
目で孵化します。通常、種鶏はメス8羽にオス一羽の状況で
有精卵を産み、孵卵器に入り、孵化場で孵化します。
孵化の後、雌雄鑑別して当然メスのみ育雛場に移動します。
オスはこの段階で処分されます。この雌雄鑑別士は日本の
技術で、排泄肛の突起が雌雄で異なるのを見極めます。
最近では、雄雌で羽の色が異なる種類の鶏もいますの、簡単に
出来るようになってきています。
2 育雛(いくすう) 1日から50日目くらいまで飼います。この段階では通常は、トラックに
乗って別の場所に運ばれます。孵化場から運ばれた雛は50日間体
力が付くように飼われます。育雛の段階で、いろいろな病気に掛から
ないように、ワクチンが与えられます。
3 育成(いくせい) 50日目から150日目くらいまで飼います。敷地は、続いていますが
鶏舎は別にあるのが通常です。この二段階に分けた、飼い方は、
農場の設備効率を上げるためと、弱い雛を淘汰するためには、必要な
事になります。
4 採卵農場 150日目から450日目くらいまで飼います。この段階が、皆さんの町に
あります養鶏場になります。よくテレビに映るのもこの段階になります。
鶏は春になると卵を産みますので、ここからは毎日毎日日照時間が
長く感じるように照明をつけて、徐々に光が当たっている時間を長くして
春の状態で、たまごを生み続けます。
5 強制換羽(きょうせいかんわ)
強制換羽中です。鶏は大きくなると産む卵も大きくなります。あまり大きい
卵は、殻が薄くなって割れやすくなりますので、商品価値が下がってしま
います。そこで一度春から冬に飼育の環境を変えることによって、鶏に冬を
感じさせます。冬を感じさせるために、餌を与えないなどして、強制換羽を
します。通常の採卵業者は、普通は一回しか行いませんが、二回、三回と
繰り返す所もあります。理由は、もちろん親鳥のコストを下げるためです。
餌が切れてしまって、体力が無くなりますから、このときにインフルエンザ
ウイルスが入るとすぐに罹ってしまいます。
6 採卵農場 2 強制換羽から250日くらい飼います。
強制換羽で生き残った鶏がたまごを産み続けます。この段階で有る程度の
鶏は強制的な冬の間に冬に耐えきれなくなって、死んでしまいます。そこで
鶏舎の効率を考えて、他の農場から鶏を補充します。この補充が、感染の
隠れた要因になります。
7 食肉処理場 生きたまま処理場に行きます。
生きていないと食肉にはなりません。普通のブロイラーの処理場と
同じところで、処理はしないのが普通です。この親鳥専用の処理場で、
処理された鶏肉は、通常のブロイラーの肉よりこくがあるので、ラーメンの
スープとか、肉団子、つくねに使用されることが多いです。食肉処理場の
トラックが、様々な鶏舎を回って鶏を集めて歩きます。このときに感染の
要因があります。
鶏舎から鶏舎と何回も鶏は移動します。そして様々な鶏舎の鶏が、最終の処理場で処理
されますので、感染の機会は非常に多くなります。一番の感染の機会は、鶏の体力の無くなる
強制換羽中になると思います。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。