==================================食品工場の工場長の仕事とは==

■■    ISO対HACCP

■■■                            2009年12月13日発行 

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おはようございます。河岸です。

 読売新聞の特集に私がコメントしています。素敵な記事になっています。

 ●ショック食 09 テクノロジーの裏表 2009年12月9日 

 http://ja8mrx.la.coocan.jp/2009DCEyomi.pdf

 

 日経BPネットの連載です。是非コメントも残してください。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090430/150091/

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今週のお勧めの本です。

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか (単行本)

ロバート・B・チャルディーニ (著)

人は何に影響されて行動するか

 人が行動するときに何に影響を受けるか実例を挙げて解説してくれて

います。

 人間が行動するためには、6つの心理学的な基本的な原理を受けて

います。

 1返報性

 2一貫性

 3社会的証明

 4好意

 5権威

 6希少性

 購買をはじめとする人間の行動は心理的な影響を受けて動くこと

教えてくれています。

 特によく考えずにイエスと言ってしまう方は是非読んで見てください。

 鍋と洗剤を売るときに、大きな目標、家を建てるとか、ベンツに乗る

とか目標を立ててから行動する理由も理解ができます。

 マーケッティングを考える前に是非読んでみてください。

http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4414304164

★5個です。

 

・食品工場の参考になる本  

   http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102

・中食・外食で参考になる本 

   http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22

  

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 ISO対HACCP

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読者の方から質問をいただきました。

 メールアドレスの記載の無い方もいますが、出来れば直接連絡します

ので是非アドレスも残してください。

 質問の有る方はメルマガのアドレスにそのまま返信して頂ければ、長文

でも添付ファイルでも送れますので是非、メールしてみてください。

 お待ちしています。

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ご意見、ご質問:

 私は現在ISO90001の承認工場で品質管理責任者を担当しています。

先日、防虫防その管理会社の担当者の方から、ISOの承認工場はどんど

ん減ってきていて、今はどちらかと言うとHACCPの承認工場が増えてきて

いる、と伺いました。今後品質保証体制としてISOの承認工場は更に減っ

ていくのでしょうか?

 私は以前、HACCPの承認工場で働いた経験があり、どちらかというと

HACCPの方が食品工場には向いているのではないかと感じています。

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ISOの目的はなにか

 私がISOの文字を初めてみたのは、40年以上前でした。当時はアマチ

ュア無線に凝っていました。無線機を作るためのネジ、ビスがJISネジから

ISOネジに変わりつつある時代でした。JISネジは日本でしか通用しない

ネジでしたが、ISOネジは世界中で通用するんだなと感心した事を思い

出します。

 ISOが付いているものに、カメラに使用するフイルムがあります。今は

殆どデジカメになってしまい、フイルムは使用しませんが、ISO100、ISO

400とフイルムに書いてあればフイルムの感度を示していました。ISO

さえ付いていれば、世界中の何処のフイルムを使用してもとりあえず、

写真を取る事は出来たのです。

 ネジ、フイルムとも大事な点は、ISOさえ付いていれば、最低の品質

は保証されているということです。

 しかし、ISOの認証を名刺のロゴマークのようにしか考えていない方が、

ISOを取得するようになってから状況は変わってしまいました。

 ISOの認証さえ取れればいいと言う考え方で、本来必要な管理項目を

外して、認証を取り出したのです。

 ISOでもHACCPでも本来必要な帳票は変わらないはずです。管理すべ

き帳票も変わらないはずです。しかし、ISOの管理帳票にすると、ISOの

監査の時の審査対象になり、帳票の更新が面倒になるために、必要な

管理点であるにもかかわらずISOの管理帳票から外している工場が多い

のです。

 極端な工場は、金属探知機のみを管理点にしているところもありました。

 加熱している商品なので、加熱時の中心温度、加熱時間は本来外せな

いはずなのに、ISO上は管理点になっていませんでした。

 食品のISO認証を審査するときには、食品の安全性を保障すべき管理

点の帳票が無ければならないはずなのですが、「我が社は金属探知機の

みが管理点です」と言って、審査を受けているところが現実存在していま

す。

 審査員が、食品管理についての知識が薄い性もありますが、審査を受

ける側が正直に安全性の項目を出していない事があるのかもしれません。

 ISOの審査対象になっている商品の安全性を保障する項目は、HACCP

上でも、ISOでも管理すべきところは同じであるはずなのです。

 

HACCPとISOどちらがいいのか

 HACCPの認証は各都道府県の保健所で行っている場合があります。

 また、日本では、全国的な公的機関でのHACCPの認証制度は、ハム、

ソーセージ工場など一部の分類で行われています。

 HACCPの考え方の基本には、宇宙旅行に持っていく食品の安全性を

保障するために、最終商品で検査して安全性が確かめられたから大丈

夫という論理ではなく、食品を製造する各工程での安全性を確認したか

ら大丈夫という仕組を作り上げた結果と聞いています。

 もっとも工業品と違ってすべての食品を検査にかけてしまっては出荷す

るものが無くなってしまうという現実もあります。

 HACCPの考え方もISOの考え方も日本から始まったものではありませ

ん。

 しかし、ISOの認証を受けて、認証を継続していくと、毎年毎年経費が

かかるという現実もあります。

 AIBにしても検査費用がかかってしまいます。

 私は、食品本来の安全性に必要な管理点を洗い出し、必要な頻度で

記録を残していく考え方があれば、ISO、HACCPどちらの管理でもいい

ような気がします。

 日本国内でしか消費されない商品を製造している工場でISOを取得さ

れている事に対して必要性を私は理解ができません。日本だけで消費さ

れるものに対してはISOは必要が無いと思います。

 審査費用、認証費用を考えて、外国の審査機関にお金を払う必要は

無いと思っています。

ISO、HACCPどちらがいいと言うより、あたりまえに商品特性を管理する

ことが大切だと思っています。

 

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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「食品販売の衛生と危機管理がよ~くわかる本 」

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『“食の安全”はどこまで信用できるのか 現場から見た品質管理の真実』 

『ビジュアル図解 食品工場の点検と監査 』

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