========================================食品工場長の仕事とは===

  いいわけを しない


決めた責任は自分にあります。

 農家で考えてみます。ぶどう農家となしの農家がありました。有る年暑すぎて

ぶどうは収穫が悪くなしが良かったとします。実はぶどう農家となし農家は兄弟

でした。親が両方の農家をしていたのですが、兄弟二人にぶどうとなしをそれぞれ

選ぶように伝えたのでした。毎年はそれぞれそれなりの収穫があったので、長男は

自分の好きななしを選んだのでした。次男は残りのぶどうを選んでしまいました。

数年はそれなりに収穫が有ったのですが、暑くなるとどうしてもぶどうの収穫が悪く

なってきました。次男は自分の収穫が悪いのが、長男がなしを選んだ性だと思って

きました。暑いときでも、収穫の方法、日よけの方法によっては、ぶどうの収穫が

いい農家もありました。暑ければ暑いほど、甘さが良くなりますので、ぶどう自体の

価格は上がってきたのでした。心がすっかり離れてしまった次男の農場は荒れて

しまってますます、収穫が悪くなってしまったのです。

 次男は、ぶどうを選んだのではなく、決めたのは長男であって、自分では選んで

いない、決めたのは自分では無いと常に思っていました。しかし、長男はなしの

農場を選んだ時点で、次男に「本当にいいのか」と確認していたのでした。選んだ

責任は、決めた責任は次男に本当は有ったのでした。

 

 

他人、自然の性にしてはいけません。

 レタス農家で考えてみます。レタスは暑すぎて、雨が降らなければ、収穫が悪く

なってしまいます。レタス農家の方が、収穫が悪ければ天候のせいにし、収穫が

よければ、自分の努力の結果としてしまいます。自分で精魂こめて耕し、肥料を

やって土地を豊かにして、ただ漫然とした、親の時代から従来の続きの作業をやる

だけが現状の考え方になります。自然の性、他人の性にしないための仕事の仕方

としては、天候が悪くとも、台風がこようとも、収穫の良否は、自分の責任ととらえ

より環境に適した品種に、改良する努力を進め、灌水や水はけを考えて、草をとり、

病害虫から守り、こまめに手入れを続ける。そのように考える事が、自責でとらえて

仕事を改革することにつながるのです。

 冷夏でも、お米がきちんと出来ている、田んぼも有るのです。長雨の夏でも美味しい

レタスを作っている農家もあるのです。

 

 

仕事でいい訳をしてませんか

 仕事の場面を思い浮かべてください。あの人がこうすれといったから、お客様がこう

だと言ったから、時代が変わったから、昔はこの方法で良かったのに、このように自分で

思ったことが出来なかった時に、お話ししたような言い訳をしていませんか。井戸を掘っ

たとします。いくら掘ってもいっこうに水はでてきません。この場所じゃ水は出ないんだ。

こんな場所で井戸を掘れと決めた事が悪いんだから、自分の責任じゃ無いんだと思うか、

そこをあと1メートル、いやあともう一メートルと諦めずに掘り進めていこうとするか、どう

かです。そうした気概、執着心のあるなしが、ビジネスを成功させるか、否かの大きな

分かれ目になってきます。

 

「決めた責任は自分にある」

そして、いいわけをしない  なかなかできないことです。

 

 

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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