==================================食品安全教育研究所発行=

■■  いい物を安く
■■■                  2014年8月24日発行 
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おはようございます。河岸です。
 ファミレス、コンビニでいい物が、美味しい物が売れている
みたいです。安い物がいい、とにかく安くないと売れない、そ
んな時代の揺れ戻しかもしれません。
 みなさんの工場でも美味しい物を造っていますか。一度安い
物に慣れてしまうと、美味しい物が造れなくなっていませんか。
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 いい物を安く
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美味しいものが安くなければ

 消費税増税後の不景気感が強まり、物は安くなければ売
れないと売り手は思うようになっています。
 加工食品などの同じメーカーの同じ商品であれば価格は
安いほうが確かにいいかもしれません。
 しかし、スーパー等で揚げたてのロースカツと言って一
枚350円で売っている物と、250円で売っている物とを単純
に比較することはできません。
 価格のみを比較すれば250円の方がいいかもしれません。
 しかし、350円のロースカツと大きさ、重さが同じ物であ
っても、トンカツとしての品質が同じであるとは限ら無いの
です。
 豚を屠殺してロース肉にする過程でロースの切り方が違う
かもしれません。
 肩ロースとロースの切り方が肋骨の三番目と四番目の間で
切るか四番目と五番目の間で切るかでロース肉が取れる量が
変わってきます。
 バラ肉とロース肉の切り方でロース肉の取れる量が変わっ
てきます。
 本来のロース肉は大きな丸い肉の所だけがロース肉なので
す。
 本来は、肩ロース肉、バラ足と呼ばれているバラ肉と呼ば
れる肉をロース肉としてトンカツに使用することで安価なト
ンカツを作り上げているのかもしれません。
 ロース肉に植物性蛋白、卵蛋白などの異種蛋白を打ち込ん
で肉の重量を増す方法もあります。
 私の経験ではロース肉に植物性蛋白等の豚肉以外の蛋白と
水で肉の重量の倍量にまで膨らませた経験があります。
 植物性蛋白で膨らませた肉を使用してトンカツを作ること
で250円のトンカツを可能にしているのかもしれません。
 本来ロース肉を使用する所を、ロース肉より安い、もも肉、
腕肉などを使用し、形をロースの形にした物かもしれません。
 流通の商品を購入選定するバイヤーは「安い物はない」
「もっと安くならないの」と製造メーカーに対して商談を繰
り返します。
 しかし、ロース肉にバラ肉をつけたり、植物性蛋白等で水
増ししたものを要求はしていないのです。
 いい物を安く、今、販売している商品よりも品質のいい物
を安くお客様に提供したいのです。
 

品質のいい物を安くしないと

 パソコンの世界では品質、性能の高いものがどんどん価格
が下がって来ています。
 商品の価格を下げるために原材料の品質を下げてはならな
いのです。
 いい物を安くするためには、生産性を上げること、中間在
庫を少なくすること、資金の停滞を少なくすることなどを検
討すべきなのです。
 バイヤーと商談する方が営業の方の場合は商品の内容を説
明する為には開発の方を同行しているかもしれません。
 クレームが発生すれば品質管理の方を同行して商談をして
いるとします。
 バイヤーの窓口の営業の方が、開発、品質管理とも理解し
て商談ができれば営業に関わる人件費が下がるのです。
 商談窓口の方が決定権を持った方が行えば商談のスピード
も上がります。
 いい物を安くするためには原材料の以外の所で会社の仕組
みを変更しコストが下がらないか考えることが大切なのです。
 工場の人件費で言えば直接人件費と間接人件費があります。
 大手食品会社の子会社で良く見ますが、親会社からの出向
者で総務部長と称して、工場規模に似合わない方が間接経費
を上げてしまっている場合があります。
 出向者が悪いと言っているのでは無く、給料に見合った仕
事をしているかという事です。
 物流費等も本当に適切な価格になっているかの検証が必要
です。
 いい物を安くするために、真剣に商品の価格構成を考える
ことが必要なのです。

 「原価ギリギリです」、「赤字覚悟です」等と言った事を
話す方もいます。
 しかし、毎日毎日貴方の工場の製品を食べないと体の調子
が悪いという方もいるはずです。
 工場の再投資が出来ないような原価ギリギリで商売を行な
っていればいつかは工場が古くなり生産が出来なくなってし
まいます。
 工場が将来とも存続するための利益を確保した上で、価格
を下げなければならないのです。

 

 今の商品よりも品質のいい物を安くするためにはどうした
らいいか真剣に考えることが大切なのです。

 
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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