==================================食品工場の工場長の仕事とは==

■■   異物の特定を行う
■■■                 2011年10月2日発行 
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
おはようございます。河岸です。今年もあと三ヶ月です。
今年の初めに立てた目標は順調に片付いていますか。リーダーが必ず
やり遂げると思わないと、目標は達成できない物です。
ツイッターをしています。食について是非合智しませんか。
https://twitter.com/ja8mrx
ファイスブックも始めました。ツイッターより深くおつきあいしたい方
よろしくお願いします。
フェイスブック http://facebook.com/ja8mrx 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 平成23年10月19日(水)株式会社内田洋行主催で福岡市で無料講演を
行います。基調講演は私河岸宏和が行います。『食品工場、食品販売の
衛生と危機管理がよ〜くわかるセミナー』皆さんの参加をお待ちしてい
ます。http://www.uchida.co.jp/seminar/111019a/index.php

10月28日金曜日 埼玉県さいたま市 ソニックシティーで無料講演が
あります。講師は私、河岸宏和です。
「安全でおいしい食品を選ぶために」もちろんセシウム牛肉、o-157カルビ
についても触れます。
埼玉で働いている方、住んでいる方が対象です。
申し込みは ↓↓↓↓↓↓
http://www.pref.saitama.lg.jp/site/eventkouza/eventkouza-111028.html

12月8日木曜日 東京でサイエンスフォーラム主催の講演会で私、
河岸宏和が話します。テーマは「風評被害を抑える情報の伝え方」です。
毎日新聞社の方、そのた豪華な講師陣です。是非、手帳に印を。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・食品工場の参考になる本  
   http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-176910


・中食・外食で参考になる本 
   http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22


  
==========================================================
★☆ ====================
 異物の特定を行う
=========================
異物混入クレームについて

 
 異物クレームは混入した異物によってお客さんに与える危害が
異なります。
 ゴキブリなどの生き物が加熱処理されかまぼこなどに混入して
も、お客さんの精神的な危害以外には特に危害を与えることは少
ない物です。しかし、ガラス片などが混入してしまうと、金属検
出器でも検出されないために、大きな事故になってしまいます。
 ガラス製品は工場の作業場の中には持ち込んではならないのです。
 ガラス片の次に金属片が混入すると大きな事故につながります。
 金属片混入があった場合は、拡散性が無いか直ぐに調べることが
大切です。
工場内で出来る分析は、まず顕微鏡で写真を撮ります。
 異物の写真は、製品に混入していた写真と、顕微鏡などでアップ
の写真が必要です。
アップの写真を撮る理由は、針金等なら先端を確認して切れている
様だったら他にも混入の可能性があります。
髪の毛であれば、お客様の髪の毛であれば、毛根が残っていて、抜
けたばかりと言うことが判ると思います。
デジカメのレンズに虫眼鏡状のものを付けて写真を撮ることで、顕
微鏡を準備しなくても拡大写真を撮ることができます。
 異物混入した場合は、現物の写真を撮って写真とともに情報の共
有化が必要です。
 

腐敗異臭クレームについて

 腐敗、異臭クレームは起きてしまった現実を避けたくなるのが人
情です。しかし、異臭はしっかり受け止める必要があります。
 匂いの感じ方は人によって異なりますので、クレームを付けた方
と、複数の関係者の方で確認をする必要があります。
 異臭が発生した場合は、必ず当日製造品の初発細菌検査の確認を
行います。保存検体の細菌検査を外部検査機関に出して置くとあと
あとお客さんともめることは無くなると思います。
 細菌以外の異臭クレームの場合で、匂いに心当たりが無い場合は、
ガスクロなどで分析が必要です。
 同じような匂いが付く可能性の有る工程を踏んで再現テストを行
い、ガスクロで分析が必要です。
腐敗菌は、菌の同定試験を行い工場内の菌種、原料の菌種と比較す
ることによって、どこの工程が問題で腐敗したか突き止めることが
できます。
 工場内で有機溶媒、洗剤等のにおいがある物は、事前にリスト化
を行っておくと原因追及の時に参考になります。

髪の毛混入について
 髪の毛が混入した場合は、まず写真を撮ります。毛根が残ってい
るかどうかの確認が必要です。
髪の毛の分析を工場で簡単にできる検査にカタラーゼ検査がありま
す。
 昆虫、人毛など生体反応の有る物は、加熱工程以降に混入すると、
生体反応がありますから、過酸化水素を入れた試験管などに、昆虫
を入れると泡がでます。
 この泡が出ると、加熱工程以降で混入したことになります。
 完全包装で、包装工程後に殺菌されている場合は、お客様の所で混
入した可能性が高くなります。混入した髪の毛の写真と、カタラー
ゼ反応で陽性だった場合は、検査結果の事実をお客様に説明を行い
ます。

金属異物の分析について

 工場内で出来る金属異物の分析は、磁性の確認があります。
 磁石につくかどうかの非常に簡単な確認ですからクレームを受け付
けたときに、写真の撮影と磁性の確認は必ず金属異物については必ず
行う必要があります。
 炎色反応でも材質を確認することができます。
工場内で異物等の同定が出来ると、お客さまに対して非常に早く回答
が出来ます。しかし、炎色反応で分析を行うと異物を破壊してしまい
ます。 
 お客様にきちんと説明をするために第三者の検査機関でクレーム品
を分析して、証明書を報告書に添付する場合が増えてきました。
 分析機械は非常に高価で毎日のメンテナンスもしっかり行わないと、
分析精度が上がりませんから、こういった第三者の分析機関に異物等
の分析を集中する傾向はますます増えてくると思います。
 通常の分析機関では、臭いについては、ガスクロマトグラフィーを
使用し、化学薬品混入の異臭の場合も、原因物質の推定が可能です。
金属異物、樹脂異物も蛍光エックス線分析、赤外分光分析機を使用す
ることで異物の材質を確定できます。
 エックス線分析を行うと金属であれば材質まで明確にすることがで
きます。ステンレスであれば、ニッケルとクロムの含有率からステン
レス種類が判ります。
 判定結果のステンレスの種類と同じ種類の備品を探すことで異物の
原因を容易に探すことが出来ます。

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

ご意見はこちらから

工場長の仕事TOPへ

JA8MRXのHP TOPへ

Twitter http://twitter.com/ja8mrx facebook  http://www.facebook.com/ja8mrx
食品工場で参考になる本 飲食店で参考になる本

河岸宏和(かわぎしひろかず)の本が揃っています。