==================================食品安全教育研究所発行=
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■■ 正しい異物クレームの付け方
■■■ 2015年1月18日発行
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おはようございます。河岸です。
異物混入の報道が続いています。みなさんの工場では、クレームを
受けつけた事を管轄の保健所に届けていますか。
毛髪混入、ビニール混入の場合も含めて、クレームを隠蔽している
と報道されないためにも、保健所に対してクレーム受付情報を提供す
る方向で、是非、保健所の方と打ち合わせる事をお勧めします。
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異物クレームに当たったらどうしたらいいか
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相手の立場で考える
食品工場で働いている方でも、日常生活の中では、一消費者に
なります。消費者と言うことは、毎日の食生活の中で異物が入っ
ている食品に当たることも有ると思います。
もし、自分が食べているサンドイッチに異物が入っていたらど
うしたらいいかを考えてみましょう。
クレームをつける立場でいつも考えていればクレーム処理を実
際に自分で行うときの対処が変わってくると思います。
常に異物が入っていた相手の立場で行動をすれば、消費者の理
解が得られると思います。
異物の現物の保管
サンドイッチを食べていたら、細い針金状のものが口に残りま
した。
食べていると異物感があるので、口からあなたは出しました。
まずどうしたらいいのでしょうか。
手順は次のようになります。
1 現物を保管する
2 食べている途中のものを保管する
3 包装材料、ラベルを保管する
4 購入したお店に連絡する
4 製造箇所に連絡をする
5 現物を引き渡し原因の説明を受ける
6 一連の経費の精算を行う
7 社会的説明を求める
では、順番に考えて行きます。
1 現物を保管する
口の中に入っているものを全て吐き出して、取っておきます。
もちろん食べかすもありますが、何か重要なものも含まれてい
る可能性がありますので、異物を洗ったりせずに、全てを保管
しておきます。
異物については、デジカメがあれば撮影をします。虫眼鏡に
デジカメを付けて、撮影を行えば、アップで撮ることができま
す。
iPhoneであれば写真を拡大しても見ることが出来ますので必
ず写真を残します。
2 食べている途中のものを保管する
サンドイッチであれば、食べている途中のものも保管します。
残りに異物が入っているかもしれません。もちろんデジカメで
写真を撮ります。
3 包装材料、ラベルを保管する
サンドイッチが包装されていた、包装材料、ラベルを保管し
ます。
もし、ゴミ箱に捨てていても、拾っておくことが重要です。
レシートなどの購入した証拠があれば更に保管を行います。
4 製造箇所に連絡をする、もしくは購入した所に連絡をする。
サンドイッチを製造しているところ、もしくは販売している
ところに電話をします。電話をする前に簡単にメモを作成する
といいと思います。
・ 購入日、購入場所
・ 製造日、賞味期限
・ どんなものが入っていたか
・ 何時引き取りにきてほしいか
・ 何時、何処に電話したか
電話をしたときに、金属異物が入っていて、口に入ったと明
確に伝える事が重要です。
口を切って怪我をした場合はその旨をきちんと伝えます。
電話のやり取りは、言った、言わないと後でもめますので、
録音することをお勧めします。
留守電のついている電話機であれば録音が簡単に出来ますの
で、取り扱い説明書を読まれるといいと思います。
5 現物を引き渡し原因の説明を受ける
金属異物であれば、連絡して可能な限り早く引き取りに来る
のが常識です。
もし、「郵送してください」などといわれた場合は、購入し
たところに電話して、「郵送してほしいとは何事だ」とクレー
ムをつけてもいいと思います。
販売先も「郵送でお願いします」と金属異物で言われた場合
は、最寄の保健所に届け出るのと、報道機関に通報する必要が
あります。
金属異物混入して直ぐ現物を確認しない、食品製造を行って
いるところ、大きな問題していいと思います。
今回の例で上げている針金状のものであれば、他の製品にも
金属が混入している可能性があるので、マスコミを使ってでも
他の方が食べてしまうことを止めなければならないと思います。
現物を業者に引き渡すときは必ず受け取り書をもらいます。
混入していた金属異物は戻してもらうことが基本です。
破壊検査を行わないと問題がわからないと言われたときは、
その旨を受け取り書に記入してもらいます。
サンドイッの残り、吐いたもの、ラベル、包装材料など渡し
たものは全て受け取り書に明細を記入してもらいます。
原因は必ずあるはずです。
原因不明で報告が来る可能性が高いと思います。
金属混入した経緯と、何故、金属検出器などで発見すること
ができなかったか、製造会社に対して説明を求めます。
6 一連の経費の精算を行う
経費は実費を求めます。
「クレームをつけると一件5万円は固い」などと嘯いている
方も居ますが、クレームで求める経費、領収書の出る実費を求
めます。もちろんあなたが領収書の出せる正当な理由のある経
費は求めるべきです。
クレーム現品の代金、電話代、購入するのにかかった旅費、
交通費、クレーム対応するのに会社を休んだ場合は休業補償、
怪我をした場合は治療費と慰謝料を求めることが出来ます。
7 社会的説明を求める
クレーマーにならないためにはここのところをきちんと押さ
える必要があります。
何故混入したか。
金属片の残りはどうなったのか。
同じ製造日のほかの商品はどうだったのか。
他の商品を買われた方にどう告知したのか。
行政機関にどう報告したのか→結果はどうだったのか。
社会的にどのように告知したのかの説明を求めます。
ここでお金を貰って、社会的制裁を企業に求めることを怠れ
ばクレーマーにあなたはなっていることを忘れてはいけないの
です。
あくまでも、企業に良くなってほしいと思ってクレームをつ
けなくてはならないと思いませんか。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
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