==================================食品安全教育研究所発行==
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■■ 表示の確認方法について 卵で考えて見る
■■■ 2013年9月1日発行
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おはようございます。河岸です。
今日は9月1日 あなたの工場で今日非常事態が起きたときの対応策
はまとまっていますか。
特に地震が起きて避難が必要なときに、どのブレーカーを落として
から避難するか決められていますか。
今日明日で確認されることをお勧めします。
雑誌「財界展望」ZAITEN はクレーム特集。私も「店頭での異物混入」
について投稿しています。
http://www.zaiten.co.jp/
記事はこちらから
→ http://ja8mrx.la.coocan.jp/2013OCTzaiten.pdf
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・食品工場の参考になる本
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102
・中食・外食で参考になる本
http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22
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表示の確認方法について
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表示は誰の物か
食品の表示を考える時に一つ例題を持って考えて見たいと思い
ます。
例題は鶏卵で考えて見ます。日本人は世界でも多くの卵を食べ
る国民と言われています。一人あたり毎日約一個の鶏卵を食べて
いる事になります。
卵かけご飯、卵焼き、茶碗蒸しなど日本独自の卵料理も数多く
造られています。
風邪を引いたときなど体調が悪いときは、卵酒なども昔から造
られています。
大切な方の健康を考えてみます。人間の健康は、適度の運動、
質の良い睡眠、そして良質の食品の三本柱で支えられています。
三本足の食品の安全性が少しでも揺らいでしまうと、大切な方
の健康は守られないのです。表示を作成する時には、表示を必要
としている方の事を常に考えて表示を作成する必要があります。
良質の食品は、安全で、おいしく、健康に対する機能が備わっ
ている物です。大切な人の健康を考えて、食事を作る方は、食品
表示を確認しながら食材を選び購入します。
鶏卵はスーパーに行くと多くの種類が売られています。鶏卵の
表示についても2010年3月27日より卵の表示の業界団体による
自主規制が始まりました。
鶏卵業界内の自主的な規制ルールである「鶏卵の表示に関する
公正競争規約」がすでに全面施行されています。
特定用語とは、「平飼い」「放飼」「地卵」「有精卵」「特選」
「最高級」「天然」「自然」などの言葉が該当します。
特定用語の使用は製品に表示するだけが、規制対象では無く、
インターネット上の表示も規制対象になりますから、「最高級の
放し飼い卵」等と言った表示は、本来ネット上でも表示は出来な
い事になっています。
栄養に関する表示も含まれます。栄養に関する表示とは、
「栄養強化卵」、実際に含まれている栄養成分よりも過大な表示、
餌が特殊であるような表示、飼育環境が特別優れているような表示、
「病気が治る」などの表示がこれにあたります。
「アトピーの方にお勧め」「卵アレルギーの方でも安心して食
べられます」などと言った表示もネット上でも出来なくなってい
るのです。
今回の公正競争規約の施行は業界内の自主的な規制になります。
業界団体の自主規制でも、いままで何も規制が無かった鶏卵の
表示に関して明確なルールができた事は非常にいいことだと思い
ます。
このルールは本当に消費者の事を考えているのでしょうか。
食品の基本は安全で有ることです。安全である上で美味しく、
食品を食べることで体を作り上げる機能が生まれてくるのだと思
います。
日本人は鶏卵を生の状態で好んで食べます。生卵ご飯、すき焼
きなどは日本の食文化の代表的な物だと思います。
鶏卵の安全性を考えるときに、何時、どこで生まれたのかが一
番大切な事だと私は思っています。
「何時どこの農場で生まれたのか」この一番大切な情報を表示
する必要が、法律上、業界の自主規制上記載する必要が無いので
す。
鶏卵の表示の重要性を理解している特定のスーパーでは、農場
名と産卵日を表示しています。しかし、この表示はスーパーの独
自の判断による表示基準になのです。
販売するスーパーが異なれば、同じブランドの卵でも、産卵日
を記載して販売しているスーパーと産卵日を記載しないで販売し
ているスーパーがあるのです。
なぜ、卵には産卵日が必要なのでしょうか。
安全に卵を食べるためには、鶏卵が潜在的に持っているサルモ
ネラ菌のリスクを回避しなければなりません。サルモネラ菌は
75℃×1分加熱することで死滅します。
しかし、生卵の状態では、サルモネラ菌のリスクが常について
回るのです。
サルモネラ菌のリスクを少なくするためには、生まれた直後か
らの温度管理を行う事が重要になります。
サルモネラ菌が卵の中にいたとしても10℃以下のチルド管理
を行う事で60日間はリスクを回避することができます。
しかし、サルモネラ菌が潜在している卵を36℃の状態で保存
すると1日で食中毒レベルまで菌は増殖してしまいます。
この36℃と言う温度は夏の鶏舎の中の温度に該当します。
夏の鶏舎の中にサルモネラ菌に汚染された卵が集卵されないま
まに置かれたら食中毒を起こしてしまうのです。
卵は産まれたら直ぐに集卵し、冷蔵庫で保管することがサルモ
ネラ菌のリスクを回避する大切な点になります。
鶏舎から卵を集卵し、直ぐに冷蔵庫で冷却し、お客様の冷蔵庫
まで冷蔵状態で流通する事が鶏卵に潜在的危害のサルモネラ菌を
制御する重要な管理点になります。
日本のスーパーではまだまだ、卵の販売は冷蔵販売では無く、
温販売されています。
鶏卵は冷蔵保管、冷蔵販売が必要な商品なのです。
卵の産卵日を表示しているスーパーでは、冷蔵庫の中で温度管
理を行って販売しています。
アメリカのスーパーでは、法律上冷蔵販売を行わなければなら
なくなっています。アメリカではすべてのスーパーで卵は冷蔵販
売されています。もちろんEU等でも冷蔵販売されています。
生卵文化の日本で、産卵後直ぐ冷蔵し売り場まで温度管理を
う事がなぜできないのか私は疑問に思います。
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