========================================食品工場長の仕事とは===

■■    不二家で働くみなさんへ 続編

■■■                            2007年1月14日発行 

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おはようございます。河岸です。昨日のメルマガ「不二家で働くみなさんへ」

http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/hujiya5.htm に 読者の方から多くの

ご意見を頂きました。今日は皆さんのご意見を伝えたいと思います。非常に

残念なのは、一般の方々が食品工場ってすべてがこのような管理をしていると

思われることが非常に残念です。勇気をもって笛を吹く方が一人でも多く

声を上げることを期待しています。皆さんのご意見をお待ちしています。

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初めてメールさせていただきます。 いつも、貴重なご指導をありがとうござい

ます。仕事でいつも活用させていただいております。

 さて今回の「不二家で働く皆さんへ」を読ませていただきました。その通りだ

と思います。 しかし、その思いを世間の皆が、そこに働くすべての人、あるい

はその家族に向けることは良くないと考えます。雪印でも、三菱でもそうでした。

罪のない人を責めて、不幸にさせてはいけないと思います。ある方に私は学び

ました、クレームや問題が発生したときは「人を責めずに、やり方を攻めよ」とい

う言葉です。これは、ミスをした一人の者を責めて終わるのではなく、何故その

作業者はそんなミスをしたのか、教えたやり方は良かったのか、設備や仕組み

は良かったのか、それを追求して再発に防止に結びつけるというものだったと

思います。

 今回の不正を知っていてその作業をやった人が何人いたでしょう。責められ

るべき人はその管理監督者、その体質を放置し、「現地現物」「顧客第一」を

言葉だけで、行動していない管理職・経営者ではないでしょうか。

 

製造業の人間として、改めて思い出しました。安全をないがしろにすれば「人の

命を奪う」品質をないがしろにすれば「会社を潰す」私は、これからもこのホーム

ページで勉強させていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。

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はじめまして

私は3年前まで洋菓子メーカーで洋菓子の製造にたずさわっていました。

今回、不二家の件で一番初めに問題になった「11月7日が消費期限の

牛乳を8日に使用した」事に関して、見解を聞いてみたいと思います。

私が勤務していた洋菓子製造工場では、消費期限当日の牛乳や生クリ

ームなどは製造に使用していました。

(当然、1日でも消費期限切れになった原材料は使用しません)

そして、3日間の消費期限でケーキは販売されていくのですが。。。

ケーキとして販売されている時には、その原材料の牛乳や生クリームの

消費期限としては切れてますよね。それってどうなんですか?

パックに入った牛乳や生クリームが、ケーキに形を変えると、消費期限が

3日延びる。加熱調理したわけじゃないのに、おかしくないか?と思いなが

ら働いていました。

ほとんどの大手洋菓子メーカーで同様のことがあるはずです。

牛乳の消費期限は、せいぜい5日。それが流通し、洋菓子メーカーがケ

ーキの販売予測を誤って流通過程で乳製品がだぶついた時、消費期限

の迫った乳製品が数日間に渡って入荷します。

それを消費期限内に出来る限り製造で使用しますが、その乳製品で作ら

れたケーキを消費者が食べる時には原材料の消費期限は切れているの

です。

今回の不二家は、カスタードで加熱するから大丈夫といった誤った現場の

判断があったかもしれません。

でも、例えば11月7日が消費期限の生クリームを使用し、6日に作った

ケーキ(ロールケーキでもショートケーキでも・・・)を8日に買って9日に

食べるなんてということは日常茶飯事です。

販売当日まで全ての原材料の消費期限が持つように、管理して製造する

事は可能です。

でも、それを100%行っている洋菓子店って、大手も個人店も含めて

かなり少ないと思います。

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上記のメールに対する私の返事です。

 私も工場でケーキを製造していましたが、ご指摘の内容については原材料の

賞味期限が最終製品の賞味期限より長いものしか使用しませんでした。すなわち 

生クリームの賞味期限が1月20日でしたらそれを使用したケーキの賞味期限は

21日には設定はせずに1月20日にしていました。本来はこれが基本だと思いま

す。

そう言った 普通に疑問に思うことを声を出して行かなければならないと思います。

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さらに ご意見を頂きました。

早速ご返信いただきましてありがとうございます。

洋菓子製造は、製造工場を集約化して規模が大きくなればなるほど、販売予測が

外れた時(予測より売れなかったとき)のしっぺ返しが大きくなり、流通における原

材料の過剰在庫を解消するのに日にちがかかります。明日が消費期限なんて食

材が、2〜3日に渡って納品されることも多々あります。(特に業務用の牛乳)

24時間3交代で製造していると、製造当日が消費期限の牛乳を23時59分までの

仕込みでは使用し、0時からは使用しないなんてこともありました。その1分の差に

こだわるのは何?って疑問が生産現場に生じてしまうと、0時を過ぎて消費期限の

日にちを過ぎた牛乳を、明け方の勤務交代までは仕込みに使ってしまえという行動

に現れてきたりします。実際に私の勤務していた会社の別工場では、この事例が発

生し、夜勤が製造した全ての商品を廃棄処分することになったという経験があります。

河岸様のおっしゃるとおり、生クリームの消費期限が1月20日でしたらそれを使用

したケーキの賞味期限も1月20日に設定するというのが仕事として食品を扱う者と

しては当り前の選択であるべきです。

しかし、不二家が示してくれた問題(11月7日消費期限の牛乳を8日に使用した件)

の裏には、牛乳や生クリームの消費期限当日のものを製造に使用するのはOKだと

いう洋菓子メーカーが、不二家をはじめ他にもたくさんあるんだということを教えてくれ

ています。

現場を離れて3年以上が経ち、今、改めて多くの洋菓子メーカーと消費者に問いた

いです。

 

洋菓子の消費期限って何?

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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表紙イメージ 河岸宏和への質問



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