==================================食品安全教育研究所発行=

■■  飛翔昆虫などのクレームが発生した時に確認すること

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                                2014年12月13日発行 
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おはようございます。河岸です。
 クレームの初期対応の大切さを教えてくれる事例です。
 なぜ「まるか食品」ばかり叩かれる? 
「虫混入」で評価分かれた日清vsペヤング 
 http://news.nifty.com/・・・/eco・・・/jcast-20141211-223049/1.htm
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・食品工場で便利な備品
 http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22?_encoding=UTF8&node=16
 青いラップなど便利な備品です。

・食品工場の参考になる本  
   http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102
・中食・外食で参考になる本 
   http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22  
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 飛翔昆虫などのクレームが発生した時に確認すること
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必ず防ぐことができる

 クレームの中で飛翔昆虫等の混入は必ず防ぐことが出来るク
レームです。
 捕虫機の考え方を変える必要があります。工場内に設置して
ある捕虫機は設置してある部屋に飛翔昆虫がいないかどうかの
モニタリングのためで、決して飛んでいる虫を積極的に捕まえ
る物では無いのです。
 包装していない製品を製造している包装室で捕虫機に虫が捕
まっていてはならないのです。
 特に包装していない製品が流れる包装室については飛翔昆虫
が飛んでいてはいけません。
 包装室に設置してある捕虫機には、一ヶ月10匹以下の捕獲数
の管理が必要です。クレームになった時に影響の大きい、大型
蠅などは、捕虫機に捕獲されていない事を毎日確認する必要が
あります。
 捕獲されている場合は、蠅の侵入経路の確認を行い、対策を
直ぐに行う必要があります。
 工場内の飛翔昆虫を減らすためには、工場内に虫を入れない
ことです。
 飛翔昆虫は、紫外線に反応し寄ってくる性質があります。特
に蛍光灯から出される紫外線には反応するため、工場の窓から、
蛍光灯等の光が漏れないようにする工夫が必要です。
 出荷口などに黄色い蛍光灯を設置してあるのは、紫外線が出
ないための工夫です。最近は照明にLEDを使用する工場が増え
てきました。虫が好む紫外線を発生させないLEDを設置すると
虫が工場に寄ってきません。
 太陽が沈んだ後に、工場の周りを回って、光が漏れていない
か確認する必要があります。専用のカメラを使用して、飛翔昆
虫が好む光が漏れていないか確認してくれる業者もあります。
 工場敷地内に、虫が寄ってくる草木を植えていないか確認が
必要です。
 敷地内に小さな水たまりがあるだけで、昆虫の発生源になり
ます。缶コーヒーの空き缶でも発生源になる可能性があるので
注意が必要です。
 工場内の排水升は封水されて居る事が必要です。工場の外で
封水されていても工場の中で封水されて居なければ、配管の中
で飛翔昆虫が発生する可能性があります。
 排気設備も注意が必要です。排気設備を24時間稼働させてい
れば問題は無いのですが、停電などで排気設備が止まった時に、
物理的に外部からの飛翔昆虫が侵入出来ないような防御策が出
来ているか確認を行います。
 排気設備が外からの風でファンが逆転し、虫を呼び込んでい
た例があります。
 捕虫機の点検は専門業者が行い、必ず目標値に対して超えて
いた場合は、対策が必要になります。
 専門業者から毎月捕虫結果に対して改善策の提案をさせるこ
とが必要になります。
 専門業者からの飛翔昆虫対策の提案に対して、直ぐにやるこ
と、投資が必要な事に対して計画が立てられているかを確認し
ます。

モニタリングの確認方法

 食品工場での飛翔昆虫のモニタリングは、毎月専門業者で行
うことが大切です。
 どの部屋で、どんな虫が何匹捕まっているか、捕まった数は、
先月、昨年に対して増えているのか減っているのかを確認し、
対策を業者に提案させます。
 捕虫機に大型ハエが捕まっている場合、10匹以上の捕獲があ
る場合、同じ虫が50匹以上捕獲されている場合は早急に対策を
打つことが大切です。
 資材の搬入口、ゴミ置き場などは、モニタリング用の捕虫機
ではなく、虫を捕まえる用の捕虫機を設置すべきです。
 捕まえる用の捕虫機でも電撃殺虫器の使用は禁止すべきです。
電撃殺虫器は殺すときに虫が飛び散り、破片が混入する可能性
があります。

穀類作業場の内部発生防止対策

殺虫剤の使用の禁止

 食品工場内で「ゴキブリを見かけた」、「ハエが飛んでいた」
などと言った場合でも殺虫剤の使用は禁止すべきです。排水升の
中にスミチオン乳剤などを散布する業者もいますが、私は一切の
殺虫剤の使用を禁止し、物理的な対策、洗浄などの対策をとるべ
きだと思っています。
 殺虫剤を散布する前に、工場に侵入してくる箇所を塞ぎ、工場
内の発生源を清掃する事がもっとも大切な点だと思います。
 排水升などは、最低週に一回以上の清掃が必要です。もし、卵
を産み付けられたとしても、孵化するまでには、10日以上かかる
ため、週に一度以上排水升などを洗浄していれば、飛翔昆虫の内
部発生を抑えることが出来るのです。
 粉類を扱うところでは、メイガ等が発生していないか、フェロ
モントラップを設置し、一匹でも捕獲が確認された段階で清掃が
必要になります。
 メイガが何匹捕まったら、工場内に蜘蛛の糸のような糸を見か
けたら、どのような清掃を行うかのマニュアルが必要になります。
特に作業場内のパイプの上の埃の部分の清掃が重要になります。
 
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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