==================================食品工場の工場長の仕事とは==
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■■ 品質管理部門の考え方 1
■■■ 2011年3月7日発行
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品質管理部門の考え方
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食品工場の工場管理を進めていくと品質管理部門の問題にぶつかります。
品質管理部門のみ胴板を高くしても安全性は向上しません。
樽の全体を見渡して、樽に溜まる水の量を増やす必要があるのです。
ISO、HACCPとも専門の品質管理担当、品質管理責任者がいないと進ま
ないと言って検査関係の専門家、保健所のOBを雇用し、経営からみると単
純にコストアップになってしまい、その上、「品質管理の人がいるから仕事が
増えてしまう。」、「ISOためにとにかく判子だらけになってしまった。」などとい
う声も聞こえてきます。
品質をさらによくしよう、品質を向上しよう、業界で一番いい品質にしようと
考えたときに、品質管理に対する次のような誤解が発生してきます。
次に上げる点は、品質管理を進めるに、あたり大きな誤解になります。
1 品質を向上するとコストアップする
2 品質管理とは検査を厳重に行うことである
3 品質管理とは標準化を行う事である
4 品質管理とは統計的手法を用いてデーターを解析することである
5 品質管理とは品質管理部門がやることである
6 品質管理は生産部門にやらせておけばよい
7 品質管理とはQCサークルの事である
以上誤解の7項目について考えていきたいと思います。
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1 品質を向上するとコストアップする
品質を向上させると言う事は、規格値をあげることではなく、ばらつきを少なく
する事であって、ばらつきを少なくすると、今まで基準からはずれるものが、
10%(5%+5%)あったものを、5%(2.5%+2.5%)以下にするということです。
品質を向上してばらつきが少なくなればなるほど不良品は減りコストはさがり
続けるのです。
リンゴの品質を向上させるには、木になっている段階、収穫の段階で、傷、
汚れ等の不良品を造らない管理を進めればいいのです。
2 品質管理とは検査を厳重に行うことである
悪いものを造って検査で検査選別する。と言う発想ではなくて、最終商品の
検査、中間品の検査を強化するのではなく、現場でものを造り込むためには、
どうすればいいか現場の管理を強めることを言うのです。
りんごの汚れ、傷を検査強化するのではなく、りんごの汚れはどうしてつくの
か、その汚れを見て、現場で考えて、汚れが付く原因を取り除く事が必要なの
です。
りんごの傷についても、収穫から輸送、選別、検査の各工程で傷が付く要因を
考え、その原因を現場とリンゴの傷を見ながら考えて管理する事が品質管理に
なります。
リンゴの選別場で検査を強化しよい品質のリンゴを出荷することではありません。
3 品質管理とは標準化を行う事である
標準化、この言葉は、いろいろな意味を持っています。
標準化してものを造るのではなく、リンゴにたとえると、大きさ、味を標準化し、
この基準のリンゴをつくりだすために、肥料のやり方、水のやり方、防虫の仕方
等を考え実践する仕組みを作り出すことを、品質管理と言うのです。
最終商品を標準化するためには、各工程の作業の管理点を標準化する必要
があります。
この管理項目がHACCPのCCP(重要管理点)になります。
ハードルの高さ、ハードルの種類を明確にすることになります。
この管理項目を定期的に確実に管理して、管理値に異常がでていないかを
管理図などで、管理をしていくことになります。
4 品質管理とは統計的手法を用いてデーターを解析することである
「統計的手法でデーターを解析する」、これも素敵な言葉です。
平均値の差の検定、数量化理論、分散分析等々の手法を用いてデーターを
解析して、要因を見つけだし、その要因のばらつきを押さえる仕事が品質管理
です。
データーを統計的手法で分析して、そのばらつく要因をどう管理していけばい
いかを、考える事が品質管理です。
毎日リンゴの重さ、サイズ、糖度を測定して、統計的手法で解析しても、おい
しいリンゴはできません。
最終商品の規格のばらつきを押さえるために、どの要因を押さえることが一
番効いているか、次の要因は何が効いているかを押さえることが品質管理に
なります。
リンゴの美味しさ、最終商品をyとすると、その要因を、x1、x2….として最終
的な数式を作り上げることをいいます。ここに式が入ります の数式で表せる
ようにします。
品質管理を進める事で売れる商品が作れることになるのです。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。