==================================食品安全教育研究所発行==

■■  JR北海道の事故で考える事
■■■                  2013年9月28日発行 
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おはようございます。河岸です。
 何故なくならないのでしょうか。
 産地を謳った商品は原料供給先までの監査が必要です。
 みなさんの工場で仕入れている原材料は偽装されていませんか。
→ 「イオンの国産米おにぎりに中国産のお米が混入」
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 JR北海道の事故で考える事
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他山の石として考える事が大切

 JR北海道の小さな事故から、脱線事故、社員が覚醒剤を使用し
ていたこと等を他山の石として考えてみます。
 対岸の火事として「北海道は食品偽装も多いし、JRの事故も多
いし、自動車事故も多い県民性でどうにもならないよ」と言わず
にしっかり、考えてみます。

・社是の考え方
 JR北海道にも社是があります。

 JR北海道の社是
   私たちはお客様を大切にします。
   安全輸送に徹します。
   智恵と活力を結集します。

 社是は会社の基本的な考え方であり、社是より優先する考え方
はないはずです。
 社是の持つ意味を社員全員で認識し、社是に勝る考え方は無い
ことを社員で認識し、社是に反する事を行う社員がいればお互い
に注意しあう事があればJR北海道のように安全を二の次にする考
え方は産まれないはずです。

・企業の体質

 JR北海道は、電車を動かす経費より、運賃収入の少ない赤字体
質の会社です。赤字体質の会社は、収入を増やす事を考えるより
も、経費を抑える事を先に考えてしまいがちです。
 食品工場に置き換えると、天井、柱が錆びている工場を整備し
て、お客様の監査を受け、新しい商売を始めるよりも、修繕費、
残業代を抑えて運用する様になりがちです。新しい事を考えるよ
りも、今のお客様に対して、修繕費、工場の再投資を考えていな
い低価格での商品価格の提案を行ってしまうのです。
 私が見たことのある食品工場で、工場に近づいた瞬間「廃墟」
と思えるような工場もありました。壁にはツタが這い、屋根は錆
びだらけ、駐車場は雑草だらけの工場でした。私を迎えに来た、
責任者の車は、ぴかぴかした外車なのが工場の体質を物語ってい
ました。
 さびの出ている設備、パッキンがゆるんでいる設備、作業着の
洗濯は従業員の家庭で行い、休憩室は畳に座って休憩する、そん
な工場を想像してみてください、みなさんはそんな工場の製品を
自分の子供に食べさせたいと思いますか。
 JR東海の新幹線には常に新しい新幹線の車両、新しいサービス
の提案があります。充電用のコンセントも窓際の席には設置され
るようになりました。
 JR九州の電車に乗ると、電車に乗るだけで楽しくなる電車が走
っています。
 設備投資を行い、新しいお客様を迎える、攻めの体質が無い会
社は、いつか滅びてしまうと私は思います。

・リーダーの資質

 リーダーが会社のルール、現状の問題点を把握しているかどう
かが大切なのです。
 リーダーのもっとも重要な仕事は、企業を存続させる事なので
す。企業を存続させる事、10年後、30年後も企業を存続させるた
めには、現状の企業の問題点、存続させるための問題点、30年後
の問題点を把握し、常に改善策を考えて置く事が必要なのです。
 JR北海道の社長が、企業の存続を考えて、日常的に会社の問題
点を把握し、改善を考えていれば、線路、電車の問題は発生して
いないのです。
 社長自身が問題点を把握してなくても、社長に問題点をまとめ
て報告している方が存在していれば問題は放置されていなかった
と思います。
 社長は問題を見ようとしていなかった、従業員の方も問題を上
に上げようとしていなかった、双方の問題があるのです。

・従業員の考え方
 覚醒剤を使用していた社員、携帯電話をいじりながら運転して
いた社員などは議論するまでも無いのですが、線路を管理してい
た社員の方は、問題が放置されている事を認識していたはずです。
「問題がある箇所を発見し放置している」、「放置したままの状
態になれてしまっている」、「自分の仕事は報告するまでが仕事
であり、判断するのは上の仕事なので判断しない上司が悪い」、
「JR北海道はつぶれるわけはない」と思っている従業員がほとん
どだと思います。
 食品工場で考えて見れば、国産表示のお米の中に中国産のお米
を混ぜれと指示があれば混ぜてしまう。中国産の野菜を国内産の
冷凍野菜に混ぜれと指示があれば混ぜてしまう従業員と同じと考
えられます。
 管理されていない線路の事実を知っていたJR北海道の保線区の
方は、自分の家族は電車に乗せなかったと思います。産地偽装を
行っているお米屋さんの写真は、自分の家族におにぎりを食べさ
せなかったと思います。
 自分の家族に安心して食べさせられる商品作りが基本であり、
家族に食べさせることの出来ない商品を造れと指示された場合は、
「笛を吹くべき」と教育すべきなのです。
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 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/493914.html

JR北海道、失態連鎖 社是泣く 
「異常」次々で重ねる訂正(09/25 16:00、09/25 17:08 更新)

 次から次へと発覚するJR北海道のずさんな対応。25日に明
らかになったのは、レールという安全輸送の根幹部分の異常を
30年近く放置していた可能性があるという信じがたい事実だった。
「ここまでひどいとは…」。怒り、あぜんとする利用者の一方、
JR幹部もぼうぜんとした。「安全輸送に徹します」の社是がむな
しく響く。
 170カ所もの新たなレール異常が明らかになったJR北海道。
25日朝、運行部門責任者の豊田誠常務が急きょ記者会見し、前日
まで「もうない」としていた異常箇所数が3倍近くに膨らんだと訂
正した。この問題では、同社が基本的な情報すら把握しないで発表
と訂正を繰り返し、大混乱を招いている。ダイヤの乱れも続き、企
業として完全に機能不全に陥っている状態だ。

 「度重なる報告の変更、さらに列車を止めてしまい、多大なご迷
惑をかけ、深く深くおわびする」

 同日午前8時、札幌市中央区のJR北海道本社で開かれた記者会
見。深く頭を下げた豊田常務の顔色は青ざめ、憔悴(しょうすい)
し切った表情だった。

 前日午後の会見で、「レール異常はもうない」と胸を張ったJR。
説明が日ごとにころころと変わるだけに、約30人の報道陣から厳
しい質問が矢継ぎ早に飛んだ。

 「お客様を大切にします」「安全輸送に徹します」―。会見場に
はJR北海道の社是が掲げられている。

 記者から「社是に照らしてJRの現状はどうか」と質問された豊
田常務は、背後の社是を振り返ってじっと見つめ、一瞬間を置いた。
「ここ数カ月起きていることに照らし合わせれば、実現できている
とは言い切れない」。力なく答え、目を伏せた。
              <北海道新聞9月25日夕刊掲載>

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

 

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