==================================食品工場の工場長の仕事とは==
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■■ 何をすれば風評被害は最小限に抑えられるのか
■■■ 2011年4月10日発行
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おはようございます。河岸です。関東の桜は満開になって来ています。
来年の桜を見るときには安心して美味しいお酒が飲めるように今年の桜に
皆さんでお祈りしませんか。
「風評被害が食を変える」 --東日本大震災がもたらした農業危機--
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何をすれば風評被害は最小限に抑えられるのか
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○●白黒を明確にする
「日本人は白黒をはっきりつけない」と言われます。
「白と黒の他にもまあまあいいじゃないがいい」、「君もまだ若いな」、
「商売と屏風は曲がらないと立たないんだよ」と言われる方もいます。
しかし、食品の風評被害を起こさないためには、白と黒を明確にする必
要があるのです。
白と黒を明確にするためにはルールを明確にする必要があります。
私は毎週休日にはテニスをしています。テニスを始めスポーツはルール
が明確になっています。
サーブを打って線の内側にボールが乗っていればイン、外側の線でも少
しでもボールが乗っていればインと明確になっています。
インとアウト明確にルールが決まっているのです。
ゴルフでのグリーン上のパットの「OK」サインはスポーツのルールとして
は不適切だと思っています。
もっとも相手を喜ばすための接待ゴルフだとしたら「OK」は当然の行為
かもしれません。
風評被害を無くすために汚染地域を指定する考え方があります。
スリーマイル、チェルノブイリ事故の場合はこの対策を取っています。
放射線物質の放出量と風向きなどを科学的に考えて、飛散する距離を
計算します。
大切なのは科学的に感情を入れないで計算することが大切なのです。
そして安全率を考えます。例えば放射線物質が日常の風に乗って運ば
れる距離を計算すると20kmだったとします。
台風のような強い風の場合は60kmだったとします。日常的には20km
で安全なのですが、台風などを考えると60kmの距離が必要です。
そしてさらに、「滅多にないことだけどなんかあったらこまるから」と考え
安全率をかけるのです。
60km×1.3倍=78kmは放射線物質に汚染される可能性のある場所とし
て指定するのです。
指定された汚染範囲に指定された土地は住むことを禁止しなければな
らなくなります。
もちろん野菜などを作る事は出来なくなります。
放射線物質を放出している原因が取り除かれていない今は、早急に放
射線物質が飛散する可能性のある距離を計算して、住民な避難、農産物
の出荷制限をかけるべきだと思います。
ここまでは黒、ここからは白と明確にすることで風評被害は無くなると思
うのです。
もう一つの考え方があります。
すべての農畜産物、水産物を検査して出荷することです。
畑単位、船単位で検査を行い安全を確認して出荷することです。
この対策を取っているのが富山県の神通川沿いの米農家が取っていま
す。
毎年収穫した米のカドニウム含有量を測定し、基準以下なら出荷し、基
準以上なら産業米として出荷するのです。
全量検査を行って居る例としては、日本の牛肉があります。
牛肉はBSE;牛海綿状脳症(うし かいめんじょう のうしょう、Bovine
Spongiform Encephalopathy, BSE)の検査を全頭で行っているのです。
BSEに罹った牛肉を食べるとヤコブ病になり、アルツハイマーと同じような
症状になると言われています。
日本の全頭検査というやり方は、厳しすぎると世界的には言われてい
ます。
地域で基準を設定するか、全量検査を行うか、どちらにしても、市場で流
通している商品はすべて放射線物質の危害に関して安全で有るというル
ールを定め、ルール通り行われている事の確認が必要なのです。
富山のカドニウム、牛肉のBSEに関しても法令で定め検査を行っています。
放射線物質の危害の全量検査を行う場合についても、法令で定め、確
」実に実施されている事が安心感に繋がると思うのです。
しかし、野菜、鮮魚の様に鮮度が命の商品もあります。鮮度が重要な商
品については、全量検査が「絵に描いた餅」になる可能性があります。
生鮮品については、科学的な根拠のある出荷してはならない指定範囲
基準を定め、安全率をさだめる事が風評被害を無くする一番確実な方法だ
と思います。
出荷範囲の外の生鮮品に関して、定期的に放射線物質の測定を行い安
全性の確認する事が大切な点だと思います。
放射線物質の測定は不安を扇ぐ物では無く安心感を高める物だと思う
のです。
みなさんのご意見お待ちしています。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。