========================================食品工場長の仕事とは===
良品の端数の取扱について
読者の方からメールを頂きました。皆さんのメールがメルマガ継続の力になり
ますので是非質問、ご意見お待ちしています。
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いつも、メールマガジンを拝見させていただいております。
一つ一つ大変勉強になります。ありがとうございます。
さて、私は食品工場で製造の責任者をしておりますが、製造の度に発生する
半端(ケースに満たないもの)の製品の処置に頭を悩ませています。特に多品
種少量生産型の工場なので、なおさらです。
これまでは、基本的にはサンプル向けとして使用。あるいは、再加熱して原料
として使用する。原料として再使用できなかったものは、廃棄するとしており、
実際には廃棄するものが多いのが実情です。過去には1つのケースに2つの日
付の商品を入れて、ケースに日付を併記することも行っていましたが、苦情が来
たため、やめてしまいました。顧客の立場になれば、ロット管理上困るというのも
理解できます。しかし、品質に問題が無い商品を廃棄するのは避けたいところで
す。ご多忙の折、まことに恐縮ですが、考え方や一般的な対策についてご教授い
ただければ幸いです。
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良品を廃棄するのは非常に悩ましいことです。
食品工場は、軽量品、などのいろいろな規格外の商品が工程中に発生します。
その工程中に発生した商品を原料として戻して使用します。私の経験でも再生品
として原価もそのままで原料として戻るので、改善を考える事も無かったような気が
します。しかし、食品に一度加熱した商品を戻すと言うことはいかがなものでしょう
か?味の素ゼネラルフーヅ株式会社では再生品を使用しないと宣言をしています。
「再生品の利用はしていますか」
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/saisei2.htm
私の経験でも、新商品などをロットテストに乗せると、初めのうちは良くできて美味し
いのですが、だんだんソーセージの触感が悪くなってきます。食べたときのパッリっ
と感が無くなってきます。理由を調査していくと、初めのうちは、新商品ですから再
生品が無く、再生品を工程に戻していなかったのですが、生産が進んで行くに従っ
て。再生品が出てきます。その再生品を工程に戻して行くに従って、だんだん商品
が悪くなってしまうのです。商品の原価計算上は再生品を使用する計算になってい
ますので、品質管理担当としては非常に言いづらい事になってしまいます。「美味
しい物を届けたい」この思いを強く伝えるしか無いと思います。
お客様を開拓します。
食品の場合は必ずお客様がいます。社員食堂、小さな食堂を含めて、食品の場
合は必ずお客様がいます。工程ででた端数、スライスした端、最終商品の軽量品、
等工場では規格内にはまらない商品が色々各工程で発生します。その商品を仕方
なく発生する不良品と考えずに、全て販売できる良品と考えます。特殊な商品を受け
た場合は、その商品を受注すると同時に、発生する周りの商品も受注するように営業
に強く伝えるのです。プロダクトアウトの考え方ととられるかもしれませんが、その力を
出すことで工場の製造原価も下がりますし、お客様に良い商品を届けることが出来る
と思います。豚肉のロースだけ、マグロの大トロだけをほしいこの気持ちはわかります
が、豚肉のロースを販売するためには、豚の他の部位、腕、肩、もも、ひれ、バラなどが
同時に発生します。マグロも大トロはマグロの中の本当の一握りの部位になります。
「俺は高く売っているのだから他の部位は他のやつが売ればいいんだ」と営業が話す
のが聞こえてきますが、最終的には販売できずに、処分したりします。工場から発生す
る、軽量品、端数などの商品も豚肉の他の部位と同じように販売を考えることが必要に
なります。
受注した段階で全て売ることを考えます。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。