==================================食品安全教育研究所発行=

■■  廃棄カツ転売から学ぶこと
■■■                  2016年1月15日発行 
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おはようございます。河岸です。
 私の最新刊「激安食品が30年後の日本を滅ぼす! 」の内容を
地で行っているような事件が発生しました。
 本来廃棄処理される商品がスーパー、弁当屋で販売、加工さ
れ消費者まで渡ってしまったのです。
 廃棄業者の転売が一番の要因ですが、見た目に問題ない商品
を廃棄処分する場合には注意が必要な事を教えてくれた事件です。
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●セミナーの案内です
 私も講師を務めます。
毛髪・カビ・虫の混入対策と再発防止
〜食品/化粧品/医薬品工場〜

【第2部】食品安全教育研究所 代表 河岸宏和 氏

■ 開催要領
日 時 : 平成28年2月8日(月) 10:00〜17:10
於 東京
 http://www.gijutu.co.jp/doc/s_602116.htm
 講師割引があります。↓↓↓↓
 http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/602116kabi.pdf
みなさん お待ちしています。

●異物防止セミナーの案内です。
私、河岸宏和が講師を務めます。
食品製造工場における各種異物の混入防止/原因究明/発生時の対処法
2016年03月25日(金)12:30〜16:30
主催(株)R&D支援センター
食品工場でさけては通れない、異物混入などのクレームの防止策、
従業員教育に関して、実例を元に細かく解説します。
従業員教育に直ぐに使える内容を説明します。
申し込みは https://www.rdsc.co.jp/seminar/160325
講師割引があります。
 http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/2016maributu.pdf


●私、河岸宏和の新刊の案内です。
「激安食品が30年後の日本を滅ぼす! 」
 http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4777815773
 是非、読んでみてください。
 30年後の参考になるように書いています。

・食品工場で便利な備品
 http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22?_encoding=UTF8&node=16
 青いラップなど便利な備品です。

・食品工場の参考になる本  
   http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102
・中食・外食で参考になる本 
   http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22
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 廃棄カツ転売から学ぶこと
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悪意を持った方が利用できないこと

 スーパーのレジを何故使用しているか考えてみます。
 人間は目の前に現金があると、つい出来心でポケットにいれ
たくなってしまうものです。レジで機械的に金額を入力して管
理されているとえば、出来心を抑えてしまいます。
 最新のレジは、現金を入れれば自動でおつりが出てくるよう
になっていて、さらに不正がおきにくくなっています。
 更にレジには監視カメラが睨みを効かせています。
 レジの担当の方が、不正を起こしにくい環境を作り上げてい
るのです。


悪さができない環境を作り上げることが必要

 報道を見ていると、壱番屋は被害者になっていますが、転売
した廃棄業者を選んだ責任があります。異物混入のロットだけで
なく、賞味期限切れのチキンカツの処分も任せていたとすれば、
日常的に利用している廃棄業者が、不正を行ったことになります。
 産業廃棄物は、マニフェスト制度により、廃棄した現物が本当
に処理されたかどうかを、書類上で管理することが求められてい
ます。書類上だけの管理ではなく、廃棄処理の状況を定期的に監
査すべきと私は思っています。
 新規原材料の仕入れ業者を選ぶときには、必ず工場監査を行っ
ていると思います。廃棄業者も、新規時に監査を行い定期的に
監査を行うべきです。


廃棄する場合は再利用できない形で廃棄する
 金属検出器で排出された商品は、良品に混じってしまわないよ
うに、包装を破る、製品をつぶすなど不良品とわかるようにすべ
きです。
 異物が混入した商品、賞味期限切れの商品なども、良品として
転売されないような形に加工してから、廃棄処分すべきです。
 ダンボールから出し、包装を破ってから廃棄する必要があった
のです。
 今回の商品は凍結商品ですから、完全解凍してから廃棄すれば
転売することはできなかったはずです。
 廃棄する商品をごみ収集車のように回転する機械でつぶして廃
棄していても転売することはできなかったはずです。
 品質管理は、種からフォークまでの管理が必要と言われていま
す。
 廃棄物も工場から焼却処分されるまでを確実に管理することが
必要なのです。

 あなたの工場の製品の廃棄処分は確実に行われていますか。
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廃棄カツ、スーパーで販売 ココイチ製、産廃業者横流し

2016年1月14日01時59分
朝日新聞デジタルより引用

カレーチェーン「CoCo(ココ)壱番屋」を展開する壱番屋
は13日、異物混入の疑いがあるトッピング用の冷凍ビーフカツ
が廃棄を頼んだ産業廃棄物処理業者によって横流しされ、約5千
枚が愛知県のスーパー2店で販売された、と発表した。

 混じった可能性があるプラスチック片を口に入れてもただちに
健康被害が出ることはないが、廃棄を頼んだ際に冷凍状態から一
度とけており、傷んでいる可能性があるという。

 混入の疑いがあるカツは約4万枚。5枚1組で透明な業務用包
装をしてあり、「ビーフカツ」「賞味期限16・01・30」と
書かれている。

 届け出を受けた愛知県によると愛知の2店で約5千枚が販売済
み。約300枚は店に残っていた。約7千枚が堆肥(たいひ)に
なり、約2万8千枚の行方は調査中。廃棄物処理法などに触れる
疑いがあるという。壱番屋は県警一宮署にも通報した。

 壱番屋によると、問題のカツは昨年9月2日に同県一宮市の自
社工場で作った。パン粉を混ぜる機械のプラスチック製の棒が8
ミリほど欠けているのが見つかり、壱番屋はこの日ここで作った
カツ4万609枚の廃棄を決定。同県稲沢市の産廃処理業者「ダ
イコー」に10月19日に渡した。

 しかし、壱番屋や同県によると、今年1月11日、同県津島市
のスーパー「Aマートアブヤス」神守店の店頭で、壱番屋のパー
ト従業員が冷凍カツを発見。壱番屋のカツ、との広告が掲げられ
ていた。名古屋市中川区にあるAマートの春田店の店頭でも見つ
かった。

 壱番屋がダイコーにただしたところ、Aマートではない複数の
業者に売ったと認めた。「親しい人から、ほしいと頼まれた」と
の説明を受けたという。

 ダイコーの販売先の一つは、愛知県から連絡を受けた岐阜県に
よると、同県羽島市の「みのりフーズ」。岐阜県の調べに、同社
の食品衛生責任者は「私の独断でダイコーと取引した。箱を詰め
替えて愛知県の個人1人と企業2社にすべて売った」と話した。
壱番屋と書かれた段ボール約800箱が、みのりフーズで見つか
ったという。Aマートがみのりフーズから買ったかは明らかにさ
れていない。

     ◇

 壱番屋によると、冷凍ビーフカツは、チェーン店でカレーのト
ッピングに使う業務用で、外部への販売は想定していない。同社
の経営企画室は朝日新聞の取材に対し「ダイコーに引き渡し、適
切に廃棄されたとの報告を受けていた。ダイコーへの今後の対応
は検討中だ」としている。その上で「消費者の方にご心配をおか
けした。追加の情報が入れば公表したい」としている。

 
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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