========================================食品工場長の仕事とは===
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■■ 食品の廃棄は避けるべきです。
■■■ 2008年6月29日発行
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おはようございます。河岸です。先週のお話「組織の倫理観について」
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/rinnri810.htm
に読者の方からご意見をいただきました。
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「一度出荷した商品は、再度工場で使用しない。
シンプルな考えで仕事したいとおもいませんか。」
私は大賛成です。
私の場合、再生品が出ること自体「再生品を減らす努力が足りない」と思いな
がら仕事をしています。再生品を「危害が無いから」だとか「使えるものなのに・
・・」だとか「もったいない」だとかなんだかんだ理由をつけて結局は楽をして儲け
ようとしているだけのような気がします。そして、そのことが実は楽なことではなく、
すごく面倒なことですごく無駄なことをしているような気がするのです。
はっきり言えば、「巻きなおし」や「再利用」の手間や偽装のための細工をする
こと自体が無駄な作業だということです。私の理想では「再生品や廃棄品が出な
ければ一番楽」でそれに近づけることが、「良いものを」「安定して」「低コスト」で
提供できることにつながると考えています。
いろいろ合理的な理由をつけても、子供が見ている目の前で軽量品をリパック
することができないのは私だけでしょうか?
仮に目の前でリパックできたとしても、その子はそれを食べておいしいと思って
くれるのでしょうか?
「面倒くさい」「儲からない」のを客や取引先のせいにすることから、自分たちの
せいだと考えるだけでやらなくてはいけないことが山ほど出てくると思います。
「面倒くさいから」「儲からないから」と言ってしていることが、自分たちにとって
本当に「楽をして」「儲かる」ことになっているのでしょうか?
こんなことを最近よく考えながら仕事をしています。
そして、考えたことをできる範囲で実行しています。
この間、ラジオですごく良い名言が耳に飛び込んできました。
「【やる気】はやらないと出ない!」
脳内の「やる気」物質は行動すればするほど出てくるそうです。
あれこれ考え込んでしまったりする前に、とにかく動きなさい、と。なるほど!
「一度出荷した商品は、再度工場で使用しない。
シンプルな考えで仕事したいとおもいませんか。」
無理!で終わりにしないで、たとえ一つでも小さなことから始められることがあ
るはずです。
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今週のお勧めの本です。
私が書いた本です。まだのかたは、是非読んでみてください。
「図解入門ビジネス 最新食品工場の衛生と危機管理がよ〜くわかる本」
著者 河岸宏和 秀和システム 価格 1575円(税込)(本体1500円)
ISBN 978-4-7980-2007-5
25年の経験を本にしました。
食品工場の衛生管理、品質管理のほか災害発生時の危機管理まで、安全
安心な食品を安定して供給できる食品工場の運営管理のノウハウを実践的に
解説しました。
不二家事件、ミートホープ事件、毒餃子事件と食にまつわる事件が立て続け
に発生し、食品メーカーにとって食の安全と品質確保は緊急の課題となってい
る一方、災害や停電の発生、資材不足などで生産停止に追い込まれるメーカー
も少なくありません。
本書は、食品工場で25年の経験を持つ私の経験をもとに、食の安全安定
確保の具体的な施策のほか、クレーム対応や社員教育まで、実務で使える
ノウハウが満載に詰まっています。
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102
パーソナリティ障害―いかに接し、どう克服するか 岡田 尊司 (著)
自分のパーソナリティーは自分です。
「あなたはだれ?」って質問されて、自分探しをしている方もいると思います。
自分の性格、パソナりティーに問題があると自分では気がつきにくいものです。
常に自分が正しいと思っている人、ひとりでは生きていけないと思っている方、
父親に復讐したいと思っているかた、パーソナリティーに問題を抱えている型は
本当に自分を含めて多いものです。
しかし、自分の欠点に気がつけば直すこと、パーソナリティーを改善すること
は可能なのです。
今の難しい時代を生き抜くためにぜひ読んでみてください。
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4569635253/503-6974328-7135903
一勝九敗 (単行本) 柳井 正 (著)
起業家十戒、経営者十戒だけでも価値があります。
ユニクロの柳井さんが書いた、つぶれない会社を造るための本です。企業の
寿命は30年と言われています。
会社を新しく起業したかたは、30年経てば丁度引退してもいい年になりますが、
29年目に新入社員として入社してきた方はいい迷惑になります。
柳井さんの起業10戒、経営者10戒、経営理念を読むだけでも価値のある本です。
一勝九敗でもいいからつぶれない会社にする。
いい言葉ですね。
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4104642010/503-6974328-7135903
狂気の偽装 (単行本) 岩波 明 (著)
切手が貼ってあるあて名が書いてある封筒が落ちていたらどうします?
こんな質問で統合失調症の症状がわかるそうです。
理解できない犯罪が起きたり、理解できない行動をする方をみると、様々な
病名、呼び方を付けてしまいます。
「アダルトチルドレン」、「トラウマ」、「PTSD」、「行為障害」、「かたずけられな
い女たち」、「買い物依存症」、「適応障害」などたくさんの病名、呼び方があり
ますが、精神科医の著者が何が正しくて何が、問題かを各症状の実例を上げ
て説明しています。
自分たちが自分自身で理解できない人たちによく会う方にお勧めです。
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4104701025/503-6974328-7135903
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食品の廃棄は避けるべきです
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日本の製造量と同じ量が廃棄されています。
日経ビジネス2008年6月16日号の記事によると、家庭のゴミを実際に細か
く分類してみるとなんとゴミの42%は、本来食べることのできる食品を捨ててい
るそうです。
家庭ゴミの他にレストランの食べ残し、コンビニなどの賞味期限切れ食材など
とあわせると、日本の食料自給率が40%を切る中で、なんと食品全体の35%
以上が捨てられているのです。
ざっくりの数字で纏めれば、日本国内で生産している食料品と同じ量が、一度
も食べられることなく捨てられていることになります。
「もったいない」という大義名分で再生を使用している企業も多いと思います。
三輪そうめんの再利用、船場吉兆の再利用も「もったいない」という大義名分が
あったのかもしれません。
「温暖化から地球環境を守る」という大義名分もあると思います。
では、不良品、売れ残り品などから発生する再生品を原料として使用しなか
った食品はどうしたらいいのでしょうか。
スーパーなどの販売期限は過ぎているが、「食品期限の残っている商品」、
「包装不良などで正規ルートでは販売できない商品」、「あり得ない年号をつけ
てしまった日付ミスの商品」、などは廃棄するしか無いのでしょうか。
新聞の三面記事の下には、日付ミスの社告が毎日のように載っています。
2008年と表示すべきところを、2007年と表示してしまって回収している場合も
あります。該当する商品は明らかな訳ですから、社告、報道などで「この商品は
日付は間違えていますが、中身にはもんだいありません。」と言って販売を続け
ることはできないのでしょうか。
NPO法人で、セカンドハーベストという法人があります。工場で発生した、包装
不良品、市場で賞味期限の迫っている食品などを、必要な人たちに供給している
NPO法人です。
食料は、廃棄するために製造しているわけではありませんから、こういったNPO
法人を利用して有効活用を図るべきだとおもいませんか。
食品は食べられるために作られたのだと思います。最後まで残さずに食べら
れる事を真剣に考えるべきだとおもいませんか。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。