==================================食品安全教育研究所発行=

■■  食品偽装は何故なくならないのか ハム編
■■■                  2014年6月8日発行 
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おはようございます。河岸です。
 製造所固有記号の表示に関して製造工場は基本的に製造者、住所を
記載する方向で見直しが、検討されて居ます。 
 http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/syokuhinhyouji/doc/k140417_shiryou2.pdf
 例えば、いままで、長野の販売者表示を行っていたお土産が、製
造所が埼玉だったと言う事が商品の表示で明確になってしまうので
す。
 みなさんの工場では、対応について準備されていますか。
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 食品偽装は何故なくならないのか ハム編
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工場の製造原価に手を付けてしまうこと

 私が数十年前にハムメーカーで働いていたときの事です。
 ロースハムは豚のロース肉にピックル液という調味液を
打ち込んでしばらく漬けて置いて熟成させてから熱処理を
行います。
 私が働いていたハム工場は非常におもしろい工場で、製
造現場でのコストダウンが会社側から求められるのです。
 私は製造現場は決められた配合通りの配合するところで
コストダウンを行う事は無理だと思っていたのですが、毎
年毎年、現場のコストダウン額が決められ計画通りに実行
されていました。
 コストダウンの方法は、簡単に言えば、床に落ちてしま
った肉をハムに付ける事や、豚肉に対して100%と言わ
れている調味液の配合を102%に増やすことで現場のコ
ストダウンを実施していました。
 そば、うどんで例えれば、ゆで時間を少し長くすればう
どんがふやけて少し重量が重たくなります。少しだけ増え
たうどんを少しずつとって置けば、もう一人前分増える事
になります。
 家庭で言えば、ご飯を炊くときに心持ち水を多く入れて
ご飯を炊きます。本当に少しだけ水を増やして、ご飯を炊
けば家族もご飯の炊きあがりが変化したことに気がつかな
いかもしれません。
 しかし、毎年毎年、少しずつ水の量が増えて行けばいつ
かは、ご飯がべちゃべちゃになってしまい、おいしく食べ
ることは出来なくなってしまいます。
 ハムメーカーは毎年毎年コストダウンを繰り返して、べ
ちゃべちゃのご飯を炊くようになってしまったのです。さ
すがにハムが柔らかくなってしまうと、売れなくなります
ので、少しデンプンなどの粉類を足すようにします。
 肉に肉よりも価格の安いデンプンを足すのですから、配
合コストは更に下がることになり、コストダウンが進んだ
のです。
 しかし、ハムにはJASマークが付いていました。JASでは
等級によって配合できる物が決まっています。しかも水分
値が決まっていました。
 べちゃべちゃのご飯のままでは、JASの検査を通過する
ことはできません。
 世の中はよくできた物で、JASの検査のための試料は
JASが市場から購入して検査するのでは無く、工場から直
接検査機関にサンプルを送付する制度だったのです。JAS
の検査センターにサンプルを送る時には、JAS用に製造した
サンプルを送り検査をくぐり抜けていたのです。

どうすればよかったのか

 現場に配合工程でコストダウンを行う事を求めてはいけ
ないのです。
 ハムの職人と言えばドイツのマイスターが思い浮かべる
ことができます。私もドイツ人マイスターと私も仕事をし
たことが有りますが、マイスターは、決められた事を決め
られた通りに行う事を何度も何度も繰り返し私に教えてく
れました。
 ソーセージを添加物と混ぜるカッターと言う設備は、氷
できちんと冷やして、刃はよく切れるようにしておかなけ
ればならないことなど、基本の基本を教えてもらえたので
す。
 ご飯を炊くのであれば、毎日同じ重量の米に対して、同
じ量の水を入れて炊くことです。
 しかし、米の産地などが変わって、お米の水分値が変わ
った場合は、水の量を変更して、ご飯を炊く必要がありま
す。水の量を変えるのは、あくまでも、ご飯をおいしく炊
くために水の量を変更しています。
 自分の製造した製品を食べていただける方の顔を思い浮
かべて美味しいものを作り上げるのが製造工場の使命だと
思っています。
 配合工程でコストダウンを現場に求める会社の考え方は
間違えていると私はいまでも思っています。
 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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