========================================食品工場長の仕事とは===

■■   偽装報道について考えること4

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おはようございます。河岸です。雪のない札幌だそうですが今年は暖冬に

なるのですかね。私は寒いときは寒い方がいいですね。皆さんはいかがで

すか。

今週のお薦めの本です。

会社の品格 (幻冬舎新書 お 3-1) (新書)  小笹 芳央 (著)

「時価総額日本一、世界一を目指す」は品格無しです。

 内容は・・・の品格シリーズの中では最高です。「お金を儲けて何が悪いんで

すか」「時価総額世界一を目指して何が悪いんですか」「お金で買えない物は

無い」こんな言葉を吐く経営者の人格が品格の無い会社を作り上げると説いて

います。

 会社の中で働く人の品格を上げるためには、パチンコから学べるそうです。

パチンコは何故人を魅了するのか。自分で選んだ台で、自分の責任でタマを

はじき、直ぐに答えがでる。この三段論法と同じ事を会社で行う事が出来れば

人は仕事におもしろさを感じるといいます。

 会社で働くことに魅力を感じれば自ずと会社の品格は上がるはずです。

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年収崩壊―格差時代に生き残るための「お金サバイバル術」

森永 卓郎 (著)

身の丈で生きる幸せを感じます。

 ワーキングプアという言葉がテレビでも耳にすることが増えて来ました。もっ

とも働かずに雑誌を拾って生活している若者もいるそうです。一冊雑誌を拾う

と50円で8冊も拾うと一日生活できるそうです。

 日本人特にサラリーマンは出世することが幸せであると言う考えが多いと

森永さんは説いています。

 年収300万円でも欧米の人は美味しいものを食べて、恋人と幸せに過ごし

ています。気持ちの持ち方を変えるだけで、300万円でも幸せに感じるはず

です。素敵な人生を送りたい方にお勧めの一冊です。

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 偽装報道について4

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読者の方からメールを頂きました。12月に入ってもまだまだ偽装報道が続きま

す。今回の読者の方が話されているように、3丁目の夕日の頃は偽装という

言葉さえなかったと思います。もっとも正規の物が食べられないから、似たよう

な物を工夫して造ったものは多かったと思います。本物のロースハムが高くて

食べることが出来ないから、馬肉などをつなぎで纏めたプレスハムを日本人の

知恵で造ってきました。

 時代が変化してくるとこの知恵が偽装になっていったと思います。

皆さんからのご意見お待ちしています。

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 突然ですが、昨日妻と久しぶりに映画館を見に行きました。「ALWAYS 続・三

丁目の夕日」という映画です。前回のもテレビで見ましたが、今回のも泣けました。

映画を見終わった後、何か今の時代に欠けているものを満たされたような気持ち

になります。この映画の中で「お金で買えない大切なものがあるんだ」というセリフ

がありますが、食品の偽装が無くならない理由の一つを表しているような気がし

ます。まだ見ていない人には是非オススメしたい映画です。

 

 表題の件についてですが、私個人の意見としては「時代の流れ」、言い換えれ

ば「自然の流れ」だと思います。と、言いましても決して悲観して諦めたわけでは

なく、今はこれまでの偽装を見直す時代に入ったところだと思います。

以下は田舎の祖父母から幼少に聞いた体験談や「ALWAYS 続・三丁目の夕日」

を基にしあくまで想像ですが、

 

戦前、戦後あたりの時代:物や金より精神的なものが充実していた

経済成長期、バブルの時代:物や金が充実していた

経済の衰退期(今の時代):精神的なものを見直し始めた

 

のような時代の流れで進んできたような気がするのです。(「判ったようなことを

書くな!」と言われるかもしれませんが・・・)

 

 本題である「偽装が何故無くならないのか」について考えてみると、まず単純に

偽装をした人がいるからです。では、何故偽装をしたのでしょうか?お金がほしい

から、行政や取引先の監視が甘くてばれないから、みんながやっていたから・・・

などいろんな理由がありますが、これらをひっくるめて偽装ができる(したくなる)よ

うな環境があったからだと思います。では、どうしてこのような環境になってしまっ

たのかというと、多分ですが、国の偉い方々も我々も含めてみんなで創ってしまっ

たような気がするのです。

 

 「お金で買えるもの」と「お金で買えないもの」があるのです。外食で美味しいも

の、家ではつくれないもの、職人さんの味をお金を払って食べられます。奥さんの

手料理、おふくろの味、みんなで囲んで食べた鍋の味はお金を払えば食べられ

るというものでもありません。食べ物だけではありません。

「お金」「楽(面倒くさくない)」「自分」のほうばかり見て、もう片方の大事なものが

見えない「片目の猿」になってしまっているのではないでしょうか?

 

 私は品管をしていますが、うちの工場でよく「品質は品管が造るんじゃない、現

場の人ひとりひとりが造り込んでいくものだ。品管はそのお手伝いをしているだけ

です。」と話してます。同じように偽装をしない雰囲気、環境づくりは我々各業界の

現場が造っていくものでは無いでしょうか?時間が掛かるかもしれませんが、み

んなで「脱・片目の猿」運動を出来るところから、諦めずに、継続して続けていくこ

とが今の自分にも出来ることだと思います。

 

 なんか全体的に漠然とした内容になってしまいましたが、私を含めてみんなが

より良い時代を築いていけるように、河岸様のブログも一つのツールとして広め

るとともに活用していけたらいいなあと思います。

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霜降り馬肉、実は馬脂注入 居酒屋チェーンに排除命令

2007年12月14日20時39分

 人工的に馬の背脂を注入した馬肉を「霜降り馬刺」「とろ馬刺」などと表示して

販売したとして、公正取引委員会は14日、居酒屋チェーン3社と食肉加工業者、

業務用スーパーの計5社に対し、再発防止などを求める排除命令を出した。天

然育成の霜降り馬肉であるかのように消費者に誤認させる不当な表示だとして、

景品表示法違反(優良誤認)にあたると判断した。

 排除命令の対象となったのは、居酒屋「白木屋」などを展開する「モンテロー

ザ」(東京)▽「村さ来」を展開する「村さ来本社」(同)▽「八剣伝」などを展開す

る「マルシェ」(大阪)▽全国のスーパーなどに販売していた肉加工販売業「ファ

ンシー」(東京)▽業務用食品スーパー「A―プライス」を展開する「トーホー」

(兵庫)の5社。

 調べでは、5社は、国産や中国、カナダ産の赤身の馬肉に、40〜50本の針

を機械で刺して脂を注入した加工馬肉を製造したり購入したりし、「霜降り」など

と表示して販売していたという。

 モンテローザは04年10月〜06年10月に系列577店で、村さ来本社は06

年4月〜今年3月に系列251店で、マルシェは05年5月〜今年5月に系列26

5店で、メニューやチラシに「霜降り馬刺」や「とろ馬刺」などと表示。ファンシーも、

自社ブランドの商品のパックに「霜降り」と印刷。トーホーは「霜降」と書かれたラ

ベルを張って販売していた。

 公取委は、脂を注入したことを示さなければ、熊本などで飼育されている天然

の霜降り馬肉だと消費者が誤解する、と判断。業者間の取引価格は、脂注入の

加工肉が1キロあたり3000〜4000円なのに対し、天然の霜降り馬肉は8000

〜1万円するという。注入馬肉は、加工肉であることを明記した取引なら問題なく、

加工業者の売り上げは年間約16億円だという。

 居酒屋チェーン各社は、すでに加工馬肉の販売を中止し、赤身や天然の霜降

り肉に変更。ファンシーとトーホーは「注入」と表示して販売しているという。各社

は「真摯(しんし)に受けとめ、消費者の皆さまにおわびします」などとコメントして

いる。

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船場吉兆、ずさん検査で再出荷…賞味期限「打音」で確認

商品偽装

 高級料亭「船場吉兆」(大阪市中央区)の食品偽装表示問題で、同社は、賞味期限が

迫った瓶詰商品が店舗から返品されてくると、瓶のフタをたたいて中身が発酵していな

いかを確認しただけで、新しい賞味期限のラベルと張り替え、新品として再出荷してい

たことがわかった。

 同社が10日、農林水産省に提出した改善報告書で明らかにした。賞味期限を設定す

るにあたって、科学的な検査もまったく行っておらず、同社の「食の安全」に対する意

識の低さが改めて浮き彫りになった。

 報告書によると、賞味期限ラベルの張り替えが行われていた瓶詰商品は、「丹波くろ

まめ」「やわらかこんぶ」など7商品。同社は瓶詰商品の賞味期限を3か月と設定して

おり、心斎橋店(同)などに出荷した商品の期限が残り1か月になると、本店に返品さ

れる仕組みになっていた。ところが、本店では返品された商品のフタをたたき、その音

のトーンで発酵していないかを確認する「打音検査」をしただけで、新たに3か月先の

賞味期限を記したラベルと張り替え、出荷していた。

 ◆偽装マニュアルも◆

 湯木正徳社長(74)の長男、喜久郎取締役(45)らは10日の記者会見で、明太

子の賞味期限について、福岡から東京に発送する際は2日、北海道に発送する場合は3

日、それぞれ期限を延長するとしたマニュアルがあったことを明らかにした。さらに、

雇用問題についても触れ、「11日にも、パートを含む全従業員約200人に希望退職

を募る」と発表した。

(2007年12月11日3時3分 読売新聞)

 

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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表紙イメージ 河岸宏和への質問



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