==================================食品工場の工場長の仕事とは==

■■  ドイツの食中毒から学ぶこと
■■■               2012年10月6日発行 
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おはようございます。河岸です。
 工場監査などで基本的な食品衛生事項の指摘を行うと「法律の何処に書いて
あるんだ」と言われる方がいますが、法律に書いていない食品工場の管理事項
はたくさんあるのです。
 食品衛生の基本的な事項がわからない方が食品工場の責任者を行うべきでは
無いと私は思っています。

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 ドイツの食中毒から学ぶこと
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「他山の石」と考えるか

 ドイツで史上最大のノロウイルス食中毒が発生したと伝えられています。
 もし、あなたの工場の原材料が原因でノロウイルスの食中毒が発生したとしたら、
あなたの工場は、これから先も存続する事が可能だと思いますか。
 あなたの工場が食中毒が発生した時点で考えられるだけの対策を取っていて、起
きてしまった「事故」であれば事故後も工場で生産する事はできると思います。
 しかし、会社、工場の体質が利益優先で、本来はお湯が出るべき手洗い設備が、
水しか出ない状態であったり、手洗いシンクが小さすぎたり、包装室に手洗いその
ものが無かったりしていたことが、世間に報道されてしまうと、二度と食品製造の
舞台には戻って来ることは出来ないと思います。
 金沢、富山などでO157 食中毒を出した焼き肉チェーンは、仕入れた肉の品質が
悪い事、本来は生食が出来ない肉を使用していた事が報道されると、会社自体が存
続する事が出来ませんでした。
 食品は大切な人の体になる物です。
 大切な人の体を考えるときに、「まあいいか」「お金が無いからしかたないよ」
という言葉は通じないと思います。
 お金が無いなら無いなりに、力の限り大切な人の事を考え食品を製造すると思う
のです。

 ノロウイルスを防ぐためには次の項目になります。

・従業員の体調管理を十分に行う事
・従業員の家族の体調が悪ければ出勤をさせない事
・作業着などは専用の場所で洗濯を行う事
・従業員のトイレと外部から来た方のトイレを分ける事
・食材の衛生度別の管理を行う事
・手洗いを確実に行う事

 等と言った食品工場としての当たり前の事を当たり前に行う事が大切なのです。


「対岸の火事」と考えるか

 従業員の方がノロウイルスの事故の報道を見て「トイレの手洗い水はお湯の方
がよくないですか」と責任者のあなたに問いかけて来たらどうしますか。
 工場のオーナーの方からは「利益を必ず出せ、利益が出ない管理しか出来ない
のなら君はいらない」と言われ続けていたとします。
 トイレでお湯が出るようにするためには、給湯ボイラーを設置しなければなら
ず、お金がかかってしまいます。
 責任者のあなたは「いままで安全だったのだからいいだろう」と考え、従業員
の声を無視してしまいます。
 従業員の方が会社に声を上げるときには、大きな勇気がいるものです。
 勇気を出して上げた声を無視された従業員は、工場に対してあきれてしまい、
退社してしまいます。
 そして、あなたの工場が小さなノロウイルス事故を起こしてしまったとします。
 事故に遭われた方との補償も済み、やれやれとおもっていると、一本のメール
がくるのです。
「ネット上に手洗いのお湯の提案を行ったのに無視をした会社が事故を起こした」
とSNS等で大騒ぎになっているとメールが来たのです・
「ある組織の倫理観は組織の責任者の倫理観を超えない」と言う言葉があります。
 あなた、組織の責任者が品質問題について妥協してはならないのです。
 一度妥協して、投資すべき事項を利益優先のために行わなかった事が、お客様
に知れてしまうと、お客様はあなたの工場の製品を二度と買ってはくれないのです。
 食品の安全に対する投資、取り組み、教育には「これでいい」「十分」という言
葉は無いと思っています。
 ある時点の最高の取り組みを行うべきであり、責任者のあなたは、24時間365日
工場の存続のための土台、すなわち安全について考えているべきなのです。

 責任者のあなた、工場長は工場の安全を24時間365日考えていますか。
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 http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20121001-OYT8T00282.htm

 ドイツ最大規模の食中毒、児童生徒ら8千人症状

「ドイツ 食中毒」の記事をお探しですか?最新関連記事が 10+ 件 あります。
 【ベルリン=三好範英】ドイツ東部ベルリン、ザクセンなどの州で8300人の
児童、生徒が下痢や嘔吐の症状を訴え、多数の学校が休校する事態となっている。

 患者の出た保育園、学校は、全て同じ業者の給食の供給を受けており、給食のノ
ロウイルスが原因とみられている。

 9月25日に最初の患者の報告があり、その後、5州342施設から報告された。
合併症を起こしている患者はいないという。患者の発生数は減少に向かっているが、
ビルト紙日曜版は「ドイツで最大規模の食中毒事件」と伝えている。

(2012年10月1日 読売新聞)

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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