========================================食品工場長の仕事とは===

■■   防虫の考え方について

■■■                            2007年10月21日発行 

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おはようございます。河岸です。読書の秋です。秋は食欲の秋に走ってしまうと

食べ過ぎて動きが鈍くなりますので、是非読書の秋に皆さん走ってみませんか。

私は毎週10冊を目標に読んでいます。その中からのお薦めの本です。

世界屠畜紀行 (単行本)

内澤 旬子 (著)

 女性の著者が韓国の犬の屠場までルポしている本です。あえて書きますが

女性の著者が自分自身の目で牛、豚、羊などの動物たちが生肉、食肉に変化

してく過程をイラストと文章で表しています。

 著者の自分自身の言葉で書かれている本ですので、屠畜の偏見に対する考

え方も感じます。

 屠場に関する本は少ないので、生肉、加工肉を学ぶには一度読まれることを

お薦めします。

http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4759251332/250-5979749-7419419

 

中国の危ない食品―中国食品安全現状調査 (単行本(ソフトカバー))

周勍 (著), 廖建龍 (翻訳)

 中国の方が書かれた中国の食の安全を考えさせられる本です。

 「明日を考えず、誰をも信用しない社会と権力者の汚職が無くならない限り、

食品安全の問題は決して解決されない。」と著者は語っています。まさしくそ

の通りと感じさせられる一冊です。

 著者は今中国人が食べているものは“ゴミ”と言っています。“ゴミ”を食べ

ている中国人の精神や心も“ゴミ”制度も“ゴミ”です。このままでは中国は

滅びてしまうとも説いています。

http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4794216386/250-5979749-7419419

 

 

失敗の予防学―人は、なぜ“同じ間違い”を繰り返すのか (単行本)

中尾 政之 (著)

 現場に詳しい著者が書いています。

「愚者は体験(自分の失敗)に学び、賢者は歴史(他人の失敗)に学ぶ」

「おごるな、隠すな、我が身を正せ」これが基本です。

「無知、無視、過信は「失敗の3悪人」」

「社是には一番出来ないことが書いてある」

現場に詳しい方に言われると耳の痛いことがたくさん事例と伴に書いてあります。

お薦めの一冊です。

http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4837922414/250-5979749-7419419

 

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防虫に使用する薬剤について

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一度害虫をいなくしないと管理はできません。

 読者の方からメールを頂きました。皆さんからの質問が私のメルマガの原動

力になりますのでどんな質問でも是非お願いします。

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こんばんは

いつも貴重な情報ありがとうございます。

M社の者です。匿名ですみません。

さて、工場長も変わり・・・と思っていたら、また問題発生です。

 品証本部のせいで、害虫苦情が減らない。何をしているんだと・・・。

社長の声が。。。あげくに、品証は、社内のカスの集まりなんだから・・・まで。

 それは、さておき、最近は、防虫業者といえども、薬剤をあまり使いたがりま

せん。しかし、窓は、全開、ドアは、閉めないという従業員教育をさせないまま

に、どう防いだらよいのか。(コストや効率アップの会議は、頻繁にあるのです

が苦情の会議はない) 雪印の末期症状という人も。

今日も、部内で議論しましたが、

役員は、自分で薬をまくといい、

ある部長は、薬剤は、だめ。お金をかけてシャッターや防虫のれんをつけるべきと

私たちは、従業員教育をまずやってほしい・・・管理者の管理が不十分を訴えました。

 

 そこで、薬(スミチオン)は、食品会社の建物外周でも撒くことが出来ないんで

しょうかね。撒くのは、樹木(低い)や、排水溝回りですが、世間の目を気にする

あまり、文句が出ます。(工場内は、稼働中は、撒きません)

 ムシポンの捕獲レベルは、平均200を超えるところもあり、ゴキブリも見つかる

始末。アースレッドは、毎週、惜しげもなくするのに、スミチオンは反対という部

長連中をどうにかしたい。

 今のご時勢で、薬剤散布は、ご法度なんでしょうか???防虫業者もいまひ

とつ手段が無いようで・・・

 困っていますが、いかがでしょうか。私は、撒く量を管理できれば撒きたいの

ですが。

よろしくおねがいします。

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一度害虫をいなくしないと管理はできません。

 読者の方の切実な思いが伝わってくるメールです。害虫の種類が書いていな

いので明確には答えられませんが、捕虫機に200匹これが1ヶ月の捕獲数で

あれば多いことになります。作業している環境にもよりますが、包装室で3匹、

入荷口でも30匹以上捕虫機に1ヶ月で捕獲数があれば多い事になります。捕

獲されている虫の発生箇所をまず明確にします。外部侵入なのか内部発生な

のかを明確にします。捕まっている捕虫機と現場をよく観察します。

 外部発生の昆虫であれば、発生箇所の清掃とスミチオン等の安全性が確認

できている薬を撒くこととします。基本は防虫業者がよくわかっているはずですが、

近隣の畑、田んぼ、散歩されている方の影響を考えて薬を撒く必要があります。

 内部発生の場合も同様です。コンクリートなどのヒビの中が昆虫の発生源に

なっている可能性もありますので、良く観察をする必要があります。コンクリート

の中のヒビの中は清掃は充分に出来ませんので、やはり薬剤を使用する必要

があります。工場内でバルサンを焚いたりスミチオンを使用する場合は、工場

内の設備、原材料などに汚染されないように確実な養生が必要になります。

 最近は環境の事を考えて、薬剤を使用しないペスト業者が多いのですが、ペ

ストコントロールの基本は一度ペストの数を減らしてその後、質問者の言われる、

従業員教育、侵入を防ぐのれんなど総合的に対策を行う必要があります。色

々な方法を総合的に行う事が必要です。

まず絶対数を減らして、その後努力が必要です。

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 こんばんは

お返事ありがとうございます。

さすがに おっしゃるとおり、捕獲数は、場所により明確に外部、内部の虫を

把握しています。

しかしながら、今の政策は、「外部の虫を入れない」では無く、入った虫を

「全部取ってしまう」政策なのです。

従って、最近「ペタチュウ」というムシポンの大きなやつを購入。設置しました。

これには、皆 疑問で光漏れがすごい。完全にペタチュウへの捕獲数が多く

なりました。

これを効果があった・・・という評価になっているので、困ったものです。

業者は、ペタチュウは、お勧めでないとのことでした。

要は、

1、虫対策にお金は出せない。業者は、信用しない(ある課長の話で、業者の

話は、信用できない・・・これなら、なぜ、業者を頼むのか?)

2、アースレッドはいくらやってもOK(実際、毎週実施)

  Gキラーという アースESリキッドを加熱蒸散して撒く装置もフル稼働)

3、スミチオンや除草剤は、だめ。

4、壁や床の亀裂は、修理費がない。(多くて、きりがない)

5、でも、害虫苦情が減らないのは、特定部門のせい

6、捕獲数も、ゾーンニングの考え方も (HACCPのようですが)

  虫の種類を考えず、「多い、少ない」しか考えていない。多いところを重点

  的に対策して、少ないところは、何もしない。

 ゾーンニングの考え方で2年やっているうちに、少なかった部分でゴキブリ

が発生してしまいました。(クロゴキブリですが、結構捕れるようになりました。)

 

会社の方針のようです。

他の会社もこのような状態なんでしょうか?

わたしは、従業員教育も平行して行いたいと思っているのですが。

順番が違っているのでしょうか。

本来なら、工場の補修、虫の侵入阻止。駆除。教育なのでしょうか?

ご意見をお聞かせいただけませんでしょうか?

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虫取りは業者に任せるのが一番です。

私は自分でやることも多いのですが

1 発生させない

2 侵入させない

3 侵入した虫は必ず捕まえる

これが結論です。

もう一つ ペタちゅうの光が外に漏れていませんか。夜に工場の外を確認して

みて、光が外に漏れていると虫が寄って来ます。蛍光灯の光も漏れていると

寄ってきます。

 基本的な事を虫の気持ちになってやって見るしか無いと思います。

皆さんからの質問をお待ちしています。

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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表紙イメージ 河岸宏和への質問



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