==================================食品工場の工場長の仕事とは==
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■■ 防火点検について
■■■ 2012年12月2日発行
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おはようございます。河岸です。
12月2日 冬も本格的になって来ました。朝起きるとストーブが恋し
くなります。
工場の中、家庭の中、防火について考えて見ませんか。
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防火点検について
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点検するところはたくさんあります
防火、労災などの安全に関する日常点検を行う所は工場内のどの部署が行うか
をあらかじめ決めなくてはいけません。
商品の品質に関することは品質管理が通常行っています。一番現場を点検という
目で歩くことが多いのは品質管理担当者だと思います。
大きな工場では安全担当と言って総務などの安全担当が現場を巡回している場合
がありますが一般的には形だけに終わっていると思います。
誰が点検を行うにしても大切な点は食品の安全と同じように、従業員の安全に関
して形だけに終わると言うことは無いのです。
「今日は消防署の点検が入ります。」と朝礼で現場の方に伝えると、現場では消
火栓の前に物を置かないようにして、非常口回りの避難経路を確保し、防火シャッ
ターのシャッターラインの確保を行います。
避難の時に使用する拡声器などの準備を行います。
私が毎週買い物に行く、大型スーパーでも普段は買い物をするときの通路の確保
と、消防署の視察が入るときの通路の確保は異なって見えます。スーパーに平日買
い物に行くと通路がすっきりしていることがありました。
特に非常階段に置いてある在庫の量が大きく変わる物です。
「今日は何か有るのですか?」と店員の方に質問を行うと、「今日は消防の点検が
あるのでかたづけました。」と回答が返ってきます。
大切なことは、安全に関して会社、工場の方針が大切なのです。常に防火シャッ
ターのシャッターラインを守るのか、消防署の査察が入るときだけシャッターライン
を守るように従業員に言うのかは大きく異なることです。
防火に必要な内容を日頃教育することが大切です。更に進んだ会社は、毎日安全が
守られているかどうかを誰が点検をするかが明確になってくるのです。
働くかたすべてが防火上必要な所には常に物を置いてはいけないことが判るような
表示が必要になりま。
休日楽しみにしていた遊園地で楽しく家に帰ることが出来るか、命を落とすことに
なるかは、毎日毎日の安全に対する積み重ねの差だと思いませんか。
工場の管理も責任者の考え方で大きく変わって来ます。あえて品質管理のお話しの
中で防火管理のお話しをした理由は日常の点検を繰り返すことが大切な点では似てい
るところが有りますのでお話ししているのです。
品質管理の点検と防火管理の点検は経営者の考え方が一番出るところと思っていた
だいていいと思います。
消防の査察の日だけ行動しても安全は確保されないのです。
安全は毎日の積み重ねが大切です
火事、労災などの事故が起きてしまうと工場の存続だけでなく、工場で製造した製
品を毎日食べることを楽しみに待っていたお客様、働いている方、被害に遭われた方
の人生そのものを大きく変えてしまいます。
工場で火事が起きたときに非常口から逃げられるように避難経路を日常から確保し
てあること、消火器などの消火活動がスムーズに対応できるようにしておくことも必
要です。
火事が起きてしまった時に従業員の方が全員避難できる事が非常に大切な事になり
ます。
火事が起きたときに工場内に放送を例え停電になった場合でも流すことができます
か。
火事の避難放送は、働いている方全員が理解できる言葉で流すことが出来ますか。
日本語だけの放送では伝わらない場合があります。自動放送設備で無いと緊張して担
当者が放送で言葉が出ない場合も考えられます。
火事が起きる原因を考えます
火事が起きるためには火の元が発生しなくてはなりません。火事の要因は次の事が考
えられます。
1 漏電
2 ガスコンロ、フライヤーなどの移り火
3 天かすなどからの発火
4 化学薬品の反応
5 ストーブからの失火
6 電気製品の確認
7 たばこの処理
8 放火
では、具体的にそれぞれについて考えてみます。
必ず各項目について工場長自身で確認を行うことと、点検は誰が何時行なうか決めて
おくこと、工場で働く全員が何故行わないかいけないことかを教育を受けていることが
大切になります。
火事を起こさないように考える人が一人でも多い方が事故を防ぐことになると思いま
す。
1漏電
電気保安協会の方が最低月に一回は点検を行うことが必要です。
電気保安協会の方の点検で漏電の原因になる絶縁の状態を確認してもらいます。
保安協会の方は絶縁の状態までは確認を行いますが、異常値が出た場合は早急に対応を
行う必要があります。漏電が火災の原因で非常に多くなります。
せっかく保安協会の指摘を受けても、経費がかかると言って修繕せずにそのまま放置し
ている工場が非常に多く有ることも事実です。
コンセント、延長ケーブルなどで、簡単に家庭用の延長ケーブルを使用している現場を
見ますが、電気容量的にも不足し、コンセントの所の埃で火事になる場合も必要ですので
工場内で使用する延長ケーブルは専用の物を使用する事が大切です。
野外で使用する電源は野外用の電線で配線しておくことが必要になります。
コンセントにプラグを差したままにしておくと埃が溜まってしまい漏電の原因になります。
コンセントの埃も定期的に点検することが大切になります。
2 ガスコンロ、フライヤーなどの移り火
現場でガスなどの炎を使用している生産設備があります。設備の回りには必ず消火器を
置くことが大切です。
火が燃え移りやすい物は置かない。作業着なども火が付きにくい物を着用することが大
切です。何の気も遣わないで段ボールを置いてしまい、火が付いて、エプロンにも燃え移
ってしまった、などと言う事故も起きてしまいます。
フライヤーの中に火事が起きたと言って水をかけてしまうと、油が飛び散って火事が大
きくなってしまいます。
油火災には専用の消火器が必要になります。
3天かすなどからの発火
フライヤーからの天かすの処理はどのように行っていますか、もし天かすから発火した
ときもフードの下に置いてあれば問題が有りませんが、天かすを熱いままゴミ袋に入れて
廃棄物置き場に置いてしまえば、ゴミ箱から発火し工場全体が燃えてしまう可能性もあ
ります。
天かすの処理は必ず氷、水などで天かす全体を冷却してから処分することが大切にな
ります。
4化学薬品の反応
酸とアルカリによって化学反応が起きて発火してしまう場合があります。
工場内で使用している洗剤などはアルカリ度、酸度が高い物があり、思わない化学反応が
起きてしまいます。
「混ぜるな危険」の表示も大切ですが、化学反応を起こすことを日常の教育で従業員全体
に徹底することが大切になります。
洗剤の保管場所でも化学反応が起きて火事にならないようにすることが大切です。
洗剤が地震でこぼれた時に化学反応が起きない置き方が必要なのです。
5ストーブからの失火
工場内でストーブを焚いている工場も少なくないと思います。
石油ストーブ、ガス、電気ストーブ等いろいろなタイプが有りますが、ストーブの前に段
ボールなどの燃えやすい物を置かないことはもちろんの事、消火器を設置することが必要に
なります。
大切な事は工場の中にストーブは何台有ってその使用状態、日常の管理状態に問題は無い
かを毎日点検し、指導することが大切です。
電気ストーブを入荷場に保管していて、電気ストーブから火事になってしまう場合もあり
ます。
石油ストーブに使用する石油の管理はどのように行っていますか。
包装資材庫にさりげなく石油缶が置かれている場合があります。もし石油がこぼれて包装
資材に引火してしまったら大きな火災になってしまいます。
6電気製品の確認
家庭用のドライヤーの風が出るところを塞いで使用するとドライヤー本体が加熱してきま
す。
過熱状態が続くと通常は加熱防止の温度ヒューズがドライヤーに付いていますので発火す
る前にヒューズが切れてしまい電気が流れないようになり発火するまでには至りませんが、
このヒューズが付いていない粗悪な商品を使用すると発火することになります。
過電流が流れるとヒューズが切れるように、温度が上がりすぎると切れるヒューズを適切
に使用する事が必要です。
工場の熱を出す設備で過熱した場合温度によって電気が流れなくなるようになっているか
点検を行うことが大切です。
温度が上がると切れるヒューズを使用している設備の温度ヒューズを高い温度に変更した
り、温度ヒューズを使用しない仕様に変更することは厳禁なのです。
7たばこの処理
たばこを吸う方は年々減って来ていますが、まだまだ工場で働く方の中での喫煙率は高い
と思います。
たばこの処理はどのように行っていますか。
たばこを吸っていいところの管理状態はどなたが点検をしていますか。
喫煙場所で無いところでたばこを吸っている方を見かけた方の処分はどうなっていま
すか。
会議室の灰皿が吸い殻があふれたまま朝を迎えていませんか。
最終的にたばこの吸い殻を捨てる場合は天かすの処理と同じように完全に冷却が終わって
から廃棄することが大切になります。
8放火
工場の内外、外周、内部を含めて悪意を持って火を付けようとしたときに火を付けられな
いような状態に工場の管理を行うことが大切です。
段ボール箱の保管場所を外部の小屋の中においていたりすると放火しやすくなります。人
が歩くと明かりが付き、監視カメラが回る様にしておくと放火がしづらくなります。
悪意を持った方が放火をしようとしても出来ないような管理が必要になります。
火事とクレームは一つ一つの日常管理の積み重ねで防ぐことが出来ます。
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