ボトルネックについて
工場の設備能力は、それぞれ理解していますか??
工場に有る設備の設計能力は、どのくらいで、いま能力の何パーセントを
使用していますか。それを理解しているその上での質問です。
あなたの工場で注文が増えたときに商品をどのくらい造れるのか
そのときのボトルネックは理解していますか?
ボトルネックとは英語で【bottle neck】、直訳すると瓶の首になります。
ビール瓶の出口、首のところを思い出してください。ビール瓶を逆さにしても
なかなかビールは出てきません。首のところがじゃまをしてビールが出てくるのを
じゃましているのです。同じようにあなたの工場の生産量を左右するネック。
ボトルネックはどこか理解していますか??
工場の改善活動、今回の場合は生産量を増やす、生産効率を上げるときに
このボトルネックを理解して進めることによって、「てこ」の原理すなわち重たいものを
動かすときに力任せで重たいものを動かすことには、力持ちボブサップでも限度が
あります。しかし「てこ」を利用して重たいものを動かすと簡単に動く場合があります。
生産効率を上げよう。製造量を上げようとするときに、このボトルネックを理解して
その改善を行う事、すなわち「てこ」の考え方で進めることが大切です。
また、てこを動かすもののどこに当てるかで力の入れ方が変わってきます。
あなた、工場長の仕事は、このボトルネックを理解して、てこを考え当てるところを
探し出すことですね。ボブサップを何人つれてきても簡単には解決しないことが
「てこ」を考えることによって簡単に解決することがあります。
ではボトルネックの説明です。
ボトルネックは、高速道路で言えば料金所になります。たとえば料金所が無ければ
料金所渋滞は、起きなくなります。それを解消するために料金所は多くのブースを作り
ネックにならないようにしています。そして料金所を増設できない高速道路、たとえば
東京の外環高速は料金所を二重にして一度に、二台づつ処理できるように工夫して
います。また、最近では普及はまだまだですが、ETCシステム(ETC:Electronic Toll
Collection System)の略で http://www.mex.go.jp/etc/info.html を、見ていただけば
わかると思います。簡単にいうといままで人間が料金のやりとりをしていた高速料金を
自動で受け払いするシステムです。こうすることによって料金所のボトルネックがかなり
解消されます。もっとも、このシステムは利用者に数万円の設備代を負担させるために
普及率が低くなかなか料金所のボトルネックの解消になっていません。
このように建物の大きさの関係で設備面の増設ができない場合でも、智恵によって製造
能力を上げることができることを、理解していただけたと思います。
工場の大きさがこれ以上大きくならないから、新しい設備を入れることができないから
生産能力を上げることはできません。よく聞く言葉ですね。
しかし、工場能力を上げるためには、ボトルネックを少しでも広げることができれば
製造能力はあがるのです。
その知恵をいかに出せるかが、工場長の力になると思います。
次に知恵の出し方を考えてみたいと思います。
高速道で考えれば料金所がボトルネックになっているのは、明確な事です。
ではこの料金所渋滞を解消するには、どんな事をしたらいいのでしょうか。
第一にはデーターを集めて現状把握する必要があります。料金所渋滞は何時
起きているのかを、現状把握しなくてはなりません。その時間時間によって
解消の仕方が異なると思います。湯水のように利益、利潤を考えずに投資が
できれば全ては解決しますが一般的には改善に使える金額は決まっていると
思います。その渋滞が発生している時間帯、もしくは盆暮れの帰省時期などの
季節要因によるものなどの、時間によるもの季節によるものなど色々考えられ
ますが何時の時期をねらって、このボトルネックを解消するかデーターを基に
考えることが大切ですね。
今回は、朝晩の通勤時間帯のボトルネックを解消する方法を考えてみましょう。
1 料金所のブースの数を増やす
2 ETCの設置を推進する
3 精算する人を 前後二人にする
4 自動機械で行っていたことを人で行うようにする
すべて実際に行われていることですがいずれも効果が上がっています。
1 料金所のブースの数を増やす
とにかくお金がかかります。料金所の土地も大きくしなければならないし、管理する
ランニングコストもかかります。しかし効果は絶大ですね。工場でもコストを無視
すれば包装室を大きくして、包装機を並べればボトルネックは無くなりますね。
2 ETCの設置を推進する
人件費の削減より、通過してみれば解りますがブレーキを踏んでいったん止まって
精算していたのが、基本は20Kmまでスピードは落とさなくては、なりませんが
いままでかかっていた時間の10分の1くらいの時間で、通過できますね。
もちろんボトルネックも解消することになります。ただ、道路公団だけでなく利用者
にも投資が必要です。たまにしか高速に乗らない人にとって数万円の投資は、
大きいですね。しかし新車の標準設備になれば、ずいぶん渋滞は減少すると思います。
3 精算する人を前後二人にする
外環三郷の料金所で行われています。通常は一台しか料金所として使用していない
のですが、朝方、夕方の渋滞が発生する時間帯になると、一つのブースで前後二台
同時に料金回収しています。あなたの工場でも通常は一人で行っている仕事もピーク
の一瞬に二人で作業するようにすれば、生産性が上がる工程も有るはずです。
このように投資をあまりかけずに生産性を上げることは可能なんです。
4 自動機械で行っていたことを人で行うようにする
実際にその行っているところを見るとびっくりしますね。常磐道の下り三郷インターの
一番中央線側で朝行われていましたが、料金所のカードを自動の機械では無く人が、
手渡ししています。JR等の切符自動販売機でもそうですが自動販売機よりベテランの
販売員が行った方が生産性が高いって事は良くある話しです。
工場でも機械化、機械化と自動機械を入れていきますが、ベテランよりスピードは
落ちるのが通常です。機械のいいところは休まない、疲れない事です。パソコンの
いいところは勝手に動いていて、その時間に他の事ができるって事です。私は
家では良く仕事しながら、もう一大の他のパソコンでCDの編集をしたりしています。
自動で読み取って、その時間に他の事ができるのでその点機械化することすなわち
パソコンはいいですね。
この三郷料金所で教えてくれるのは、非常に込み入った仕事の時は、一時的にでも
機械を止めて、人の手を入れることによって生産性が上がるって事です。
みなさんの工場でもボトルネックを解消するための智恵は出し切っていますか?
投資、投資と考える前に智恵を出すことはたくさんあると思います。
知恵をてこに使えば、大きな改善をすることができますね。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。