==================================食品工場の工場長の仕事とは==
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■■ アレルゲン管理について
■■■ 2013年5月11日発行
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おはようございます。河岸です。
もし自分の家族が小麦アレルギーだったとしたらみなさんどんな対応を
とりますか。
食品工場の衛生管理は、自分の家族のために食品を造っていると考える
事が大切です。
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●セミナーの紹介です。
●大阪無料公演の案内です。
5月17日金曜日 新大阪です。
食品工場の安全管理、危機管理についてお話します。
特に消費者から見ての表示の意味、安全性についてのお話をします。
「千葉県産の関サバ」を掴まされないために、是非参加してください。
申し込みは ↓↓↓
http://www.optex-fa.jp/seminar/index11.html
●セミナーの案内です。
「食品の消費期限、賞味期限の設定について」
安易にあの商品と同じに賞味期限をつけていませんか。
於 東京です
2013年5月20日(月) 12:30〜16:30
http://www.rdsc.co.jp/seminar/130521.html
●河岸宏和のセミナーの案内です。
「全盛時代のプライベート商品 そのメリット、デメリット」
安さと品ぞろえで人気は高いが、消費者にとってのメリットとデメリ
ットは何なのでしょうか。
「スーパーの裏側」などの著書で知られる河岸さんに詳しく分析してい
ただきます。
講師 河岸 宏和
(「食品工場の工場長の仕事とは」主宰)
◎日 時 平成25年5月31日(金)
午後1時30分〜午後3時(予定)
◎会 場 東京農業大学「食と農」の博物館 2階セミナールーム
東京都世田谷区上用賀2-4-28
◎参加費 会員500円 一般1000円
◎お申込み NPO法人良い食材を伝える会 事務局
電話 03−3423−6080
FAX 03−3423−6085
e-mail info@yoishoku.com
申し込み 詳細は下記からお願いします。
http://yoishoku.com/2013/04/post-124.html
・食品工場の参考になる本
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102
・中食・外食で参考になる本
http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22
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アレルゲン管理について
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工場の考え方が一番出る項目
アレルゲン表示を考える時に、自分の事として考える事が必要です。
卵アレルギーのあなたが市販のお弁当を選ぶときの事を考えます。お
弁当を買うときに、厚焼き卵、ゆで卵などの入った物は避けて購入し
ます。もちろんお弁当の一括表示を確認し、卵の入った物を購入しな
いように気をつけていました。
あるお店で、表示を見てもすべてのお弁当に「卵」の表示があり、
購入出来る弁当が無かったのです。時間が無かったので、とんかつが
入った弁当を購入しました。「卵はとんカツのころもに入っているか
らとんカツを食べなきゃ大丈夫」と思ったあなたは、とんかつ以外の
おかずとご飯を食べたのです。
食べて30分後に息苦しくなってきました。とんかつ以外のおかずに
卵白が使われていて、あなたはアレルギー症状が出てしまったのです。
後日、配合まで調べると、煮物に卵白が使われていました。
しかし、一括表示では、アレルゲンがどの食材に使用されて居るか
解らないのです。
何処まで詳しく書くか
アレルゲン表示は、発症例が多いもの、重篤な症状のでるものの7
品目の表示が義務づけられています。残りの18品目は記載してもしな
くても法律上は問題ありません。
「パン」であれば小麦が使われているのは、常識として、小麦のア
レルゲン表示は「代替表記」として小麦の記載を行わないでもいいこ
とになっています。醤油なら大豆、チーズなら乳の表示は不要になり
ます。
お客様の事を考えた表示であれば、とんかつ(小麦、乳、卵を含む)、
煮物(大豆、卵を含む)、醤油(小麦、大豆を含む)と食材単独毎に
アレルゲン表示を行うことが必要になります。醤油に関しても「代替
表記」を行わず、「大豆」と記載することがより丁寧な表示と言えま
す。
コンタミ表示は最小限に
アレルギー表示のミスは文字通りの命取りの表示になります。そば
アレルギー反応を起こす方は、そばを茹でたお湯でうどんを茹でてそ
のうどんを食べる事でアレルギー症状が出てしまいます。普段そばを
盛っているざるにうどんを盛って食べると症状を出される方もいます。
このような場合は、「当店ではうどんとそばを同じ釜で茹でています」
と言った店頭表示をすることが必要になります。
但し、アレルギー反応が怖いからと言って、5品目の特定原材料等
に関して「入っているかもしれない」という表示は認められていませ
ん。このような「入っているかもしれない」という可能性の表示は、
PL法(製造物責任法)で企業防衛として安易に利用されることが予想さ
れるのと、アレルギー患者の食べられる食品の選択の幅を狭めること
にもなり禁止されています。
アレルギーのコンタミが怖いからと言ってサニテーション(清掃)
が確実に出来てコンタミ(コンタミネーション)(混じってしまうこ
と)が起きる可能性だけで入っているかもしれませんと言った表示は
アレルギーの方の食べられるものが減ってしまうので極力可能性表示
は減らす必要があります。コンタミの表示が必要な工程は、細菌的に
も清掃が確実に行われていないのと同じ事になります。
アレルゲンを含むラインと含まないラインの管理が本来必要になり
ます。そばアレルギーの方が安心してうどんを食べる事の出来る製造
管理が必要になります。
アレルゲンの検査の必要性
ロールキャベツに使用して居るベーコンが何時のまにか
卵入りのベーコンになっていて、ロールキャベツを回収した事故があ
りました。仕入れている原材料のアレルゲンに表示して有る物いがい
が含まれていないかの検査を行うかどうか、行うとしたら頻度をどう
するか、検査費用の負担を仕入れ先と事前に打ち合わせておくことが
必要になります。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
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