==================================食品工場の工場長の仕事とは==
■
■■ アレルゲン管理について アレルゲン教育
■■■ 2009年8月16日発行
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
おはようございます。河岸です。
お盆休みも今日までの方が多いと思います。皆さん夏の思いではしっかり
造る事が出来ましたか。
日経BPネットの記事です。
売り切れゴメン―日常の食事を大切に―
第17回 おいしい豚肉を食べるために
適度に熟成した塊肉をカットする
とんかつ専門店では、注文を受けてから塊の豚肉をカットして、衣を付けて
揚げてくれます。家庭でも、切りたての肉を使えば、おいしいとんかつを作る
ことができます。
おいしい豚肉を食べるためには、適度に熟成した肉の塊をカットして、なる
べく早く加熱調理することが重要になります。
続きはこちらから ↓↓↓↓↓↓
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090810/173663/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今週のお勧めの本です。
コメほど汚い世界はない (単行本(ソフトカバー))
吾妻 博勝 (著)
米の世界を書いた
元週刊文春の記者の方が書いた本です。
事故米で大騒ぎになった背景、日本に流通する可能性のある偽装米を
解説しています。
被爆米、線路米、カドニウム米、くず米、MA米、SBS米、工業米、飼料
米などの言葉の意味とどうして出てくるか、混ぜるとしたらどのような可能
性があるかが理解できます。
但し、実際の見分け方が書いていないので消費者の方が見抜く事のヒ
ントが書かれていません。
できれば、一般の方でも見分けられる方法が書かれていれば、★5個
だったんですが。興味の有る方にはお勧めです。
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4796670238
★4個です。
地震がくるといいながら高層ビルを建てる日本 (講談社プラスアルファ)
デュラン れい子 (著)
外国人から見ると
「外から帰ってきたら手を洗ってうがいしなさい」子供に対して親は口
を酸っぱくしてしつけをします。
インフルエンザガはやり出すと、電車の中はマスクをした人だらけに
なってしまいます。
日本だけで生活しているとうがいも、マスクも当たり前の事ですが、
著者によるとうがいをするという日本人の当たり前の事が当たり前じゃ
無い事が理解できます。
地震があっても大丈夫だとそのまま寝ている感覚も日本人だけだそ
うです。
人生を飾らずにラクに生きるためにどうしたらいいかのヒントがたくさ
ん書かれています。
少し、日本で日本人として生きることに疲れたあなたにお勧めです。
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4062725010
★4個です。
・食品工場の参考になる本
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102
・中食・外食で参考になる本
http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22
==========================================================
★☆ ====================
アレルゲン管理について
=========================
人の命に関わることも
アレルゲンの管理を何気なく行っている工場があります。
アレルゲンの症状が出る方にとっては、本当に微量なアレルゲンでも生
死の問題になってしまいます。
考えられるすべてのアレルギー物質を必ずお弁当に入れている所もあり
ますが、アレルギー症状を持つ方にとって食べる事の出来る物を少なくし
てしまいますので、必要の無いものを加える考え方は止めた方がいいと
思います。
アレルゲン管理のために次の準備が必要です。
1 原材料の保管
2 原材料の処理、解凍
3 生産設備の洗浄管理
4 タオル、ブラシの管理
5 アレルゲン教育
今日はアレルゲン教育についてお話しします。
アレルゲンの表示ミスは影響が大です。
2010年より、エビ、かにが加わって表示義務のあるアレルゲンが7種類
になりました。(小麦。卵、乳、そば、ピーナツ、かに、エビ)。
表示義務のあるアレルゲンを含めて、発症の可能性の有るアレルゲン
25種類の取扱には注意が必要で有ることを従業員に教育を行います。
特定原材料等は25品目あり、えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生、
あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、
大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチンに
なります。25品目は常に諳んじられるくらいの教育が必要です。
アレルゲン物質は加熱してもアレルギー症状が出ない事にはなりませ
ん。
アレルゲン教育には、材料の保管場所の区分、製造時に表示の無い
商品と混ざらないようにすること、掃除道具の区分を教育します。
コーヒーのスターバックスでは、乳アレルギーの方のために、豆乳のミ
ルクも有りますが、コーヒーカップを拭くふきんの区分もしっかり色を変え
て行っています。
食品工場で使用する、掃除道具もアレルゲンを含む工程と含まない
工程では、色を明確に分ける必要があります。
使い掛けの食材を置く冷蔵庫を含め、食材、等の保管場所はアレル
ゲンの食材毎に区分をし、定位置管理が必要です。
半製品を入れる容器を兼用したことで、ピーナツが混じってしまった
食品事故の事例がありました。
アレルギー症状を起こされる方は非常に微量な量でもアレルギー症
状を発症します。
数μg/ml濃度レベル又は数μg/g含有レベル以上でアレルギー
物質が検出されるということであれば特定原材料を使用している旨の
表示が必要になります。
一度アレルギー症状を起こしてしまうと、適切な処置を受けないと呼
吸が出来なくなり死に至る事もあります。
いままでアレルギー症状を起こしたことの無い方が、ある日突然起こ
すこともあります。
日本の飛行機会社の飛行機の中で出される、つまみの中にピーナッ
ツが含まれていないのは、アレルギー物質を極力さけるという考え方か
もしれません。
海外に向かう飛行機の中でアレルギー症状が出てしまうと、直ぐに病
院に罹る事が出来なくなるからかもしれません。
製造ラインで混入の可能性は表示がいります。
特定原材料を使用している製品と同一製造ラインを使用することで、
特定原材料等が入ってしまう可能性が考えられる場合、「本品製造工
場では○○(特定原材料等の名称)を含む製品を生産しています。」、
「○○(特定原材料等の名称)を使用した設備で製造しています。」等
表記することにより注意喚起をすることは可能とされています。
アレルギー表示は業務用や加工食品の原料であっても表示の義務
付けがされています。
アレルギー表示が必要な事を従業員に教育を行い、表示が漏れるこ
とを防がなくてはならないのです。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。