========================================食品工場長の仕事とは===

■■   “食の安全”はどこまで信用できるのか

■■■   現場から見た「食の安全」の真実     2008年2月13日発行 

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おはようございます。河岸です。すてきなニュースです。私のメルマガ、ホーム

ページがすてきな本になりました。まだ、まだ最終稿が上がっていませんが

アマゾンで予約が出来ますので、是非、予約をお願いします。

 食の安全に”笛”を吹く勇気がでる本ですので、色々な方に勧めてください。

 

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“食の安全”はどこまで信用できるのか 現場から見た品質管理の真実

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はじめに

 ちょうどこの本の執筆が終わる頃に、中国製冷凍ギョーザ事件が発覚しまし

た。この事件の全容は、原稿執筆時点で解明されていませんが、これによって

消費者も食品業界も、今までにないほど“食の安全”を真剣に考えることになっ

たと思います。

 食品は最悪の場合、人の命を奪うこともできます。食品業界の人間は、それを

念頭に置いて消費者に食品を届けるべきです。しかし、そうした意識が日本の食

品業界にどれだけ浸透しているかは、2007年の一連の食品偽装事件を見れば

明らかでしょう。

「河岸さんなら偽装は見抜けましたか?」

2007年に北海道で起きたミートホープの偽装事件の時に、私はよく質問を受

けました。その時、私は胸を張って答えたものです。

「もちろん、私なら入荷したひき肉を見て偽装をすぐに見抜けました。」

 なぜ自信を持って答えられるかは、50年の私の人生を、少しお話しなくてはな

りません。私は、北海道で生まれ、北海道の畜産大学を卒業してから、ハム・ソ

ーセージメーカーに就職し、食肉処理場から、生肉、畜産加工品、惣菜まで全て

の品質管理を実践してきました。

 ハムメーカーを卒業してからは、惣菜工場、流通センター、卵加工品工場、デ

ザート工場、豆腐工場、餃子工場などコンビニエンスストア一件分が、すべて供

給できる工場の品質管理を任されていたのです。50歳の今は、全国にチェーン

展開している流通の品質管理を行っています。一人の人間が食肉処理場から

始まって流通までの品質管理を現場で経験している最中です。まさしく「農場か

ら食卓までの品質管理」を実践しているのです。こうした経験をしている人間は、

業界でもほとんどいないと思います。

 私は、ひき肉は見ただけで何の肉か畜種が分かります。豚肉か牛肉か、もし

見ただけで分からない場合でも、口に含んで食べて見ると分かるのです。

「えー、生肉を食べるのですか?」と声が聞こえそうですが、もし、私がミートホ

ープ社のひき肉を仕入れていて、色がおかしいな、牛肉のひき肉とは違うなと

思えば、現場のその場で生肉のまま口に入れています。口に入れることで間

違いなく、牛肉ではないことが分かったと思います。

 ハム工場で品質管理を行っていたときも常に原料の味を見て、色を見て、手

で触って原料の良し悪しを判断していました。今でも生産工場の現場に行くと

生の原料でもついなめてしまいます。ミートホープ社の偽装が仕入れていた工

場で何年にも渡って、誰も気が付かなかったのは非常に不思議な事です。

 2007年には立て続けにこうした事件が報道されましたが、食品偽装の背景

はただ一つだと確信しています。

「家族に説明できない仕事をしている」――、この一言に集約できると思います。

 

家族との団欒の会話を思い浮かべてください。

仕事が終わり、家族と夕食を食べているときに、小学生の子どもから聞かれます。

「お父さん、今日はどんな仕事をしてきたの?」

「今日はね、一度販売店に売られていた商品を、売れ残ったから引き上げてきて、

商品の包装紙をはがして、新しい包装紙で包装したんだよ。土曜日の昨日が一

日中雨だったから売れ残った商品がたくさんあって大変だったよ」

「へー、雨の日はあんまり売れないんだね。でも、お父さんの会社の商品に製造

日って付いていなかったっけ」

「製造日付は入っていたけど、お父さんの会社の商品は、本当は何日も美味しく

食べられる商品だから一日や二日日付を書き換えてもまったく問題が無いんだよ」

「すごいね。今度の週末は天気がいいからたくさん売れるね。そうするとお父さん

の工場は忙しくて大変だね」

「お父さんの工場は、忙しい時のために、商品を普段からたくさん造って冷凍庫に

溜めてあるんだ。だから、忙しい時は解かして売るからそんなに忙しくは無いんだよ」

「でも、お父さんの会社の商品は造りたてって書いてあったよね」

「お父さんの工場は、新しい設備を入れたから、凍ったものでも美味しくって誰が食

べたって造りたての味がするんだよ」

「でも、作り立てって、その日に造ることじゃないの」

「……」

「お父さん、“ウソ”を付いちゃいけないって幼稚園で教わったけど、大人は“ウソ”を

付いてもいいの」「……」

「幼稚園の時、先生はウソを付いちゃいけない、人を傷つけたら謝りなさいって言っ

ていたけど、なんでお父さんは黙っているの。」

ペコちゃんのケーキも同じことが言えます。

自分の大切な子どもが初めて誕生日を迎えるときに、もし自分でケーキを造るとし

て、賞味期限の切れた生クリームを使いますか。自分のとても大切な子どもに、

賞味期限の切れた牛乳を飲ませますか。

「いいえ、飲ませません」と全員の方が答えると思います。

子供が食べる食料を置いてある食料庫の傍を鼠が何匹も走っていたら、保管して

ある食べ物はどうしますか。食料庫に鼠の糞が落ちていたらどうしますか。

答えは、説明の必要はないと思います。

 食品の品質管理と聞くと難しく考えます、難しいことは何もないのです。幼稚園

で教えてもらった、「ウソを付かない」ということ、この一言だけなのです。“ウソ”を

付いている人を見かけたら、それを知らせる“笛”を吹けばいいのです。

 本書は、食品業界で25年以上品質管理を実践してきた私自身が、そうした思い

を込めて書きしるしたものです。本書のなかでは、数々の食品偽装を生み出した

業界のカラクリ、背景を解き明かしていますが、業界では当たり前のように行われ

ていることも、消費者にはほとんど伝わっていません。

 おそらく、読者の皆さんは「こんなに偽装が発覚するのだったら、どこも危ないの

では?」「もっと厳しく法で規制すべきでは?」など、さまざまな思いが浮かんでいる

と思います。また、中国産冷凍ギョーザ事件のように、まさに命を脅かすような事態

に対して、改めて毎日食べる食品がどうやって作られ、届けられているのか、どうし

たら安全な食品づくりがなされるのか、そういった点を知りたいと考える人も多いの

ではないでしょうか。本書ではそれらの素朴な疑念に対して、できるかぎり誠実に

わかりやすく、答えたつもりです。

 ただ、この本は業界の真実を声高に告発するだけが目的ではありません。

 「どこでもやっていることだから」「利益を上げるためには仕方がないから」偽装は

やめられないのかというと、そうではないはずです。私はホームページや雑誌記事

の執筆、セミナーなどを通して、食品業界の皆さんにその方法と考え方を伝えてい

ますが、じつは消費者の皆さんの側にもできることがいくつかあります。

 そのひとつが、”自分の舌“に自信を持ち、自分が食べるものに真剣な目を向け

ることです。もし、「おかしい」と思ったら、しっかりと声を上げるべきなのです。それ

によって、偽装の連鎖が断ち切られるのです。

この本を読んで、私と一緒に今日から笛を吹きませんか?

雪の降る節分にギョーザ報道を聞きながら              河岸宏和

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書誌情報
河岸宏和 著
関連サイト:
 ・食品工場の工場長の仕事とは
定価:760円 (本体724円)
発売日:2008/03/11
形態:新書 (192ページ)
ISBN:978-4-7561-5135-3

 

目次
はじめに
序章  食品事件はなぜ続くのか?
  中国製冷凍ギョーザ事件の背景にあるもの
    他社の事件は「他山の石」ではなく「対岸の家事」
    日本の管理体制の甘さが生んだ、ギョーザ事件
1章  消費者が知らない「賞味期限」のトリック
    業者が勝手に決められる消費・賞味期限
   「何となく」という理由で賞味期限を決めている現状
   日本では製造年月日の表示は必要ではない!
   「製造後11カ月」の商品も「賞味期限1カ月」で売られる!?
   商品を凍らせていたことを知らない消費者
   本当に作っている場所は、消費者には分からない!?
   賞味期限はスーパーが決めることも多い
   賞味期限の表示には、なぜシールが多い?
   賞味期限を勝手に変更しても、違法にはならない!?
   マグロの柵が値引きされない理由
   消費期限のない商品は、本当に大丈夫?
   業者間での取引では、賞味期限がない!

2章  卵や肉、身近な食品にはトリックがいっぱい
   毎日一定数生まれる卵が、なぜか土日に販売量が増える謎
   あらゆる工程で一番大切なのはチルド保管
   36度で保管すると、卵は菌でいっぱいになる
   卵のチルド保管が徹底していないのは日本だけ
   チルド鶏肉の売れ残りは、どこにいく?
   豚のロース肉、ひき肉の巧妙なトリック
   牛肉業界でも、偽装は多く行われている
   魚の名前は偽装のオンパレード
   弁当屋の弁当は、期限表示なし!
   抜け穴がたくさんある加工食品の世界
   「朝採れレタス」はいつ採れたもの?
   「砂糖無添加」でも砂糖入り!? 表示ルールは摩訶不思議!
   日本の食品文化は偽装がしやすい

3章 「コンビニ・中国産は危ない」は真実か?
   コンビニの弁当だけが添加物いっぱいなのか?
   菌が増殖するのは、18度から60度の間
   衛生面でも、コンビニの管理体制は整っている
   流通はチルド輸送がコンビニの常識
   中国の野菜が危険なら、日本の野菜は安全なのか?

4章 食品事件を防ぐために本当に必要なこと
   中国製冷凍ギョーザ事件は、日本業者にも責任がある
   包装に穴を開けたら分かる技術をなぜ導入しなかったのか
   偽装する理由はたった一つ、「儲かる」から
   長年、ミートホープの不正が明るみに出なかった理由
   工場の生産活動は常に社会から評価されている
   起業はコンプライアンスよりも「ビジネスエシックス」を持つべき
   組織の中だけの倫理観になっていないか?
   納品規格書に沿って、倫理観を監視することの大切さ
   毎日の受け入れ検査を確実に実施することも重要
   抜き打ち検査は、文字通り“抜き打ち”で行う
   金属異物の混入も防ぐ努力も必須
   ホチキスの針、ゼムクリップは異物混入の代表格
   行政の“形”だけの許可体制も大きな問題点
   監査体制を強化しつつあるコンビニ業界

5章  賞味期限は「おいしさ」で判断するべき
   法律では、食中毒さえ起こさなければOK
   細菌検査だけで期限を設定するのは、間違った考え
   賞味期限が延びるファクターを見つけることが大切
   1年間の賞味期限は、1年間検査する必要があるのか?
   加工品を作る際に使う原材料の期限設定のルールとは?
   牛肉はスーパーで並んだ時点で期限切れ?
終章 食品の現場が向かう明日
   ある老舗和菓子屋で何が起こったのか
  「あんこは腐らないよ」という甘い声がすべての始まりに
   売れ残りを再利用しても「まったく問題ないよ」
   最低のルールは明文化されていない
  ビジネスエシックスは日本の悪い習慣を変える!
  企業の歪んだ倫理にノーといえるか
  今日も聞こえる現場からの悲鳴
  日本の食品業界は、今こそ猛省を
  日本にも本当の倫理観をもった企業はある
  こんな時代だからこそ「食育」が大切
  消費者の目は、あらゆる偽装を断ち切るパワーになる
  不潔感が見える店には足を運ばない
 「もったいない」と偽装は一緒にしてはいけない問題
 「売り切れごめん」を当たり前に

おわりに

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読者の方から感想を頂きました。

始めまして
 
北海道十勝は何故かこの1週間天気が続き気温の上昇で雪が解けました。
このまま春になってくれればいいのですがそうもいかないでしょう。
 
早速 「食の安全」を購入して読みました。
 ダブルところが何度かありましたが良く書いてますね、ビジネスエシックスは重要です。
が現場ではなかなか声が上がらないのが現状でしょう。そこを敢えて声を出すよう後押しする
力強い本となるでしょう。
社会全体にあらゆる場所立場でで倫理感、道徳感を持たねばなりませんね。
 
今後のご活躍を期待します。

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昨年を表わす漢字は『偽』でした。食品業界では偽装ということが随分取り上げられました。


 それを引きずるように発生した中国冷凍餃子への農薬混入事件からチャイナフリーという

大きな問題に発展して行きそうな情勢です。日本の食料自給率から考えると一方的な論理は、

やがて自分の首を絞める事態に発展するということに気付く必要があると思います。


 本書の作者、河岸宏和さんは25年間の食品業界でのキャリアを生かして短期間で判り

易く問題点を解説する本を書き上げてくれました。


 食品業界の人たちだけでなく、一般の消費者が手に取って欲しいものです。そしてた

くさんの方が、この本から真実をつかんでくれたら良いなと思います。

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養鶏場、ハムソーセージ工場、コンビニ向け惣菜工場、大手スーパーマーケット厨房等 
の食の現場の品質管理に携わってきた筆者が明かす問題点の数々が書かれています。 
 皆様のイメージと現状は違っているようです。消費期限、賞味期限を科学的知見によ 
り決められた正確なものと思っていませんか?多くの業者は「何となく」、スーパマー 
ケットから言われた通り付けています。ですから「何となく」付け直しているのです。 
最初から長い賞味期限を付けている食品の方が安全です。手作り弁当とコンビニ弁当を 
比べて手作り弁当の方が安心していませんか。どちらが安全なのでしょう。きっちりし 
た衛生管理は評価してください。 これまで誰も語らなかった食の実情を学んでくださ 
い。イメージだけで判断することは間違いです。消費者は賢くならないと食品のごまか 
しはなくなりません。 
          食品衛生コンサルタント

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著者は畜産学科という大学の学科を卒業し、農場から食卓までの食の安全・安心を、この著作の中でテンポの良い、分かりやすい表現内容で説明しています。私も畜産学科 卒業者ですが、この学科では、実に幅広い範囲で生物学に関わる学問を勉強します。卒業時には「食品衛生管理者」という資格も取得する事が出来ます。著者は、実際に食品を購入していただくお客様に対して、今、日本の食品製造の現場で、どのような事が行われていたか、又は、いるかを、この著作の中で見える化しています。最新の情報がちりばめられていますので、是非、ご家庭の主婦の方にも読んでいただきたい本です。人間は食べ物を食べないと健康な生活、子供にあっては成長が出来ません。私にも2人の娘がいますが、学校教育の中でも食に関する安全・安心を授業の中に取り入れるべきではないか、と日々考えています。食料自給率が40%をきる時代であり、加工食品を食べない日は無い時代です。どうぞ、この本を手にとっていただき、真実の知識を手に入れてください。美味しい食品大国ニッポンを作りあげようではありませんか!!

 

 

 

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あのひろさちやさんと同じ所に載るのは、名誉ですね。非常に嬉しいです。

アスキーのHPです。

 

http://shinsho.ascii.co.jp/books/books/detail/978-4-7561-5135-3.shtml

 

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2008年3月14日 金曜日 日本経済新聞の朝刊に広告がでました。

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●月刊HACCP4月号で紹介されました。

 

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●日本食糧新聞で紹介されました。2008年3月26日(水)で紹介されました。

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●ペストコントロールで紹介されました。

  

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●食品工業で紹介されました。

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●雑誌 食品工場長で紹介されました。

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●2008年6月1日 読売新聞で紹介されました。

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●経営実務 6月号で紹介されました。

    

 

日本経済新聞 2008年11月2日 日曜日 読書欄で紹介されました。

   クリックすると大きくなります。

 

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加須市の一清堂 2008年3月8日に並んでいました。
八重洲ブックセンター 2008年3月14日

私の本が3冊とも平積みでした。いい本屋さんです。

サークルKサンクス

2008年3月17日

コンビニでも並びました

嬉しいですね。

浜松町の文教堂 2008年3月14日
新宿 紀伊国屋

2008年3月21日
新宿 紀伊国屋

2008年3月21日
新宿 ルミネ 

ブックファースト 

 

2008年3月21日

札幌紀伊国屋 2008年5月10日
東京大丸の三省堂 2008年3月14日

 

 

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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