==================================食品工場の工場長の仕事とは==

■■   安全管理推進について

■■■                            2009年2月7日発行 

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おはようございます。河岸です。

 世界のトヨタも今年は赤字決算の見込みだそうです。野村証券によると、

4500億円の営業赤字は、調査が可能な68年度の決算期以降、金融機関を

含めて国内最大のようです。

 なにかいいお話はありませんか?

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今週のお勧めの本です。

ブランドづくりの教科書 (単行本(ソフトカバー))        林田 正光 (著)

ブランドはお客様が決める事

 ザ・リッツ・カールトン大阪の営業統括支配人が書かれた本です。

 「旅人が心からくつろげる場所」を目指したザ・リッツ・カールトンは、例えば

一度枕の固さを注文すると、世界中のザ・リッツ・カールトンに泊まった時に

好みの枕を用意してくれるそうです。自分の家で眠るときには常に自分好み

の枕があるのと同じ考えだそうです。

 一度、心づくしのサービスを受けるとサービスを受けたお客様が、自分から

ザ・リッツ・カールトンの良さを宣伝してくれます。

 「ここは違う」「ここは特別だ」「ここはすばらしい」と信頼感をお客様がいだき、

お店、ホテルは、その「約束」に答えることが必要になります・

 その「約束を」守ることがブランドに繋がると著者は語ります。

 表面だけのブランド化にならないように是非読んでみてください。

http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22/detail/4860633180

★五個です。

 

プラス1%の企画力 (単行本)                     中谷 彰宏 (著)

ちょっとした差が仕事をおもしろくします

 経営の目的は利益を上げること、企業を継続することの2点になります。

 経営を行って行くためには、ちょっとした工夫が仕事を楽しくします。つまら

ない仕事をしていても、楽しい自分を磨く仕事をしていても同じ時間を過ごす

なら、たった1%仕事について深く考えることで、仕事はおもしろくなると私も

思います。

 仕事がうまく行ったとしても「あそこでもっとこうしておけば良かった」と思う

のが日本人のいいところです。日本人は武士道の考え方があり、常に自分を

磨き続けるのが武士道になります。

 「進化」では無く「深化」が必要だと再確認させてくれる良書です。

★五個です。

http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22/detail/4478003289

 

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 安全管理推進について

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読者の方からメールをいただきました。

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毎回勉強させていただいております。

友人から労災発生による訴訟裁判の話を聞き職場労働安全確保・監督責任の

重要性を再認識させていただきました。工場長の経験から労働安全管理に

ついてお話をいただければと思いました。どうしてもベテランほど慣れからか、

効率が悪くなるから安全器具を外したり、マニュアル通り行わないことが多々

見受けられます。上手い安全管理推進の話しを聞かせて頂けますでしょうか。

よろしくおねがいします。

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安全管理は最優先事項です

 食品工場の大きな問題点として、お客様に食中毒と言う事故を起こしてしま

う事。労災で働いている方に不自由を負わせてしまうこと。この二つは最優先で

考えなくてはいけないことです。

 「床がぬれていて滑って腰骨を折ってしまった」「機械に挟まって指を切断して

しまった」「機械に挟まって腕を落としてしまった」「通勤途上の交通事故で亡く

なってしまった」「フォークリフトがプラットホームから落ちて足を折ってしまった」

「荷下ろしの時、台車に挟まって足を折ってしまった」どの事故も私が経験した

大きな事故です。さすがに私の経験した労災の中で交通事故で従業員が死亡

した以外は、死亡事故は有りませんでした。

 

安全管理の推進で私が経験した事からお話ししたいと思います

 安全管理を行う上でこれっていう決定的なものは、ありません。地道な日常の

努力が工場の実力になっていくと思っています。

 つい新しい安全装置を入れることで安全管理の対策を取ろうと考えてしまい

がちです。

 例えば両手でスイッチを入れないと動かない機械を入れたのでもう指を挟む事

故は起きないとします。新しい機械を入れても現場では手直しが必要と言うこと

で、片手で両方のボタンが押せるように工夫をしてしまう事があります。読者の

方の「どうしてもベテランほど慣れからか、効率が悪くなるから安全器具を外した

り、」と言うことになってしまいます。

 安全装置のセンサーに安全カバーを外しても機械が動くように工夫をしている

現場をよく見ます。

 安全装置を工夫して、安全装置が機能しないようにすることを生産性が上がっ

ても、認めてはいけないのです。

 生産性よりも安全を優先する考え方に、工場中の方の意識を改革しないといけ

ないのです。

 テニスをしていても、毎日の練習をせずに、ラケットを最新のものにして、ガット

をナチュラルガットを張っても、実力が伴わなくては、いいプレーはできません。

 工場の安全推進も機械の入れ替え、床等の設備の改善を行っても現場の体

力すなわち、現場の安全が一番優先されるという意識が改善されないと、安全

推進は推進されません。

 

ではどうしたらいいのか、安全を考える上で重要な考え方の一つにハイリッヒの

法則というものがあります。

http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/hainnrihhi_83.htm

 

 大きな事故一件の背後には、小さな事故が30件、ひやり事故が300件あると

言う法則です。

 三菱の事故隠しの時もも、ディーラーの修理工場にはすでに、たくさんのクレ

ームが有ったと思われます。

 事故の当時にイエローハット等に行くと、「三菱の自動車はタイヤを4本とも同

時に交換しないと事故になります。」と表示してありました。

 タイヤを一本だけ交換するとキットなにか事故が発生していたように思います。

 

では、具体的にどうしたらいいのか?

1 事故を予見する。実際の事故を記録する。

2 予見した事故、実際の事故を反省して予防策を考える。

3 予防策を実行する。

4 予防策の結果を検証する。

 

項目について、お話しします。

1 事故を予見する。実際の事故を記録する。

  安全衛生委員会のメンバーで安全パトロールをして事故を予見する。

  安全の目安箱で意見を集める。

  実際の小さな事故もすべて記録する。この地道な努力でデーターを集めます。

  小さな事故は、労災にしたくないので隠しておく。実際労災を起こしても、

  基準監督署、本社がうるさいので隠しておく、そうすると働いている人も、どうせ

  意見を言っても仕方ないなと思い、最後は大きな事故が起きる。雪印、三菱の

  体質になってしまいます。暗黙知を顕在化する必要があります。

  どんな小さな事故も記録し、顕在化させることが大切です。

 

2 予見した事故、実際の事故を反省して予防策を考える。

  1で集めたデーターを一つ一つ、本気で予防策を考える必要があります。

  予算が無いから無いもできない。とよく聞きますが、お金が無くてもできることを

  工夫する。その知恵を出すことが大切です。

 

3 予防策を実行する。

  知恵の結果を実践してみます。

  実際に現場で働く方との意見交換が大切です。

 

4 予防策の結果を検証する。

  予防策が本当に効果があるか検証します。毎週、毎月、しつこくしつこく検証

  する事が大切です。

 

ここで、大事なのはすべてのステップを、現場の協力、現場と共に進めることです。

 自分たちが参加して行った改善活動は、自分たちで守ろうとします。

 自分の欲しかったものはたいせつに使用します。

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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