========================================食品工場長の仕事とは===

   安心と安全について


アメリカのBSEにより 牛肉の輸入が禁止されていますが その中で

安心と 安全のごちゃ混ぜの議論が されていますね アメリカは

安全ですよ

日本は安心で無いと 困ります

この安全 安心については 完全な平行線になっているので 妥協点は無いような

気がしますが 皆さん いかがお考えですか?

 

広辞苑によると

安心とは心配不安がなくて 心が安らぐこと また 安らかなこと

安全とは安らかで危険のないこと 平穏無事 

     物事が損傷したり危害を受けたりするおそれの無いこと

と書いて あります

 

映画 パニックルームが この安全と安心の区別を 考えるのに いい

お話だと思います

 

あらすじは 次のようになります

ニューヨーク。夫と離婚したメグ(ジョディ・フォスター)は、11歳の娘サラを連れ、

ある富豪が遺した豪邸に入居。その夜、遺族の一人であるジュニア、正体不明の

ラウール、屋敷に設置された緊急避難用の鋼鉄製の密室パニック・ルームの設計者

バーナムという3人の男が邸内に侵入してきた。パニック・ルームに隠されたと目され

る遺産を盗みにきたのだ。メグとサラはパニック・ルームに逃げ込むが、男たちは邸内を

破壊しはじめ、パニック・ルームへと魔の手を伸ばしてくる。そんな中、糖尿病を患って

いるサラが、発作を起こしてしまう。一方、3人組は仲間割れを起こし、ラウールが

ジュニアを射殺。メグは電話線を自らつなぎ、別れた夫スティーヴンに連絡するが、

彼は1人でのこのこやってきて男たちに捕らわれてしまう。メグはサラにインシュリンの

注射をしようとパニック・ルームの外に出るが、それが災いして、ラウールとバーナムに

パニック・ルームに入られてしまう。サラへの注射はバーナムがしてくれたが、そのサラを

人質に2人は脱出しようとする。やがてラウールの余りの残虐ぶりを見かねたバーナムは、

彼を射殺。そして邸内に警察が乗り込んできて、バーナムは逮捕されるのだった。

メグは パニックルーム この部屋は 何か有ったときに逃げ込めるような 秘密の

部屋になっていて パニックが 起きたとき 逃げ込める部屋になっています

食料と 外部への連絡方法 外部の映像が認識でき 泥棒に関しては「安全」と

言えます その部屋に隠れていれば 良かったのですが

 

安全を脅かすこと すなわち 不安が 出てきたのです

安心出来なくなってきました

 

一番目には 子供のサラが糖尿病の発作を起こしてしまった事

二番目には このパニックルームに遺産が隠してあって それを奪いに来ていること

この心を不安にすることが あると もうそこは 安心な場所では無くなってしまいました

すなわち

アメリカの説明では 統計学的に全頭BSE検査を行わないでも 安全ですよ

日本は 食べるもの全て検査してもらわないと 不安があって安心出来ませんよ

こうなって しまいます

 

 

不安をなくす事 これは 非常に大変ですね

 

 

 パニックルームにいても 外部のあの人に会えない

                何時になったら 出られるか 判らない これが 不安です

 

BSE検査で言えば  いま食べている牛は 同じ牧場の牛が安全だと行っても

              この牛は 検査していないじゃ無いか

 

でも ちょっと考えてみてください BSE検査を全ての肉で 行っているわけでは

ありませんね 肉の一部 すなわち 牛の脳の一部を検査しているにすぎないのです

 

アメリカの考え方です

   鉄砲の弾が本当に飛ぶかどうか 全て検査してしまうと 使う弾は無くなってしまいます

   不良率が何パーセントであれば 何パーセントの検査をして 間違いが無ければ 

   使用していいよ と言う考え方です

   もし 不良の弾で 不発に終わったら それは事故として あきらめる

  

日本の考え方です

   鉄砲の弾と言っても 敵と向き合った時に 最後の一発になって その一発が

   もし 不良品だったら 自分が殺されてしまう だから 出来るだけの検査をして

   不安を無くしたい そうしないと 安心出来ないよ

   なぜなら 家族の大黒柱のお父さんが 戦争に行って 戦っているのだから

   そのお父さんが 鉄砲の弾の不良で死んでしまったら 子供が困るじゃないか

   だから 完璧な検査をしてほしい 

   何故か 日本の場合は 子供 家族の話しが 出てくる場合が 多いですね

 

皆さんの工場の製品について 考えてみてください

ロット管理で 細菌検査 理化学検査をしないと 全て検査してしまうと 売る物

出荷する物が 無くなってしまいますね

ある程度のロットで そのロットから 抽出したサンプルが安全であれば そのロットが

安全であるよ その発想が必要です

 

ここで 大切な点です 安心するために 必要な事

 

一番大切なのは そのデーターが 信用できるか その一言に尽きると 思います

データーが 信用できれば 安心なんです

 

アメリカの現状のトレース出来ない 状況であれば まだまだ 統計学的に安全でも

安心できませんね

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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