========================================食品工場長の仕事とは===

    アメリカ産牛肉輸入再開について


他山の石としてどう学ぶか

 2006年1月に発生した、アメリカ産牛肉に除去が義務づけられている背骨が

付いていた問題をどのように他山の石にするか考えてみたいと思います。報道

では、処理を行っていた作業者が日本向けに背骨を外すことを知らなかったば

かりか、アメリカ政府の検査官も日本向けの牛肉に背骨を付けてはいけないこ

とを知らなかったと報道されています。単純に言ってしまえば、日本も嘗められた

という一言で終わってしまいますが、工場を管理していると何でこんな事をして

しまったのか疑問に思えるような事が起きてしまいます。

 

 

決めた事が現場まで本当に伝わっているか

 国同士という、本当にトップ同士できめた、国と国の約束が守られていませんで

した。そんな無意味なことはどうでもいいのだ、といったような開き直った発言も聞

こえますが、一度決めたハードルが、しかも目に見えない検査結果を待って判定

するような、ハードルではなくて、目視検査で直ぐに判るハードルが守られなかった

事になります。現場にものを伝えることは本当に難しいと思います。決めたことを

マニュアルとして配布する。配布する場合は、現場のトップに書類という紙で配布し、

その紙に目を通しておくように、と話すか、読んで聞かせるか、一人一人確認する

か、その差が自然と出てきます。現場の作業者、検査官に本当に伝えたのか

アメリカの現場で確認をしたいものです。たぶん、書類などが配布されていない

ような気がします。どこで情報が詰まって、具体的にどのように改善を行うか確認

していくことが必要です。

 

 

現場の確認をどのようにしたらいいのか

 言葉が通じていないことがあります。アメリカの現場を見ると、英語が話されてい

ません。アメリカの食肉産業、特に食肉処理場は、英語以外の言葉が飛び交ってい

ます。日本の深夜のお弁当工場も日本語以外が飛び交っています。そのような現場

で、自分たちの国で食べる基準は、この基準で、日本向けの基準は背骨をとるのです。

と書類、言葉で通じても本当に伝わっているかが問題になってきます。本当に現場に

伝えるべき事が伝わっているかどうかを確認するためには、事前にロットテストを実施し、

検査官のテストも含めて、点検が必要なのです。そしてアメリカ向けの牛肉と、日本向

けの牛肉の切り替えを具体的にどのようにするかが一番大切な点になります。何回も

何回もテストを繰り返してそのテストを日本の政府、日本の国民の代表が確認する

必要があります。前回の輸入再開の時に、このロットテストを実施しておけば、この

ような大問題にならなかったと思います。

 

 

本番前にロットテストを実施していますか??

 

 

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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